これまでに登場したいろいろまとめ(三章のネタバレ含む……かも?)
【 用 語 】
辺境伯
王>公爵(王家の分家的な地位)≧侯爵>辺境伯>伯爵>子爵>男爵>準男爵>騎士爵
地位的には侯爵と伯爵の間あたりだが、豊かさや軍事力によっては当たり前のように侯爵に並ぶ発言力を有することもある爵位。国境を守護する役目から軍事力が高いことが多く、国の玄関口としても栄えることができる。ただ、軍事力を増強しすぎて隣国を刺激したり、自国の王から反乱を疑われたりすることもままある。
第一夫人・第二夫人
貴族によくある一夫多妻制。大抵は、多くても3人。国によって嫁は全員平等に接しなければならないところと優劣をつけるところがあるが、大前提として必ず養える範囲で娶らなければならない。
聖王国もディストニカ王国もやや優劣をつけているが、アトラドフ連合王国はどちらかといえば平等で、第三夫人以降は獣人を娶ることもある。トリットリア小国は一妻多夫も可能で、現在の女王は3人の夫がいて三人目が獣人の巨漢。でかい。
嫁がたくさんいると、第一夫人の息子が嫡男になるのか、第二夫人以降だけどその家で一番最初に生まれた男児が嫡男になるのか、はたまた一番爵位の高い家から嫁いだ者の長男が嫡男になるのかで揉めたりするものの、第一夫人の息子が嫡男に収まることが多い。
平民は一夫一妻が普通。ちなみにオーガスト侯爵は第三夫人までが夫人扱いで、それ以降は産まれた子どもを認知だけしてる状態。当然、養育費は渋らずばら撒く。
【 土 地 】
アリダイル聖王国
先々代の歴王アリダイルが当時最大の国力を誇った獣人の国を滅ぼして、そのあとに作り上げた人至上主義の国。その成り立ちから、獣人差別の温床、獣人は亜人、奴隷種族、害獣、野蛮、などという意識が強い。
40年ほど前までは獣人擁護を歴王である聖王が呼びかけていたため差別も表向きには鳴りを潜めていたが、現聖王があっさりと手のひらを返して獣人の差別を許してしまったため、あっという間に獣人擁護派は排除され元に戻ってしまった。
魔術師協会の総本山があり、聖王国の軍部と密接な関係にあるとかないとかで、きな臭い。
ティリアトス辺境領
聖王国とアトラドフ連合王国の国境を有する、緩やかな丘が連なる豊かな領地。軍事力が高く、兵士たちは訓練に余念がない。しかし、兵士や騎士団全てを人で賄っているために常に不足気味。
気候は安定しているので水害などは少ないが、逆に水不足になることがある。特産はいろいろあるが、その中でも様々な種類のナッツと魔獣の素材が有名。
獣人差別はあるが、辺境伯自体は獣人が好きとか嫌いとかそういうものはなく、ただ、興味がない。
領都フィーダム
ティリアトス辺境領の領都。観光地でもあり、特にメイン通りであるラ・ケッティ通りのレンガの石畳が有名。そのレンガの石畳は10年に1度の間隔で一か月ほどかけて敷き直されるのだが、それを見にわざわざ他国から来る観光客も多い。メイン通りに面した宿に宿泊して、レンガが敷き直されるところを見るのだ。見どころは敷き直すたびにかわるデザインで、それが出来上がっていくところを高い場所から食事をしながら眺めるのが通らしい。少し前に獣人が反乱をしかけたため、獣人の傭兵などが締め出されている。ヒュランダルの街の3倍くらいあるらしい。
ヒュランダルの街
代官のダンカンが管理している、魔獣の巣を擁する傭兵の街。
住民よりも傭兵のほうが多く、なおかつ聖王国にありながら獣人も堂々と道を歩ける珍しい地域。もうずっととある獣の毒に悩まされていたが、つい最近新たな解毒剤の開発に成功したらしい。
【 人 物 】
歴王アリダイル
先々代の歴王。歴王の中でも飛びぬけて武力が高かったとされる。獣人を奴隷に堕とした張本人。ただしそれ以外については、思慮深く、平和を好んでいたとされている。謎が多い歴王。
歴王ガビル
先代の歴王で、アリダイルの血縁。獣人を擁護し、アリダイルに獣人の奴隷撤廃を進言したりしていたが、受け入れられることはなかった。しかしアリダイルが崩御する直前、歴王に指名されたのはガビルだった。
そのため、自らが正しいのだと確信したガビルは生涯をかけて獣人の奴隷撤廃に尽力し、獣人の地位向上に努めたとされている。その努力は聖王国では実らなかったが、それ以外の国ではかなり受け入れられている。
牙を折るもの(パーティー名)
