表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぬりかべ女と鉄乙女(ユングフェル)・番外編

作者: 島風あさみ

◆番外編・まかいてんしょう◆


 転生したら魔王になってました。


 ある日の事です。

 繁華街はんかがいで私をお母さんと間違えた幼稚園児に抱きつかれたので頭をナデナデしたらおなわ頂戴ちょうだいしてしまい、裁判所のミスで死刑になってしまったのです。

 でも神様はこんな不幸な私をお見捨てになりませんでした。

 ファンタジーな異世界に生まれ変わらせてくれただけでなく、魔族の女王様にしてくれたのです。

 魔王になったからには、魔王としてのお仕事が待っています。

 私は即位そくいしたその日に、人間界への侵攻を宣言しました。

 人間さんたちはエルフさんやドワーフさんといった亜人さんたちと連合軍を組んで対抗しましたが、前世で戦略・戦術を(趣味で)学んだ私の敵ではありません。わずか半年で6つある大陸のうち2つを占領してしまいました。

 元々の領土は北西大陸の全体に及んでいたので、これで世界の半分を征服した事になります。

 さすがの私も、これはちょっと急ぎすぎかな~と思って侵攻を中断。

 国境地帯での戦闘はまだ続いてますが、ここは内政に力を注ぎます。

 まずは身分制度。貴族制度を撤廃てっぱいして、血筋はもちろん魔族さんも人間さんも亜人さんも関係なく、実力で出世できる社会にしたのです。

 魔族さんたちは元々『力こそ全て』という信条を持っていたので、この制度は意外とあっさり受け入れられました。

 でも第一次産業と兵站へいたんを重視したのは、魔族さんたちに【はらわたの腐れ者】と言われてウケませんでした。ここは併合へいごうした領土の人間さんたちにおまかせです。

 善政をいていた人間さんの指導者さんたちの地位を保証したのが功をそうしました。官僚かんりょう型の魔族さんは少ないので、ここは適材適所と行きましょう。

 戦闘力の高い魔族さんが前線を支え、コツコツと地味な作業が得意な人間さんは内地で生産。亜人さんたちにもそれぞれ適したお仕事を与えます。

 この種族ごとの適材適所政策はうまく行きました。おかげで魔王たる私の人気は種族を問わずうなぎ登りです。

 異世界ファンタジーって結構チョロイです。チート上等です。

 ですが人間界の連合軍は、異世界ファンタジーならではの最終手段に打って出ました。

 伝説の勇者さんを旅立たせたのです。


          ※


「勇者さんの足取りはどうなってますか?」

 私は広くて天井の高い巨人用エアロックをくぐります。

「情報部によると、ヨウショの港に上陸した所まで確認済みですが、迷いの森で足跡そくせきを絶ったとの報告です!」

 足元で人間さんの将官さんが大声で説明してくれます。

「この世界にも迷いの森なんてあったんですね……」

 エアロックを抜けて廊下に出ると、低い天井に頭をぶつけそうになって、かがんで歩く私です。

 そう、魔王に転生した私は、身長が4メートルになってしまったのです。

 もうバストサイズを計る気にもなれません。頭には2本の角まで生えて、まるで牛さんにでもなった気分です。

 私の名前をホルシュタイン(ミドルネームはジャージィ)にした父上様|(身長2メートル・ご隠居中)をおうらみ申し上げます。

 廊下のつき当たりにある扉を開くと、そこは魔王城の指令室です。

 正面は壁一面に世界の勢力図が表示されています。中央のテーブルには戦闘区域の地図と、両軍勢の戦力配置を示すコマが並べられ、室内を職員さんたちがせわしなく走り回っていました。

 ドイツ第三帝国の指令室をモデルにショッ●ーとかギャ●クターとか色々混ぜて作らせたものです。やっぱり侵略者の本拠地はこうでないと。

 ただし玉座はありません。父上様の倍も背丈せたけのある私には天井が低すぎるので、専用の座布団に座ります。

「あっ、まおうさまだー!」

 座ると、ひかえていたハーレムの子たちが集まって来ました。

 私のハーレムは魔族や人間の子供たちで構成されています。魔王城の職員さんたちには女性も多く、そのお子さんたちをハーレムに献上けんじょうしてくれるのです。

 ……託児所たくじじょじゃありませんよ?

