第15話 光眼
下原は煙草を吸い終わるとその場に仰向けに倒れた。
全身が言葉で表せない痛みと疲れで意識を保つのがギリギリの状態である。
会場からはザワザワと観客の声が聴こえてくるが何て言っているのかは聞き取れない。
山畑『...Aブロック1回戦...勝者は下原選手ー!! しかしこのままでは次の試合に出れるか分かりません...』
すると入り口から西丸が護衛を連れてコロシアム内にズカズカと入って来た。
そして下原の足元まで行くと護衛に下原を運ぶ様に命令した。
西丸『流石、私の実験体だ!! あんな化物にもまさか勝ってしまうとは...正直、驚いてしまったよ!! これは凄い決闘因子に成長させそうだ!!』
西丸はかなり興奮している。
西丸は振り返り、山畑の方を見るとこう言った。
西丸(この子は今から緊急の治療を私の方でさせてもらう。少しばかり預からせてもらう。)
そう言うと下原を連れてコロシアムを後にした。
山畑は少し困惑した様子であったが、直ぐに次の実況を始めた。
山畑『えっと...気を取り直して改めて...第2試合目を只今から開始します!!』
コロシアムは直ぐに新しいセットに変更され次なる参加者を呼んだ。
まず、入り口からは輝かしい光を照らしながら神浄が登場した。
神浄『フォッフォッフォッ!! 1回戦の若造共の戦いを見ておったらワクワクして体が疼きおるわ!!』
戦いたくて体が疼いているらしく興奮している。
そう言いながら、中央の床に座ると一升瓶を浴びるように飲んだ。
暫くすると爆弾魔赤木もコロシアムに入場してきた。
赤木『あぁ~ぁ...待ちくたびれて眼球が渇いちまったじゃねぇか!!』
完全に目を剥き出しにして歩いている。
赤木『このストレスをお前皆に爆発させてやるから待っとけよぉ!!』
そう観客に言い放つと神浄の待つ中央に辿り着いた。
2人はバチバチに睨み合っている。
神浄『このワシに殺られに来たのか小僧!? 生きては帰れんぞ!?』
赤木『それはこっちの台詞だ!! ハゲがっぱ!!』
そして第2試合目が殺気に満ち溢れ開始された!!




