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もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第3章 8歳後半、顧問魔王な強化合宿(〇〇式英才教育標準編)
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113 災難は続くらしい

 読者の皆様、どうもこんばんは。行間の件もう少々お待ちください、読み辛くて申し訳ないです。


 それでは今週の不憫をどぞ!




 前回:迷宮白目な『鼻』驚嘆臭地獄。



 結界やら防臭セットやら色々まとった状態で安全な迷宮で一休み。やはり人間、睡眠とるのは大事。実際人間なんて2週間睡眠とらないだけで死んでしまうのだ(※実話です)

 完全に余談だが、この世界にきてから最長で1ヶ月粘ったことがある。原因はお馴染みの『魔王の無茶振り』。奴の魔術式によりある日空高く飛ばされて、行き着いた先は別の魔王が別荘にしていた浮島そのDくらいの場所。

 当然レベルの高い魔物やら守護魔術式、他諸々仕掛けが施されており、冒険者ギルドでは中堅どころの危険区域となっていた。ただ、浮島という天空にある島である上複雑すぎる軌道で惑星を回っているので見つけるのは困難、滅多にお目にかかれないとのこと。

 冒険者ギルドでは『実在する伝説』の一つとして割合有名。行ったことのある人どころか目撃者は豪運の持ち主扱い。一生に一度は見てみたい、あわよくば行ってみたい場所らしい。人類まだ空へ進出していないので無理だが。

 ゆえに、情報を高値で買うとか買わないとかいう話を聞いた。

 そんな場所へ4歳の頃魔術式で投げる飛ばされ死にかけたのだが。もしや、たどり着くだけで運を使い果たしましたとかそういうオチ?もうそういうことにしておこう…

 曰く、教育熱心?だった魔王の遺した代々魔王候補のトレーニングが行われていた場所とのことだ。当時よく死ななかったな…本当によく生き残った。

 さて、何の話をしていたんだったか…ああそうだ、睡眠時間か。

 睡眠時間は大事である。なんせ重大な判断ミスにつながるのだから。大体不眠不休で働いたところでちゃんと睡眠時間とって働いた場合と比べて業務効率は後者の方が高いことはすでに証明されているのである(※事実です)

 例えばだ、そうだそこで夜更かししている君。そう、君だよ君。

 誰とは言わんが夜中2時3時くらいの深夜テンションで仕上げて投稿した君の小説。読ませてもらったけど正直に言おう。

 厨二病()が出ているぞ、と。

 この際素が厨二病はしょうがない。

 人は、その人それぞれの素=気質であり、生じた瞬間から普遍的な要素である。その中で君が生まれつき厨二病でイタイ素質を持っていたことについてはこの際諦めてもらおう。仕方がない、そういう星の下に生まれたのだから。

 だが、ある偉大な人物は言ったのだ。



「人間、『質』は変えられないが行動は変えられる」



 である、と。

 なので、レミィさんのようなリアル?邪気眼なのかどこかの無気力なのか、それともロックなのか知らんが、己の中へ封印しておくことはできるのだ。なお、右腕の封印は無関係で封じられるべき要素であることをここで明言しておく。アイタタタ

 …社会人常識人として普通に営んでいくためにはそういった要素は己の内だけ、プライベートだけで楽しむべきことだ。己のみであれば、自由に生きても誰も文句は言えないのだから。

 というかだ。

 自分から晒すのはよっぽどの自信家か狂信者か露出狂であると個人的に私は考えている。理由は普通自分からピエロ扱いされに行く例はこの三つしか思いつかないからである。別に理由があるなら是非後学のためにもご教授願いたい。今はとりあえず君が最後者でないことを草葉の影で祈っておこう。

 話を戻すが、そうした人の『素』がうっかり解放されてしまうことがある。

 それこそ、ちょっとばかり封じが緩んで素の自分が相手にバレてしまうことが。うっかり、つい、ポロッと。そして取り返しがつかない言動へ。

 もしかしたら、怪我も何もないのに腕を包帯で巻いてみたり、眼帯を付けたり。あるいは真夏猛暑炎天下、トレンチやマフラーを特別な理由もなく着用して歩いてみたりしたかもしれない。

 そうして己の身に住まう醜い獣(厨二病)を晒してしまい、うっかり黒歴史を築いてしまうことがある。(皆の)忘れることのない、(ある意味宴会や同窓会等で)永遠に語り継がれるどす黒い伝説的エピソードを1つや2つ持っているかもしれない。

 身に全く覚えはないだろうか。ちなみに私はあるが武士の情けだ、聞いてくれるな(必死の形相)ゴブッ

 気を取り直して…では、そうした闇に葬りたい古傷を脛にこさえる要因とは何なのか。

 きっとこれを聞いている皆は、できればそれを明確にし、二度と再び笑い者晒し者日陰者にされる事態を避けたいところだろう。必死にメモを取っている君へ、先輩たる私が答えよう。

 その最たる原因の一つ…我々の敵とは『寝不足』である。

 人間、特に生命の危機を感知した際に限ってその人本来の素が出るのは仕方がない。戦時等でも人間の隠れた凶暴性・残虐性等も生存本能に従い表に出てくることは既に研究から明らかにされている。

