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鎖を断つ剣
月輪あかりさんの創作試験問題パート②
問題
下記のシチュエーションに続く物語を考え、文章を作成にせよ。ただし文章は140文字以内とする。
騎士道精神に則った真剣勝負を執り行おうと、同じ寮で同じ飯を食べて同じ訓練を積み重ねてきた無二の友人が抜刀した。
「貴様は姫をかけて。私は国をかけて。裏切ったのは、貴様なんだからな」
姫を連れて亡命した俺には、それを否定することができない。友人を裏切ったのは、俺自身だ。
忠誠を誓った国を裏切ったのも俺だ。だからこそ――
「断ち切ってやるよ。お前を縛るその古臭い騎士道精神とやらをな」
時代は常に移り変わる。全てを整え守る秩序は、いつしか常識となり鎖のように人を縛るのだ。
お前を救えるのは、腐りきった祖国と友人を裏切った俺にしか出来ない。
俺は剣を抜き剣で示す。
剣と剣。それが今の俺たちが出来る会話だ。
男は地を蹴る。友を縛る腐った鎖を断ち切る為に……
一部、元の回答を修正しました。