第10話 人形
『ゴゴゴゴゴォーッ!!』
凄い音と共に足元の地面から固い石の床が盛り上がる。
下原『うおっ!? 何だこれすげー!!』
みるみる内に正方形の石のバトルフィールドが出来上がった。
山畑『言い忘れていましたが、このフィールドから出ても失格となるので!!』
山畑は付け足した様に説明した。
下原『そんな大事な事忘れんなよ!! まぁ、まずは前の相手に集中しなきゃな!!』
下原は樋尻に焦点を合わせた。
樋尻は何やらブツブツ言っているが全く聴こえない。
すると、肩の人形がケラケラと笑い出した。
人形『キャハハハッ!! キサマでは僕に勝てないよ。』
すると急に周囲が静寂に包まれた。
下原は周りを見渡した。
まるで時が止まっている。
誰一人微動だにしないのだ。
人形『さぁ、此方からいかせてもらうよ。』
すると樋尻が手を広げた。
人形『"空間変化-人形館-"』
周囲が無数の人形で覆われた。
人形達は下原を笑いながら見ている。
下原『何なんだこれは...!? メチャクチャ気味が悪い...』
人形『君にはこの仲間達の遊び道具になってもらうよぉ!!』
人形が不気味に笑う。
下原『こんなとこで負けてたまるか!!』
下原は右の掌を樋尻に向けた。
下原『右手を捻り"銀玉銃撃"』
『ドーーーンッ!!』
下原の掌から凄まじい勢いで銀玉が射出された。
銀玉は樋尻に向かいスピードを加速させる。
人形『甘いね!!』
そう言うと樋尻は右手を前に出した。
人形『"結界魔術-身代人形-"』
すると、樋尻の前に無数の人形が集まり銀玉を受けて消滅する。
下原『マジかよ...人形を身代わりにしやがった。』
人形『だから無駄だって言ったじゃん!! ケッケッケ!!』
人形が笑いながら言ってくる。
人形『じゃあ次はこれはどうかな? さぁ動き出せ"人形兵"』
無数の人形がゾンビの様に下原目掛け襲ってくる。
下原は群がって来る人形をひたすら射撃し沈めた。
下原『くそ...人形が邪魔で近付く事が出来ねぇ...』
人形『思ったよりやるじゃん!! でもこんなんで息が上がってたら困っちゃうなぁ!!』
人形『"人形再生"』
するとさっき倒したはずの人形が再び立ち上がった。
人形は不気味な不気味な笑みを浮かべた。
人形『さぁ、もっと僕を楽しませてよね!!』
蘇った人形兵が再び下原を窮地に追い込む。