「まおうほるしゅたいんさまだ~」

 その名前はやめてー!

「まおうさま、しーしー」

 あらまあ大変!

「ではおトイレにいきましょうね~。他に行きたい子はいますか?」

「ぼくも~」「わたしもいきたい!」「ぼくうんち」

 小さなお子さんたちが足元にむらがります。

「では皆さん、このクッションに乗ってください」

 せっかく前世以上の巨体に生まれたのですから、まとめて連れて行ってしまいましょう。クッションに乗りたいだけの子もいますが、後でまた行く面倒がはぶけるので良しとしましょう。

「わ~い」「きゃ~っ」「あわわわわ」

「落っこちないように気をつけてくださいね~♡」


          ※


「おしっこやうんちをしたい子は、もういませんね?」

 おトイレで天国を垣間見かいまみてしまいました。

 ちっちゃい子のお●んちんは最高です!

「まおうさまだっこ~!」「わたしも~!」

 指令室に戻ると、ハーレムの子が前より増えていました。

「あら? 初めて見る子が結構いますね」

「魔王様、勇者が城下町に出没したとの報告がありました。警備に予備役を動員しましたので、彼らの子供たちを城内に避難ひなんさせたのです」

 かたわららのインテリ宰相さいしょうさんが教えてくれました。

 宰相さんは身長が2・5メートルもある食人鬼オーガさんですが、知恵も知識も豊富な重臣さんなのです。

「あらまあ何て気がく……じゃなくて大変!」

 でもさすがは宰相さんの采配さいはいです。

 ご家族そろっての疎開そかいができない兵隊さんたちへの配慮はいりょを欠かさない、見た目に反して優しい宰相さんです。

「どうやら勇者は迷いの森から空間転移した模様です」

 ワープしちゃったんですか。無理なショートカットはレベルが追いつかなくて苦労しますよ?

「すでに城内に侵入している可能性があります」

「それってここに来るって事じゃないですか!」

 勇者の目的は魔王の討伐とうばつと相場が決まってます。

「すぐにこの子たちの避難を! ルートと人選はまかせます!」

「ははっ! 魔王様専用の脱出用地下道をもちいてもよろしいでしょうか?」

「許可します。どうせ私には使えませんから」

 魔王城を建てた父上様の倍も背丈があるので、匍匐ほふくしないと通れません。しかも一部は下水道との兼用なので、ばっちくて乙女の通れるルートではないのです。

「城内に浄化槽じょうかそうを設置すべきでしたね」

 まあ逃げる気なんてありませんけど。

 どうせ脱出するなら、自爆ボタンを押して『おのぉ~れおのれ勇者さん、覚えておれぇ~っ!』とか言いながら個人用ロケットと洒落込しゃれこみたいものです。

「まおうさま~!」「だっこ~!」

 子供たちが各種族の兵隊さんたちに連れて行かれます。

 私も名残惜なごりおしいです……。

「勇者を捕捉ほそくしました! 現在地下第2層を進行中!」

 魔王城は町の中心にある小高こだかい丘に建てられていて、地下施設の方がはるかに大きいのです。

「もうそんな所に⁉」

 そろそろ中ボスさんと戦っている頃合ころあいでしょう。

 ちなみに司令部は第5層にあります。

「確か2層のボスさんは……」

「ゴーレム使いの大魔術師、テームレイ殿です」

 酸素が足りてるか心配です。

「ゴーレムが突破されました! 修理費は10!」

 やっぱりつけちゃったんですね、怪しい回路。

「撃破されたゴーレムが床をみ抜きました! 地下4層まで落下!」

「何と! それでは一気に進入されてしまうではないか! 3層のボスは何をしておるのだ⁉」

瓦礫がれきに埋もれて重傷との事です!」

「ああっ、まだお名前も出てないのに!」

 各ボスの部屋は縦に並んでますからね。

 建設したのは父上様なので、私の責任じゃありませんよ?

