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実験体戦記~EVIL FIGHT~  作者: Painwind
実験体戦記~実験体ロワイヤル編~
14/55

第13話 悪魔

樋尻(ヒジリ)の顔と体は無数のツギハギだらけで口元にしていたマスクは破れ牙を剥き出しにして息を荒げている。

目は赤く染まりまるで悪魔の様な死体人形(ネクロマンサー)であり面影は一切なかった。


樋尻(ヒジリ)『グゥオォォオッ!!』


鼓膜が破れるような唸り声がコロシアムに響いた。


停止していた観客の術は解けて、皆悪魔の様な姿となった樋尻(ヒジリ)を見て悲鳴を上げる者、逃げ惑う者もいた。



下原(モトハラ)『くっ...樋尻(ヒジリ)...救えなかった...』


下原(モトハラ)は助けられなかった後悔と今、目の前に現れた悪魔を見て体を動かす事が出来なかった。



山畑(ヤマバタ)『...どうしたことでしょうか!! 今までの記憶が一切ありませんが下原(モトハラ)選手と悪魔の様な生物が向き合って立っています!! 樋尻(ヒジリ)選手は何処に行ったのでしょうか!?』


山畑(ヤマバタ)や観客が樋尻(ヒジリ)が目の前の化物になったと言う事は誰一人として術のせいで知るはずもない。



樋尻(ヒジリ)は両手を下原(モトハラ)に向けて構えた。


樋尻(ヒジリ)『オマエヲ...コロス!! -(ドゥンケルハルト)解放(ニルヴァーナ)-!!』


樋尻(ヒジリ)の両手から漆黒の波動が下原(モトハラ)目掛け放たれた。



下原(モトハラ)は間一髪のとこで右側に転がるように避けた。


波動が当たった床は黒煙を上げながらエグれている。


下原(モトハラ)は冷や汗をかきながらエグれた床を見た。


下原(モトハラ)『...マジかよ...こんなの当たったら跡形もねぇ...』


下原(モトハラ)はハッと慌てるように振り返った。


そこには樋尻(ヒジリ)が凄い形相で下原(モトハラ)目掛け殴りかかっていた。


下原(モトハラ)も直ぐに腕で守ったが余りの威力に撥ね飛ばされる。


腕は軋むような鈍い音を鳴らした。

それは左腕が折れた音だった。


それと同時に床に打ち付けた体が悲鳴を上げる。


下原(モトハラ)『ごっはぁ...』


激痛で床をのたうち回る。



だが樋尻(ヒジリ)はのたうち回る下原(モトハラ)の髪を掴み顔面目掛け拳を振り切った。


下原(モトハラ)は白目を剥き後方に転がった。


意識が吹き飛ぶ感覚で地面にうつ伏せに倒れた。


樋尻(ヒジリ)『モウオワリカ...?』


樋尻(ヒジリ)は挑発する様に下原(モトハラ)に向かい言った。



下原(モトハラ)は産まれた小鹿の様にギリギリ立ち上がった。


下原(モトハラ)『...ゲホッゲホッ...ヤベェ...死ぬ...』


目の前に現れた化物に何も出来ずに弄ばれる。



下原(モトハラ)は右腕を震わせながら樋尻(ヒジリ)目掛け精一杯の力を込めて銀玉を撃ち込んだ。


下原(モトハラ)『...うっ...銀玉射撃(シルバーショット)...』


銀玉は樋尻(ヒジリ)の頬をかすめただけで樋尻(ヒジリ)はびくともしていない。


『絶望的』この言葉が今の下原(モトハラ)の心境である。


立っているのがやっとのこの状況、目の前の悪魔は下原(モトハラ)に狙いを定める。

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