ゲームしよう!
さてさて、美紅が遊びに来て1日が経ちました!
学校では相変わらずのぼっちを突き通して家に帰ってきました!
中々ぼっちはキツイけど慣れたらなんて事ないわ!!
あっ、ソフト買いに行こ。
1から始める趣味に特化した趣味のためのVRMMORPGは発売当初から人気爆発であり、現在もその人気は衰えていない。1つのソフトはだいたい5000円位するのに、このゲームは2000円と激安なのである。
私は無事にいつもお世話になっているゲーム屋さんに行き、そのソフトを買った。
「パッケージは無駄にかっこいいなぁ。でも私カワイイ系がいいなー」
と愚痴を言いつつも少し胸を期待に膨らませながら家に帰る。
普段夜の8時まで親は帰って来ないので、家の中には誰も居ない。
「親が帰ってくるまで……1、2……3、4時間か。まぁそんぐらいあったらチュートリアル位はできるかな」
そもそもチュートリアルがあるかすら分からないが、ある設定で話を進めた。既に美紅はゲームにログインして待っていてくれているため、急いでゲームを始めることにする。
「さぁ!始めようか、インログ!」
インログとは、ログインの意味であり、なぜこの言い方になったのかはよく分かっていない。
殆どのユーザーがこの言葉を使っているが、
ある人は、「かっこいいから」や「みんな言ってるから」などと迷宮入り寸前である。
頭に着けた機械が作動し、私を仮想世界へと連れていってくれる。
仮想世界に行く間は幸せな気分になる。
なんか薬使ってるみたい……
景色が真っ暗な状態から変わるまでそんな事を思いながら待っていた。
景色が変わるとそこはかなり発展した街になっていた。
足は地面についておらず自分が生きているのかも分からないなんとも言えない状態である。
と、そこへ一通の命令が来た。
名前を入れろとの事だ。
自分の指でタップするのではなく思考操作らしいので、自分の名前を頭の中で思い描く。
そうして決まったのがこの名前だ。
ミズ
めちゃシンプル。シンプル過ぎてちょっと気に食わないが、前の100万回の搭ではずっとこの名前を使っていたため、この名前にする事に決めた。
まぁファンが来たら私に声掛けてくれるから分かりやすいようにこの名前……ってそんな事は考えてない!!!!
名前を決め終わり2回ほど瞬きすると、瞬間移動でもしたのか分からないが発展した街のど真ん中に立っていた。
周りを見渡すと、円形の広場になっており、色々な店が軒を連ねている。
ついでにめちゃ広い。
試しに1番近くにある店に近づいてみると、人気なのかわからないが多くの人が立ち寄っていた。
店を経営している人は、NPCかと思いきやバリバリのユーザーであった。
このゲーム、店とかも経営出来るんだ……
ってかもう発売されて4ヶ月位だよね。
ここが始まりの場所だとしたら人多すぎない?
周りには見ただけでも数え切れないほどの人がおり、その殆どが初期装備か1段階上の少し強そうな装備である。
不思議に思うがそれは置いといて、ミズはステータス欄を開き、まず自分のステータスを確認する。
ステータスは至って簡単で、レベルとHPと攻撃力と防御力とスキルだけである。
ミズ
レベル1
HP 1000
攻撃力 100
防御力 100
スキル なし
うん。
普通に弱い。
うん。
弱すぎる、前のステータスとか100万超えてたし……
まぁいいや
ミズはステータス覧を閉じ、設定画面へ行き、既に受け取っていた美紅のIDをフレンド検索ボックスに打つ。
フレンドのIDは12文字であり、美紅のIDは
1212 1313 1414
と至って簡単なIDである。
登録すると美紅はログイン状態であり、名前はそのままのミクでやっているらしい。
ってかチャットでどこにあるんだろう……
ここまで来てもらわないと、私どうやって移動すればいいのか分かんないなー
ってか正直、このゲーム男多いな……
分かってた事だけど
そんな事を思っていると、後ろから女の声が聞こえる。
それは聞いたことのある声だった。
「みっずきー!!」
「うわっ!!!あっ、美紅かーびっくりさせないでよね!」
「ごめん、ごめん!」
後ろから来たのは美紅だった。美紅もちょうどこの街に居たのである。
私はこの街について少し知りたかっため、美紅に教えてもらう事にした。
「この街はどこなの?」
「この街はリンドフォリアって街だよ!1番経済が発達してて、この街が1番強いって言われてるんだよ」
「えっ?じゃなんでここら辺にいる人達、私と同じ装備なの?」
「あー、言ってなかったけ?このゲームは装備を手に入れるのに物凄い時間かかるの、しかも最初に登録したパーティーは解散できないの。合体なら出来るけどね。後、このゲームは100万回の搭のゲームより難しく設定されてるらしいんだよね」
このゲームは100万回の搭より難しいとなれば、皆が初期装備なのは納得が行く。
でも最初からめちゃむずかったら批判が出てくるはずのに、なんで高評価しかなかったんだろ……
「ってかなんでミクはそんなに真っ赤で強そうな装備なの?」
「あー、私ね。元々このゲームの1個前のソロ用ゲームをやっててキャラをこっちにコンバートしたの。だから少しだけ強いのよ」
「レベルはどんくらいなの?」
「今見せるね!えーっと、こうやって……こうやれば、はい!これが私のステータス!」
そのステータスは至って普通であるがミズが思っていたより何倍も強く、マルチ専用ゲームなので美紅以外のマルチプレイヤーが分かってしまった。
ミク
レベル72
体力 7200+5000(装備効果)
攻撃力 720+720(装備効果)
防御力 720+720(装備効果)
スキル レベルが低いため閲覧不可
マルチプレイヤー
トワ ミズ
装備効果がかなり大きいんだなぁ
ってか私、マルチプレイヤーにもう入ってるし……
後、トワって誰??
「ミク?トワって誰なの?」
「あー、この人は私のクラスの天月奏さんよ!」
「えっ、あの人って別のクラスの?めちゃ陽キャじゃん!あの人もこのゲームやってるんだ……」
天月奏とは柊美紅と同じ陸上部であり、学園の3大美女の内の1人と呼ばれている。
「なんか、トワはすごいゲームしてるんだって。今日は部活が長距離だけあるからトワは来れないってさ」
「そっ、そうなんだ……」
いやいやいやいやいや!
あんな美女もやってるとか、どんだけ素晴らしいゲームなんだよ!
「そろそろレベル上げに行きましょ!さすがにレベル1じゃ何も出来ないしね!」
「う、うん!」
こうして初めての狩りに向かうのである。