「4層ボスのラノベーシュ・ジンコー殿はどうした⁉」

「現在水着イベントで旅行中です!」

 きっとアニメの十一話目だったのでしょう。これは外せませんよね。

「4層の映像来ました!」

「よし、魔晶スクリーンに映せ!」

 世界地図が表示されていたメインスクリーンに、ビョォ~ンという音と共に警備隊長さんのお顔が映し出されました。

 画面にはヒビが入っていて、今にも通信が途絶とぜつしそうな感じです。

『勇者は中央廊下を最下層階段に向かって侵攻中! 現在警備隊が対応中ですが、勇者は未知の飛び道具を使用……うわああああああっ!』

 バラララララララララララララララッ!

 警備隊の方々は銃声と共に蹴散けちらされてしまいました。

『何じゃこれは……おおっ、タクミではないか!』

 そしてスクリーンに見慣れた金髪美少女の可愛らしいお姿が……。

「あ……アヴリル⁉」

『久しぶりなのじゃ! 会いたかったぞ!』

「どうしてこんな所に! ここ異世界ですよ⁉」

 まさか天にされて転生しちゃったんですか?

『忘れ物を届けに来たのじゃ!』

 アヴリルの手に、前世で使っていたウクライナ空軍洋上迷彩模様の、あの怪物ブラジャーがありました。

『これがないと重うて困ると言うておったではないか』

「いえそれがですね……」

 身長が4メートルになってしまったんですよ。

 おまけに私の防御力は530000です。毎ターン自動回復もあるので、キン●スライムおっぱいを支えてなお余る強度と復元力を持つクーパー靭帯じんたいを備えているので、もう怪物ブラは必要ないのです。

『何じゃそのブラは⁉ 今にもこぼれ落ちそうではないか!』

 今の私は恐ろしく露出度の高い極小ごくしょうビキニにマント姿なのです。

 平成日本で外出すると、痴女ちじょとして通報されると思います。

『待っておれ! すぐに持って行ってやるのザーッ』

 途中で通信が途切とぎれてしまいました。

「……人死にが出そうになくて安心しました」

 アヴリルが自分で使える内蔵火器は、右腕の機関拳銃マシンピストルと左腕の短銃身トレショットガンンチガンだけです。肩の対物アンチマテリアル狙撃銃ライフルすねの対戦車擲弾グレネードなどの搭載火器は、他人の手を借りないと使えません。

 装弾数は機関拳銃のゴム弾が15発、ショットガンのビーンバッグ弾が3発。

 どちらも非殺傷兵器ノンリーサルウェポンなので死傷者の心配はありません(瓦礫に埋もれた3層ボスさんは病院送りですけど)。

「そういえば第1層のボスさんはどうなったんでしょうね……?」

 名前どころか存在すら忘れられている可哀想かわいそうなボスさんです。

「警備隊全滅! 勇者が第5層に到達とうたつします!」

「警備隊って何人いらっしゃいましたっけ……?」

「城内勤務は総勢150名ほどです」

 宰相さんが即答してくれました。

「……弾数たまかずが合いませんね」

 アヴリルが使用可能な銃器の装弾数は、両腕合わせてで計18発。

 両太腿ふとももに予備弾薬が入ってますが、それでも150人には到底とうていおよびません。

「勇者が司令部に進入します!」

 その時、職員さん用のドアが吹き飛びました。

アヴリルが蹴破けやぶったのです。

「アヴリル!」

「お待たせなのじゃ!」

 アヴリルは私の怪物ブラを頭にかぶっていました。

「……成長期とは恐ろしいのう」

 身長4メートルになった私を見上げて、開いた口がふさがらないアヴリルです。

「みなさん攻撃を中止してください! アヴリル、両手の武器をしまってこっち来て!」

 久しぶりに会ったアヴリルはやっぱり可愛いです。抱きしめたいです。

 幸い今の私は身長4メートル、魔族最強をほこる魔王です。筋力パワーもあるので、体重りんご466個分|(1個300グラム換算かんさん)のアヴリルを抱き上げて、高い高いすら可能なのです。

