小話14(誕生日)
「殿下は誕生日プレゼントに何かご希望がおありですか?」
「……膝枕を……所望する」
「ピザとマクドをご所望ですの? ファストフードにはファストフードの良さがありますものね」
「……膝枕」
「殿下、ピザと10回ほど口にしてくださいな。せぇーの!」
「え!? っピ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ!」
ちゅっ、
攻撃は先制するに限ります。
「……肘を指差して、ここは?と尋ねる戯れ……ではないのか?」
「スイカかトマトでもお召し上がりになられまして? 殿下はいずれ国オーギョーチーなさるのですから、何事も顔色に出してしまっていては相手に心の内を悟られて侮られてしまいましてよ?」
「国を統治する予定はあるが……台湾スイーツは食すしかなかろう」
ムッとされておいでのご様子。
お顔には朱が差したまま、わたくしを熱をはらんだ目で睨んでおいでです。
これは怒り? それとも……。
近付く顔の気配に瞼を閉じると、その上に優しく殿下の唇が触れるのです。
「……お優しいのですね。ご立腹かと思いましたけれど」
「ふん、人をからかってばかりいると、そのうち痛い目をみるぞ」
「許嫁ですもの。責任を……取ってくださるのでしょう?」
「……戯れが過ぎる」
相変わらず……いえ、先程よりも更に赤くなった顔を片手で押さえる殿下に、思わず微笑んでしまいます。
「お誕生日ですもの。お誕生日おめでとうございます、殿下」
その後は唇と唇が合わさって、しばらくふわふわとした空気に包まれて。
でもやっぱり膝枕のご希望は強かったようで。
しばらくの間ソファーに腰掛け、殿下の髪を撫でることとなりました。
顔の色は人にもうつるようで、頬がずっと熱く、結局殿下に笑われてしまうのだけれど。
やっぱり悔しくて、
ちゅっ、
顔色は……お互い様です。




