表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来記  作者: 神崎ヒイロ
3/4

小学生編3

『き、消えた…犯人が消えたぞ』

『やっぱ、夢なんだねこれ。ゲームなわけでしょ』

『あほか!こんな痛いのにゲームなわけ…』

『もう目を覚ましたいよぉ』

『誰か~、先生早く呼んでこいよ』

『やっべぇ。どうなってんだ』

『ニュースでやってた脳のなんたらが凄い事になってるんじゃないか』

『おかぁ…さん…』


惨劇が終わったクラスが慌ただしくなっていた。

現実からロールプレイングゲームの世界に飛び込んだとしか言いようがなく、まだ恐怖が体に残っている。


『つばさ…大丈夫かぁ?』

『ありがとう、よしあき君。命の恩人だよ』

『だろ?恩人だよな?』


こんなときにも、何か催促しようとしているのだろう。

しかしあのときのバリアは何だったのか。そう思い返し名札を見てみる。そういえば名札の中に御守りを入れていたのを思い出し、取り出してみる。

御守りという名目だが、ただの小さい石だ。もともと指輪だったらしいが、ある人にもらった小さな石。

その石をくれた女性が、どんな効果があるかなぁ?と言っていた会話を思い出す。

僕は、確かあのとき…バリアって言っていた。この石はバリアのスキルにするとか、ゲームオタクな事を話して…そして あの人は、真剣な顔で…凄いかもね~って言ってくれた。


会話を思いだしながら、恥ずかしくもなり、石を握りしめる。


その瞬間


○○○の石

ダメージを負う全ての事柄の無効

○○○○の無○○○○○が○○○○○

○○ ○○○○ ○○


そんな言葉が頭に入り込んでくる。気味が悪いが確認したい事が何故か頭に入り込んでくる

分からない所もあるが…


もう一度、握りしめてみる


またも同じことが頭に入り込んでくる。


ゲームだこれ、ゲームの世界。

僕が行きたかった、憧れの異世界と変わらない。

しかもなんで、僕にこんなチートなアイテムが…


俺だけ物理無効魔法無効でゲームしたい。確かに日頃からそう思っていた ゆとり効果なのだろうか

たけし君の炎のように、僕が作りあげたのか?

分からない。何も分からない。


ただ、クラスメートが絶望の状態にあるなか、何故か自分だけは安堵している。

むしろ…喜んでいる


『おぃ、つばさぁ聞いてっか?まじで頼む。時間がおしい』


話しかけられているのに気付き、現実に戻る。


『ごめん、もっかい聞かせて』

『…お前も…行きたくないってか』


苛立つ よしあき君。そしてクラス中に大きな声で全員に話す。

『お前ら、心配じゃねぇのかよ!弟、妹いねえのか!』

『いや先生もいないのに勝手に動いたらいかんやろ、一人で行けや』

『まだ化け物がいるかもしれないぞ』



どうやら、よしあき君は2年生の弟が心配で、みんなについてきてくれ、といったが、断られているらしい。

あの惨劇の後だ。びびってしまうのも、無理はない


よしあき君は涙をながしながら、誰か助けてくれと、クラス中にお願いしている。


僕は弟がいないので気持ちは分からない。そう思った時、


『よしあっ君~、見てらんねぇぜ。つうかさ俺になんで声かけねぇの。伝説の魔法使い様によぉ』

たけし君がいつもどおり、おどけてみせる。

いつもふざけているが、なんか少しカッコイイ

なんだかんだで、よしあき君と たけし君は仲がいいから、見過ごせないんだろう。


しかしクラスメートから止められる。たけし君は、最終兵器だからなんたら言われている。


僕は、石の事が頭から離れないでいて、この不思議な

世界をもっと見たくて、思わず

『よしあき君、僕が行くよ』

そう、新しいゲームを始めるような感覚で言ってしまった。


『さ~すが、つばさ~。おら!離せや。自分の事は自分で決める。俺も行くぞ~、俺様に任せとけぇ~‼』


『つばさ、、たけし、、、ありがとう、、』


ほんの少し勇気を出した僕は、この時初めてクラスで注目されたかもしれない

なぜか誇らしい気持ちで、よしあき君と たけし君

の3人で2年生の教室に向かうことになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