「勇者を近づけてはなりません!」

 親衛隊長さんが横からかばうように現れました。

「魔王ホルシュタイン様は、僕が守る!」

 ホルシュタイン言わないでください。

 ってゆーか、若狭わかさくんでした。

「若狭くん⁉ あなたも転生したんですか⁉」

 思わず座ったままふり向くと……。

 ばい~ん。

「うわ~~~~っ!」

 ふり向いた拍子ひょうしに、私のティ●トウェ●トおっぱいで張り飛ばしてしまいました。

 若狭くんはぶっ飛ばされて、そのまま指令室の石壁に……。


【いしのなかにいる!】


 ロストしてしまいました。

また・・やっちゃいました……」

 魔王になった私のザ●キーマおっぱいは、前世の数十倍の破壊力があるのです。

「来世ではおっぱいに縁のない人生が送れるといいですね……」

 美老人さんとムフフな生活を送れるようになったら呼んでください。高解像度カメラを持ってさんじます。

「ご、親衛隊長が……おのれ勇者、許さん!」

 司令部づきのデーモン参謀長さんが、まさかり型のギターを持って突進します。

「ああっ、待って参謀長さん危ない!」

 バララララララララララララララララララララララララララララララララッ!

 参謀長さんは機関拳銃のゴム弾を大量に喰らって、腰のベルトを回転させながらぶっ飛んで行きました。

「確か装弾数は15発だったはずでは……?」

 今30発以上撃ってましたよね?

「またお師さんが改造したんですか⁉ 今度は自動小銃でもつけたんですか⁉ アヴリルをこれ以上重くしてどーするんですかお師さ~ん!」

「改造ではないぞタクミ! 通りすがりのヒゲのおっさんに、これをもろうたのじゃ!」

 アヴリルが被っていた怪物ブラを引き抜くと、その下には黒っぽい鉢巻はちまきが……。

「そ、それは【へびのばんだな】!」

 これがあると銃火器がいくらでも撃てるという、ゲームの神様が作りたもうたお助けアイテムです。

「参謀長殿まで……皆の者、かかれぇ~っ!」

 普段は冷静なオーガ宰相さんがキレてしまいました。司令部に残った魔族や人間さんたちが、アヴリルに向かって一斉に斬りかかります。

 バララララララララララララララララッ! バンッ! バンッ! バンッ!

 数秒後には魔族軍の全員がおねんねしてしまいました。

 私は四つ折りにした座布団を盾にしていたので無傷です。

「……ところでアヴリル、迷いの森からどうやってワープしたんですか?」

「ワープ? わらわはパパを名乗るモジャモジャにヘリを出して貰うただけじゃ」

「学園長さんの親バカ……」

 ゲートもないのに異世界ファンタジーでヘリコプターを持ち出す人がどこにいるんですか! まさか米軍さんのヘリじゃないですよね⁉ 

「私も乗りたかったです!」

 身長4メートルじゃ乗れませんけどね。

「タクミ、妾と共に帰るのじゃ! 父上も待ってお……おにゃ?」

 バンッ!

 アヴリルの機関拳銃から、勝手に弾が飛び出しました。

 バン! バン! バララララララララッ!

「おや、止まらぬ」

「コックオフ⁉」

 もしくははクックオフと呼ばれている現象です。

 機関銃のたぐいは撃ちすぎると銃身の熱が薬室に達して、弾薬が自然発火して射撃が止まらなくなる事があるのです。

 汎用機関銃ならお手軽に銃身を交換できる構造になってますが、アヴリルは【へびのばんだな】を過信して、小さな機関拳銃で撃ちまくってましたから……。

「おおっ、これは……わひゃあっ!」

 射撃の反動でひっくり返ってしまいました。

 もちろん射撃は止まりません。

 バララララララララララララララララララララララララララララララララッ!

