第14話 運命と裁き
樋尻は凄いスピードで下原目掛け殴りかかる。
下原は最後の力を振り絞りそれをかわす。
下原は立ち上がるとおぼつかない足を引きずりながら樋尻の射程範囲から少しでもと逃げる。
樋尻は逃げる下原をずっと目で追いかけている。
そして悪魔の様な笑みを見せる。
樋尻『サイコウダヨ!! ゼツボウニアラガウソノミジメナスガタ...!!』
そう言い放つと樋尻は大きな息を吸い込んだ!!
樋尻『オマエハ...トッテオキノワザデコロシテアゲルヨ』
両手を天高く掲げた!!
巨大な暗黒の雲が頭上に現れた。
ゴロゴロと漆黒の稲光を鳴らしながら
樋尻『死星呪術極-運命乃輪-』
これは運命に逆らえない絶望の雷撃を落とす最大呪術
稲光は目を覆いたくなるほどの荒々しさを見せる。
樋尻『コレデ...ジエン...ナンダ...アタマガ...』
樋尻の様子がおかしい!!
頭を抑え悶えている。
樋尻『キサマ...ナンノ...マネダ...』
下原はそれを虚ろな目で見ている。
下原『...何...だ!?』
樋尻の目の前にはいるはずのない人間の姿をした樋尻が両手を広げて立っている。
それは魂の様な今にも消えそうなほど透明に近い人影。
魂『もう終わりにしよう...僕がこんな事を言える立場ではないのは自分でも分かってる...でもこれ以上キミが罪を重ねるのを見てるのはもう嫌なんだ!!』
樋尻『...ダマレ!! キサマハダマッテミテレバイイ...ワタシトオマエハイッシンドウタイナノダ!!』
魂の樋尻は悲しそうな顔をしている。
魂『でもダメだ!! こんな事間違っている。 キミをずっと愛せなかった僕のせいでこうなったことは僕が1番後悔してる...あの頃に戻れるなら僕はもう1度戻ってキミに謝りたい...』
樋尻『...イマサラキレイゴトヲユウナ...モウアトモドリデキヌノダ』
魂『でもこの呪術は駄目だ!! 君がいなくなってしまう...それじゃ意味がないんだよ!! 僕がキミと一緒にこれからもいるから!!』
樋尻は歯を食い縛る。
樋尻『ダマレェエ!! ウンメイヨサバキタマエ!!』
すると凄い光が頭上から会場を呑み込むように放たれた。
『ズドォオオオン』
山畑『...何が起こっているのか...全く見えません!!』
そして暫くの沈黙が流れ辺りが見え始めた。
するとコロシアムでは樋尻が黒煙を上げ片腕は千切れ、体半分は焦げて真っ黒な状態で立たずんでいた。
一方、下原は多少の衝撃はあったものの片膝を立てて肩で息をしながら樋尻を見ていた。
樋尻『...グフッ...ナゼダ...ナゼ...カミハヤツヲコウゲキシナカ...ッタ...!?』
下原は力を振り絞り右腕を上げた。
下原『最大玉貸!!』
そしてゆっくり右腕を下ろしと樋尻に標準を定めた。
下原『それは...お前が神を信じてなかったからだよ!!』
そう言いと震える足を踏ん張り右腕を限界まで捻った。
下原『これでお前をアイツ(ヒジリ)の何処に贈ってやるよ!!』
ギュィイインと凄まじい金属音を唸らせる。
『最大貯撃"777銀玉乱撃"!!』
凄まじい7つの閃光が樋尻の体を貫いた。
樋尻『グォオオオッ!!』
凄まじい断末魔を叫びならか樋尻は倒れた。
下原はヨロヨロしながら床にドンッと倒れる様に座りこみ、ポケットから煙草を取り口に咥えて火を付けた。
『カチッ....フーッ...』
煙草の煙が空に舞う
下原『この煙草の煙がオマエの線香代わりだ...』
下原はそう言うと何とも言えない表情で倒れた樋尻を見つめていた。




