第16話 拳
神浄
前々回、前回の実験体ロワイヤルの準優勝者
その戦闘スタイルは至ってシンプルな格闘術である。
我流で考案した滅光神拳初代師範
そのスピードから繰り出される拳はあらゆる者を薙ぎ倒す威力を誇っている。
まさに光を凌駕する。
さらにその年齢からは想像出来ない身体能力で邪悲田がいなければ間違いなく神浄が実験体ではNo.1の実力だと誰もが称賛している。
神浄が今大会に出場したのは前回の大会で邪悲田の攻撃を避けた際に犠牲として失った登頂部の髪を取り替えす事である。
普段はそれを隠すためにカツラを被って生活している。
赤木
今回、実験体ロワイヤル初参加であるが、人間の時は爆弾を武器にして数々の戦場を掻い潜ってきた元兵士。
その気性の荒らさと爆弾のスペシャリストから戦場の爆弾魔と言う異名を持っていた。
しかし、味方構わず爆破し快感を得る、その危険性から所属していた軍から追放される。
そして戦場で居場所を失くした彼は自ら実験体となる為に決闘因子を体内に埋め込む実験に参加したのである。
その理由は爆弾で絶望する人々の顔が見たいという自分勝手な理由と残虐非道な性格のせいなのだ。
そして実験体になり自身の体の至るところを爆発出来る特異体質を身に付けた。
その代償として眼球がかなり膨張している。
それを隠すために普段はサングラスをかけて生活している。
神浄『では、肩慣らしに軽く捻ってやるかのぉ!!』
神浄はそう言うと首をパキパキと鳴らすと、赤木に凄い勢いで近付き勢いよく殴りかかった。
神浄『-滅光神拳-威殴光』
その拳は光の如く。
観客には見えぬスピードで赤木の顔面を捉えた。
神浄『笑止!!』
勢いよく繰り出され拳が赤木の頬にめり込む。
スゴーンッ!!
赤木『ゴフッ...!!』
殴られながらも赤木がニッと笑った。
赤木『...爆魔連!!』
そう言うと神浄の拳も爆発に巻き込まれた。
『ドッカーンッ!!』
周囲に煙が立ち込める。
赤木はよろけながらも立っている。
神浄も右腕を抑えながら立っていた。
神浄は指が一本吹き飛んでいるようだ。
血が床にポタポタと落ちている。
神浄『小僧!! なかなか楽しませてくれるではないか!!』
神浄は笑いながら赤木を見た。
神浄『止血孔』
そう言うと自身の右腕に左の人差し指を突き刺して血の流れを一時的に止めて止血した。
神浄『まだまだ遊びはこれからじゃよ!!』
そう言うと、神浄は再び赤木に向けて襲い掛かった。