ヒュランダルを拠点としているランクB傭兵のみで構成された魔獣特化型の高ランクパーティー。ヒュランドルから動かないため、街の外での知名度は低いが、街の中では知る人ぞ知る有名どころ。
リーダーは、魔盾士のアゴート・ベル。2日に1度ツイてる日があるということは、2日に1度ツイてない日が来るということであるはずなのだが、彼曰く、「ツイてない日は普通の日」とのこと。面倒見が良く、パーティーの結束は固い。メンバーは、ルルー:女の魔剣士、テトリアート:男の魔弓士、ギアベルト:男の魔術師、ゴージ:男の獣人。
暗がりの隻獣(集団名)
アリダイル聖王国を滅ぼし獣人の国を再建することを目的にしているうだつの上がらない獣人の集団。命名したのは彼らを先導したという人の“先生”。結局本当に“隻眼の獣”にされてしまった。
【 魔 人 関 連 】
咎・枷・刻印について
咎は未だよく分かっていないものの、魔人を構成するにあたって重要な要素のようだ。
枷は、魔人の糧となる行為のことらしい。
刻印は魔人が使う不思議な力のこと。リネッタは魔法陣を使わない新たな力だと思っていたのだが、実際は魔法陣が発動していたようだ。
【 魔 法 陣 】
防御壁の魔法陣
複数の重り(石とか)に彫りこみ、防御したいものを囲むように配置して発動させる。ディストニカ王国の王都ゼスタークにある王都壁と同じ仕組み。
松明型の魔法陣
火が出るところがポイント。灯りとしても使えるし、薪に火をつけるのにも使えるし、振り回せば武器にならなくもない。あと、あったかい。複数回使えるようなので、1本あると便利かもしれない。
水瓶の魔法陣
水瓶に水が溜まっていく魔法陣。魔素効率が悪く、水瓶をいっぱいにするには複数回使用しなければならない。
精霊の召喚陣
召喚獣を呼び出す詠唱を魔法陣にしたもの。つまり精霊を呼び出しているわけではない。呼び出す召喚獣によってサイズは様々。
魔人の魔法陣
アーヴィンの背中にあった3重の魔法陣。一番手前の魔法陣の魔素効率は最悪とのこと。長くなるので詳しくは本文にて。
麻痺の魔法陣・睡眠の魔法陣
アイダの自決用の短剣にも彫ってあった魔法陣だが、両方とも意識を奪う魔法陣なので一応禁忌とされている。とはいえそれは表向きであって、全く使われていないわけではいようだ。
存在抹消の魔法陣
リネッタが創った、この世界を切り取って別世界を創る魔法陣。扱いを間違うとみんな消滅する。
【 詠 唱 魔 法 】
召喚
現時点での召喚獣一覧…走り鼠、魔女の梟、浄化妖精、影妖精、影妖精の上位互換、翼竜
局地的治癒の魔法
ごく小範囲でできるだけ治癒力を高めたという治癒の魔法の応用魔法。重症人が複数いるのに魔法使いが1人しかいないときなど、できるだけ魔法の効果を高い状態に保ちつつ範囲指定もしたいということで作られた。単純な回復力は上級回復の魔法を上回る。
遮音結界の魔法
音だけを遮断する膜を張る魔法。音だけなので読唇術などで会話がもろばれする。
一緒に遊ぼう!
シルビアの暴力的な威嚇魔法。強制的に自分に敵意を向かせて、なおかつ逃げるという選択肢を失わせる。
凍結波動の魔法
本来は方向性を持たせて使い、足止めなどに使う。シルビアが何も考えず山火事を消そうとしてドーンと使った結果、シルビアを中心にして半径50メートルを氷結させた。全力で使ったらどうなるかはいまだ不明。
威圧の魔法
シルビアの威嚇と比べてかなり可愛げのあるリネッタの威嚇魔法。ただし本当に怖がらせたり驚かせたりするだけなので、挑発的な効果はない。
浄化の魔法
猛毒はもちろん、呪い、穢れ、実体のない霊系の魔獣でさえも消し飛ばすこともある解毒の魔法の上位互換魔法。
上級回復の魔法
回復の魔法の上位互換魔法。魔素効率を考えるとこれが一番使い勝手がいいのだが、シルビアがそんなことを考えるわけもなく、出番はなさそう。
特級回復の魔法
上級回復の魔法の上位互換魔法。単体回復魔法としてはこれが最上級で、回復力は局地的治癒の魔法を遥かに上回るが、当然消費する魔素量は桁が違うわけで……。
空間を切り取る魔法
この魔法自体は、魔素が存在しない空間を作るだけ。魔素効率が悪く、あまり有用ではない。
応用魔法のほうは無差別に存在を消し去るという危険性から禁忌魔法に指定されている。詳しくは本文にて。
影縫いの魔法
対象を動けなくする魔法。毛は逆立つし、息もできるので、毛と内臓は対象外のようだ。もしかしたら表面的なものを止めているだけかもしれない。




