幼い少女の冒険譚12【愛する人】
来ました10万字!!!!
皆様のおかげで初めてここまで書けました……。ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします m(_ _)m
「俺今何を……! ぐっ!!!」
『ガァァァァァ』
血の海を作ったギルド長の息子に目を見開いたマインは、強烈な頭痛に襲われ蹲る。
「なんだ……これ!!!」
『ガァァァァァッッ』
割れるように痛い頭を叩き、ガンドレアクの方を睨みつける。
「これも……お前の……っ! がぁぁぁぁぁっっ!!!!」
溢れるようにマインの体内から出た紫色の光は黒く淀み、マインの全てを支配する。
「くそ……! まさかお前が俺を!!」
『ガァァァァァァァァァァッ!!』
マインドリンク――
一時的にモンスターと精神を共有させ、支配するもの……。
それは逆に言うとモンスターからマインの方へ精神を共有させることも可能ということ。
力不足のマインにはあまりも危険な行為だったのだ。
「だめ……だ、意識がっ!!!」
霞む視界に足を折ったマインは、畜生ッッ!!! と己を罵った後、意識を暗転させた――
~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうしてガンドレアクの心に侵食されたマインは、意識を落としながら数多の冒険者を切り刻み、ガンドレアクは、エンドドロップを放った――
「指揮官! 私ちょっと行ってきます! その後魔法を! ありったけの魔法を撃ってください!!」
「な……! 危険すぎる! もう今撃つべきだ!」
「嫌です! まだ生きている人がいるかもしれない!!」
エンドドロップを見た魔法班全員が剣士班の全滅を脳裏に過ぎらせ、もう撃つしかないと魔法台の前でスタンバイしていた。
だがそれに待ったをかけたリナは、予備のイヤリングを指揮官に投げ渡し、絶対に生きているはずです! と走り出した。
「絶対生きてるよね……マイン…………!!」
あんなのに殺されるわけない! と涙を振り払いながらリナは無我夢中で走り続けた――
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――自宅
エデンの精神もまた崩壊しかけていた。
『アアァァ……!! マイ……ン……クルシイ……ヨ……タスケテ…………』
主であるマインの精神がガンドレアクに支配された直後、エデンにも影響を及ぼしていた。
愛着の湧いた木の机も、思い出の詰まったリビングも何もかも狂ったようになぎ倒す。
意識が揺らぎ、モンスターとしての本性がこちらを覗く。
『ボクハ……モウ……ダレモキズツケタクナイ……!』
コロセコロセコロセ――
脳裏に響くモンスターの声に頭を振ったエデンは、マイン、リナ、今まで良くしてくれた人間達のことを思い出す。
『ボクハ……ボクハ…………!!』
どんどん強くなるモンスターの支配に、憎悪と嫌悪が溢れ出し、エデンは眠る様に暗中に沈んだ――
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――荒野、ガンドレアク前
「なにが起きてるの……ねぇ、マイン?」
「………………………………」
それはあまりにも残酷で悲惨なものだった――
血塗れになった冒険者が骸になって転がっている。
「ね、ねぇ、マイン? 聞こえてるんだよね? ねぇ! ねえってば!!」
「………………………………」
黙ったまま目にハイライトを入れないマインに、リナは怒るように叫ぶ。
あんだけ助けるって言って何よこれ! と剣で綺麗に切られた冒険者を指さして涙を流す。
『ガァァァァァァァァッッッッッッ!!!』
「まさか……あいつが…………ねぇマイン! 早く逃げよ!」
「……………………………オレハコロス」
空中で叫ぶガンドレアクを見て何かを察したリナは、早く! 早く! とマインを急かす。
(安易に近づけない。近づいたら私が殺されるかもしれない……)
殺されたら誰がマインを助けるのよ! と舌打ちを打ったリナは、声を荒らげることしか出来ない。
「モンスターと人間が共存する世界作るんじゃなかったの!! こんな奴に負けてどうすんの! 私の……その、だ、大好きな……大好きなマインは、もっと強くてかっこいいんだからっ!!」
赤面しながら発したリナはもうバカッ!! とアイテムバックから取り出したポーションの入った試験管を投げ飛ばす。
「…………り……………………な」
『ガァァァァァァァァッ!!』
「にげ…………………ろ」
「――――――!」
直後剣を深く構えたマインは、涙を流しながら必死にリナに訴える。逃げろと、俺の愛する人を自分の手で殺めたくないと。
紫紺の短剣と愛剣を構えたマインに隙の一つも見つからなかった。
刹那。
高速でリナの背後に回ったマインは、跳躍と同時に二本の短剣を振り下ろした――
「ごめ………………………ん」
お読み下さりありがとうございます!!
大晦日ですね!!
皆様良いお年を!!!