「キャ~ッ! キャ~ッ!」

 魔王の皮膚にゴム弾なんて効きませんが、結構痛いです。天井が低いので逃げる事もかなわわず、体育座りの姿勢で尻もちをついてしまいました。

 ツルッ。

「あっ」

 転がっていたゴム弾をんづけて、お尻がつるりとすべりました。

 勢い余って、指令室の段差をお尻から飛び出してしまいます。

 そして大理石の床に頭を……。


          ※


「あいたっ!」

 ローテーブルの角に頭をぶつけてしまいました。

「タクミ、大丈夫か?」

 ネグリジェ姿のアヴリルがコントローラーをにぎったまま、心配そうなお顔をしています。

「いたたたた……」

 たたみいつくばって、痛みに耐える私です。

「……どうやら寝落ちしてたみたいですね」

 何だか無性に葛飾区の荒川土手でランニング中のラグビー部員さんたちの邪魔とかしたくなりました。

「痛いの痛いのとんでけ~」

 TVの情操じょうそう教育番組で覚えたのか、おまじないをしてくれました。

 痛みを知らないアヴリルですが、元から持っている知識をTVで補完したのか、何となく理解しつつあるご様子です。

「ああっ何だかいやされる……」

 ここはお師さんの家にある六畳間。民俗学者の学園長さんが作らせた建物なので、お師さんの意志とは関係なく和室があるのです。

「ほれ、手を貸すのじゃ」

 アヴリルが座ったまま私を引っぱり起こしてくれました。まだ右足にギプスをつけているので助かります。

「ありがと。ゲームの方はどうなってますか?」

「今ラスボスに吶喊とっかんしておる所じゃ」

 TV画面を見ると、勇者さんが魔王さんに竹竿で無双してました。ローテーブルにはぐちゃぐちゃな字で復活の呪文が書かれたレポート用紙が散乱しています。

 お師さんにゲーム機の購入を提案したのは私です。二十一世紀では子供の教育にゲームを使うのは普通ですし、難しいレトロゲームならアヴリルの器用度アップに役立つと思ったからです。

 でも坂道でジャンプすると死ぬゲームとかはまだ早すぎるので、まずはRPG(携帯ロケットランチャーではない方です)から始めてみました。

「アヴリル、竹竿でボス戦なんて誰に教わったんですか?」

「ワカサじゃ」

「こんなマニアとおじさましか知らない裏技、よく知ってましたね……」

 画面上で魔王さんが、勇者さんにクリティカルを喰らって轟沈しました。

「倒したのじゃ」

「エンディングを見たらもう寝ましょう。お師さんも心配しますよ」

「嫌じゃ! もっとゲームしたいのじゃ!」

 すっかりハマってしまったご様子です。

「今はこれしかないですよ? 明日また学校で借りて来てあげますから」

 今やってるゲーム機本体とカセットは、お師さんがネットで買ったものですが、京野くんに連絡して何本か借りる約束になっているのです。

「新しいゲームか⁉」

「古いゲームですけどね」

「どんなゲームじゃ⁉」

ね回る配管工のおじさまとレーザーの出る宇宙戦闘機、どっちがいいですか?」

「戦闘機がいいのじゃ!」

 まあそうなりますよね。

「ではさっさとゲームを終わらせましょうね。明日はアヴリルも学校に行くんですから」

「楽しみなのじゃ! 学校はどんな所か聞かせてたもれ!」

「それはベッドの上でしましょう」

 エッチな意味じゃないですよ?

「早く終わらせないと、話の途中で寝ちゃいますよ?」

「わかったのじゃ! 今やるから待っておれ!」

 もちろんアヴリルは、ベッドに入るとすぐに熟睡じゅくすいしてしまいました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