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もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第1章 7歳までの軌跡(〇〇式英才教育基礎編)
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46 ライくん、村を建てる。(その3)

 読者の皆様更新遅れて申し訳ないです。今回は難産でしたがなんとか形になったので投稿します。


 それでは今週の不憫をどぞ!





 もふもふもふもふもふ…さて、癒されたので頑張るか。名残惜しいが、休憩時間が終わったのでゴンから離れた。


 向かう先は書斎。


 部屋に入ると最初に目に入ったのは書類の束。いや、束なんてレベルではなかった。あれはなんというか高層ビルだ。東京都内を上空から見ればこんな感じになるかもしれない。


 乾いた笑いが漏れ、これからやらないといけない書類整理にうなだれた。


 部屋は全体的に埃っぽく、換気を今すぐしたいところだ。しないけど、テンプレになるだろうから。



「『空気清浄』…まあこんなものか。」



 ダニやホコリ、カビなどをはじめとするアレルゲンのみをまとめて清浄し、ひとまず作業できる状態にした。次に、書類の積み方がバラバラであることが一目でわかったので、親父の幽霊を…呼ぼうとしてダウンしていることに気づく。


 ああだからこんなことになっているのか…思わずこめかみを押さえたことは言うまでもない。


 仕方がないので捕まえておいたその辺の浮遊霊の目を借りる。同時進行で10枚の書類を捌いていった。


 結構な重労働だが、致し方ない。こうでもしなければ日常業務に差し障りが生じる。主に親父と魔王が原因だが、私も関わっていないと言ったら嘘になってしまう。


 さて、貴族や領主でもないのになぜこれほど書類仕事に追われているのか疑問に思うだろう。


 確かに領地とかを収めているわけでもなく、また国の政治に関わっているわけでもない。当然国へ提出する税金に関することや内政関連の案件などをまとめる必要はないししてもない。つまり、本当ならこれほど苦労せずに済むのだ。


 だがしかし、我が家はなにかと抱える機密事項が多い。一つでも外部へ漏れた日にはどんなことになるのか…想像するだけでも恐ろしい。特に、地球の技術がこの戦乱の世へと広がるのは非常に危険だ。


 ゆえに、普段から管理体制をしっかり掌握せざるをえない。


 主に行うのはセキュリティーの見直し、生産している食品・毒物・武具・他の保管や在庫の状態など。また、家全体にかけた魔術式の状態確認や家そのものの維持について。今回だとこれに加えて改築するにしてもどの部分をどうするかなどの案件も出てくる。


 このほかには、幽霊の研究者の実験報告書と予算?素材?実験場?など求める嘆願書、客室を使用した幽霊に対する使用満足度のアンケートなどがある。


 ここ数日家を空けていた分の書類は全員がダウンしていたため、滞っている。その上で侵入しようとしてきた不届き者が増えたことへの対策と尋問結果、食中毒自体による被害者数と原因についての考察、他、やることが多い。


 …とりあえず優先的に行わないといけない分だけ終わらせる。もちろん私の権限でできることだけだが。



 そうしてやっと書類の束を大都会からさびれかけの地方都市レベルまで減少させた…まあ後は親父と魔王の分、それと急ぎではない分だな。


 では本日のメインディッシュとするか。



「ディエゴさん、呼ばないとな…」



 少し気まずく思いながらも、部屋を後にしてとある怪へと連絡を頼んだ。




◆□◆◇◆□◆◇◆□◆◇◆□◆




 会議中、突然脳内で何かが鳴った。



トゥルルル、ガチャッ


「私メリーよ、今かわるわね。」


「あ、もしもし私だ…一旦家に来てくれないか?場所はわかるよな。」



 唖然としかけるが、慌てて答えた。



「はい、今すぐ向かいますので少々お待ちください。」


 ガチャン、ツーッツーッツー…



 独特な音とともに、通信が切れた。


 目の前で行われていた会議のメンバーは、そんな族長の様子を見て何かを悟ったらしく尻尾が内側へ巻きつき耳も畳まれた。族長は自分の仲間の怯えように苦笑を浮かべた。



「それほどあの少年は怖いか?」


「ええ…それはもう。」



 頷き、震えた声で返事をする者たち…いや実際に震えていた。本気で恐れているらしく、移動して1日にしてげっそりとした様子だ。


 彼らの脳裏に再生されたのは、自分たちの住居ができるまでの様子…あのありえない範囲で行使された魔力とその繊細な術式。家の構造一つとっても完全に普通からは逸脱していた。あんな造り、下手な貴族屋敷や王宮であってもしていないだろう。


 希望された通りに作られた木造建築の家は、雪にも豪雨にも、大風にもきっと耐えられるだろう。さらには山の神々を怒らせることで発生されると伝承れる『地震』にも耐えられるのではないだろうか。


 それ以外にも、早速入居した家族の話によればベランダや部屋の間取り、窓の位置やドアの位置など、細やかな気遣いを感じられたらしい。おかげさまできちんと掃除さえしていれば木造建築で懸念材料となるカビやシロアリの発生を容易に防げると言っていた。


 そうした細やかなことまであの一瞬で行ってしまったのだ…これを恐れずどうしろというのだ。



 なお、ライくんは日本にいた頃親しかった親戚が建築業営んでいたのでなんとなく建築関係の知識はあった。そのため建てる家の構造を一軒のみ考え、それをPCの作業におけるコピー&ペーストしただけである…まあ多少、土地の面積と高さ、部屋数を考慮して差はつけたが。