 前述したが、寝不足で人間とは死ぬ。それこそぽっくりと逝ってしまうのだ、普通は。普通は(地獄の1ヶ月を思い出して心の汗を両目から流す)

 ゆえに、寝不足だって立派な生命の危機なのである。

 生命の危機のともないそれを回避するため普段隠している『本当の自分』が化けの皮を剥いで出てくるのは致し方ない。たとえそれが厨二病だったとしても。

 厨二病でも鯉とか鮹とか必須ではないが生存することは大事だよね?といことだ。

 だから、きっと私がこんな密室環境(迷宮)で気絶必須カメムシ爆弾に頼るという判断ミスをしたのもそのせいだろう。そうだ、そうに違いない。

 然れば、寝よう。

 今ならちょっと油断して寝ててもきっとだれも何も来ない。全員寝ているので。カメムシ爆弾で白目発動して今頃夢の中である。やったね、睡眠薬要らずだ(暴論)

 というわけで私も寝ようと思う。諸君、おやすみなさい。




Zz

Zzz

Zz

Zzz

Zz






 目覚めて周囲を見渡す。

 寝る前まであれだけ濃かった褐色系のガス。その色がいい感じに薄くなりつつあった。やはり空気メインのダンジョンだけあって風に飛ばされたか。

 きっと、吹き溜まりはひどいことになっているのだろう。


 さて、そろそろ全員起こすか…いや待てよ。



「どうやって起こしたらいいかな。」



 よくよく考えてみると、こいつらも今まで寝不足かつ疲労困憊状態だったはず。ダンジョンならきっと順に寝ずの番とかやっていただろう。栄養だって足りていなかったので体は休息を求めているに決まっているだろう。

 そしてここにきて急に食べ物を得て、さらに強制的に休眠を取る事態となった。気絶ともいう。

 さて、こんな状況で普通に揺すって起きるかどうか…



「期待せずやるか。」



 なので、普通じゃない起こし方をされても仕方がないことだと思うのだが。一応異論は認めよう。

 懐からこの前王宮でぱち…拝借しておいた壊れた笛?トランペット?らしきものを取り出す。大きさは私の頭二つ分程度で多分銅製?だろうか。サビがありすぎて元の色が判別つけられない。

 一応雑学知識として、こうした管楽器は最新の綺麗に磨かれたやつの方が文字通り綺麗な音が出ることは知っている。わざと古く錆びた音で許されるのはジャスとかで一部の普通に吹いたら達人な連中だけである。

 さてと、ここでひとつとても重要なお知らせ。



「管楽歴は聴いて驚け、小・中のリコーダーのみだ!」フー



BHYOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooooooOOOOOOOOoooooooooOOOOOOOOOoooooooooooooooo


ギャー…パタン(←一旦目覚めて再び意識を失った哀れな被害者達の倒れ伏す音)



 ラインハルトが何も考えず一気にフッと楽器へ息を入れた瞬間、ブワリと嵐が起き、大地が揺れ、衝撃波が生じた。そしてそれは一気にダンジョン全体へと広がっていった。

 それは、カメムシに次ぐ第二の災害としてダンジョンへ響いた。

 臭いもそうだが音も空気を伝導するもの。幸か不幸か臭いと違って音の波は割と一気に伝わるもの。

 そうして広がっていったひどい音は、今やっと始動し出していた魔物達を貫通し、鼓膜どころか脳を揺さぶっていった。彼らは倒れ伏す。

 臭いの次はひどい音…もう何が何だかよくわからなかった。

 彼らを襲ったのはいわゆる『脳震盪』。言うなれば、ボクシングで顎へ高速のマジパンチを食らった選手と同じ現象が彼らの身、というか脳内に起こったのだ。

 けどそんなこと知らない彼らからしてみたら、たまったものではない。気絶の次はダウンとか、もう、どうしろと?

 同時に、それは冒険者その他の身にも起こってしまった。

 そうとは知らず、ひどい形相で眠ったままの冒険者+αを見ながらラインハルトは一人ぼやいた。



「…なんだよ、不良品じゃないか。」



 若干臭いが気になり結界と防臭服をまとっていたがために免れた衝撃波。

 本来小心者ラインハルトが大胆な行動をとるのは大体成り行きか流されてか空気読んでか。稀に環境要因による天然。今回は珍しくも鈍感力が仕事をしすぎたもよう。

 だがそれにしても、これはひどい。

 嫌な臭いについで嫌な音を使うとは。どこぞのポケット怪獣みたいな攻撃だが、もはや規模が違う。

 よりにもよって、彼は密室で『空気』をメインテーマとした迷宮でこの攻撃を行ったのだ。果たして、これを鬼畜の所業と呼ばずなんと呼べばいいのか…


 なお、この間にラインハルトは謎の異世界現象で倒れ伏した(と思い込んだ)ダンジョンの魔物達をこれ幸いにと次々食材にして行ったのだった。



 ダンジョン涙目

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