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SHADE  作者: 真木 雫
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 がくん、と頭が落ちて目が覚めた。

 はっとして、辺りを見て思い出す。

 そうだ、ここは教会だ。

 長椅子に座って祈る内に、寝てしまった。お陰で首が痛い。

 ふと横を見れば、セキヨウまで寝ている。座って寝ていたトキテと違い、セキヨウは完全に寝そべっている。上体を座面に横たえ、両足は座面から宙ぶらりんの状態で床にその足が付くか付かないか、という姿勢だ。腰を(ひね)るように寝ているので、それはそれで寝づらそうである。

 トキテはまたキリスト像を見上げた。

 夢を、見ていた。

 昔の夢。

 トキテが、ヨーコの足を折ってしまった、あの頃の夢。

 あの頃はまだ、超能力というものがわからなかった。訓練中の事故として、ヨーコが申請したため、大した調べもなく、治療費がおりただけで終わった。養子縁組が終わった後だったのも大きい。ヨーコにとってはトキテの訓練は任務であり、治療費を申請するのに不自然さはなかった。

 だけど、それで終わりだ。

 ヨーコが(ひそ)かに、トキテの能力のことを調べていたのは薄々気付いていた。怪我の後、ヨーコは頻繁に研究開発部に顔を出していたからだ。研究開発部に行く時は、トキテを連れて行かなかった。

 そうだ。

 あのとき、ヨーコさんは何を知ったんだろう。

 子供とて容赦なく連れ回し、難しい話や手続きにもトキテを同行させていたヨーコ。彼女が唯一、トキテを遠ざけたのは研究開発部だった。

 教会で見た夢は、御告げ。なんて思うほど信心深くはない。だけれど、今のトキテには他にすることがなかったのだ。

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