 ライくんからしてみれば、家を普通に建築した方が大変である。


 だが実際には、この一連の作業自体も結構大掛かりである。魔術言語をきちんと理解している必要があり、その上で術式を自力で一から組み立てるという作業まである。


 本人無自覚だが結構すごいことをしているのだった。もう一度言うが、本人に自覚は一切ないが。


 ゆえに、ドン引きされるのも仕方がなかったりする。






 小麦色の毛、枯草色の毛、鶸色の毛、灰青色の毛、そして極焦茶色の毛の半獣族が皆多種多様な表情をしながら会議室の席にもたれかかっていた。なお、誕生日席にある少し立派な席は現在空席となっている。


 そして、意を決したように頭を上げる鶸色。



「なあ、ところで族長裏切ってあの普人族の子供の財産奪う計画どうするよ…まあもう結論出ているだろうけど。」


「おい、冗談でも滅多なこと言うな!…無理に決まっているだろう?」



 慌てたように小麦色がそう返答する。最後の方は小声になっていた。



「そも、恩を仇で返すのは好かん。…そもそも初対面からしてあの幼子は見た目と中身が違うと申しておろう。」


「そうは言っても相手さん普人族だから恩とか別に…いや、確かにこうなってはもう恩だろうから俺たちに関係あるだろうけど。ついでに言うと俺はもうパスだから。」



 言い争い出したのは、枯草色と灰青色。なお、古風な口調の前者が枯草色であり、後者が灰青色である。灰青色はどうも最近番が出来たらしく、元は過激派だったくせに現在は平穏を望んでいる。若草色は武闘家のような出で立ちであり、脳の割合も80%筋肉20%その他という割合になっている。


 その様子を見ながら黙っていた極焦茶色。



「(…実力の差?器の差?それを本質的にわかっていないこの中のメンバーは後で説…お話しするとして、どうやってこいつら撒こうか……できれば族長について行きたかったのだが。)」



 族長が去った後しばらく、数名だけでこんな会話が行われていた…かもしれない。


 なお、誰もその傍らに透明で文字通り空気とほぼ同調している男がいることに気づいていない。無機質な目に何を映し、何を耳にしたかなど。


 透明な口元はいやらしく口角が上がっており、クククと空気が漏れている。






 なるほど、だからやっぱり素直に従っていたのか…まあわかっていたが、なるほど。


 どうするか?殲滅?今は良いだろう。放っておけ。


 どうせ反乱は起こらないだろう。というか、あれだけ色々見せつけられたら実力の差が知れて起こす気にもならんよ。それに、これから訓練で余計なことを考える余裕がなくなる。


 ま、だがこちらを舐められるのは駄目だ。その場合に限り命をとらぬ程度に痛めつけろ。


 いいな。


 ああつまり、これからも監視のみ行っていろ。こちらも指示は出すが、それがお前の仕事だ。報酬は一時の安息で十分、そう言っていたな。


 それとだ…












 息子には絶対ばらすなよ。俺が裏にいることはばらしたらダメだからな。絶対だぞ!



 …じゃないとあいつ食事当番ボイコットするだろうから俺がまた自ら料理振舞うことに。




 フリなのかと生暖かい視線を雇い主もとい現上司の必死な言葉を聞いていたが、最後のぼそりと発せられた脅し文句をその良い耳で感知した瞬間彼は慌てて最敬礼を取った。


 なお、慌てて去る後ろ姿は本気で焦っていた。



 珍しいこともあったものだ。



 ライくんの親父さん、ギリアムは一瞬本気でそう思っていた。だが、先の自分の起こした不始末を思い出してそれもそうか一人静かに肩を落とす。確かにあの幽団食中毒事件は悲惨だったと。


 同時にあれは自分だけの責任ではないと、そっと盟友であるはずの魔王へ責任転嫁をして。さすがは外道様などと呼ばれただけはある。




 一方、足早に去っていった小柄で奇天烈な格好の者は冗談じゃないと内心冷や汗をかいていた…何を隠そう、彼も食中毒の被害者だった。


 自分が仕掛けるのはいいけど、仕掛けられるのは嫌だもんね。


 そう心の中で結論付けながら、さて次はどんな遊びをしようかなどと(本人にとってのみ)愉快な計画を立てながらクククと再び笑いながら森の影へと溶けていった。




 彼は、ある物語では魔法学校の学生たちへ悪質な悪戯を仕掛けて遊んでいた者。ある一幕ではそのよく立つ口で巧みに市民を扇動して革命を起こした革命者。そして、ある観劇では派手に暴走して哀れで無様な最期を迎えた愚者。


 彼らはどの刻、どの場所、どの地点でも大概こう呼ばれている。



 『ポルターガイスト』…又は道化師、と。




 ポルターガイストと道化、わかりにくかった可能性もあるので一応解答をのっけてみました↓↓見たくない人はパスしちゃってください。







魔法学校→ハリーポッ○ーシリーズのピーブ○

扇動した→某ジョジ○なスタンド『愚者』とトランプのジョーカーを掛けた

暴走した→ストラヴィンスキーの『ペトリューシカ』に出てくる道化師の人形



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