少女の火竜
「はいやぁぁぁぁっ!!!」
『―――!?』
(り、リクくんが押してる!?)
新たな魔法を覚えたリクは想像以上に強かった――
それはミルクでさえ目を疑うものであり、相手の動きを止めるほぼチート魔法プラス、しっかりとモンスターの急所を狙うリクの攻撃。
それが先程自分が見せた技だと気付くのにそう時間は必要なかった。
「我が赤眼を代償に命のフィナーレを迎えるが良い!!」
『――――ッッ!!』
「はっはっは、そうやって無様に動けなくなってればいいさ! でぇぇりゃぁぁぁっ!!」
『~~~~~~~~ッ!?』
一体のリトルオークの喉元にナイフを突き刺したリクは、俺最強じゃね!?と次から次へとナイフを振るう。
「ひゃっはぁぁぁ!! 残りはてめーだけだぜモブゴブリンッ!!」
『……』
あれだけいたモンスターは、ミルクとリクの力により、今や体の小さいひょろひょろのゴブリン一匹となった。
細っこい木の棒一本持ったゴブリンは、魔法の効果でじっと固まっている。
ちなみにこの魔法、口も動かせなくなるため、声を上げることすら出来ない。
ある種のサイレントキラーとも言えるであろう。
「俺の新魔法で蹂躙じゃぁぁぁぁッッ!!!」
そう言って猛ダッシュし、山賊の用に飛びかかったリクが、貰ったァァァッッ! とナイフを突き刺そうとした、
その時だった――
『グガァァァアァァァァッッ!!』
「え、ちょ――」
(――――――え)
それはゴブリンの背後。
リクと対面する形となったそれは、赤い豪炎の塊を飛ばし、ゴブリン、リク、そして、
リクの魔法で動けなくなっていたミルク達を襲った――
~~~~~~~~~~~~~~~~
――時は数分前に遡る
一匹の火竜はダンジョンを喰らっていた。
『グォォ……』
それは我が主の命令の為、奴を殺す為、ただそれだけのためになりふり構わず最短ルートで歩みを進める怪物の姿。
もう自分が何のために生まれ、何をしていたのか思い出せない。
ただひたすらに襲い、殺し、喰らい、命を潰した。
それももう飽きた。
もうこれで終わりにしよう。
そんな事を思いながら火竜は、恐れて自分の前に現れないモンスターの気配を横目に、前へ前へと今日も過去を捨てながら前進した――
((私が愛したあのドラゴンの為に、私は――))
そう、怪物だろうとモンスターだろうと、私は生きている、ただの生物だ。
それが異種族を愛する歪んだ愛だろうと、私だって恋をする。
((色沙汰位いいよね……私だって女の子だもん……))
そんないじらしいか弱い少女の言葉が、暴走する火竜に届くことは無かった――
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