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赤い眼  作者: 二次元
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会談1

「君を連れに来た。」


「君?ずいぶん偉そうなのね。」


少女は豪華な肘掛椅子に深く腰掛けたままそう言って不敵に笑った。


その様子はとても16歳には見えない。


「ごめん。16歳だと聞いていたから。」


「16歳?16歳ねえ・・。」


「違うのか?」


「さあ、どうかしら?」



さっきから気になる事がある。


照明は弱めだが暗いわけではない。


でもこの少女の見た目や印象が酷く儚げで、今にも消えてしまいそうな感じさえする。


大げさな言い方をすれば少女を通して向こう側の壁が透けて見えそうな気がするのだ。


「どうしたの?」


そう問いかけた少女の背後に俺は信じられないものを見た。


眼の赤い大蛇がいきなり現れて、少女に襲いかかったのだ。


その動きはあまりに速すぎて俺が声をかける暇も無かった。


だが、更に信じられない事に大蛇が少女に触れると姿が消えてしまった。


その代わり少女の瞳の赤味が増したような気がする。


「今のって・・・」


「気にしないで。ただのお友達だから。

それより話を続けましょ。」


「友達って。」


そう言ってる間に赤い眼をしたチンパンジーが現れて同じ様に少女に触れて消えた。


今度こそ間違いない。


少女の瞳の赤さは増し、少女自体の存在感も増してきている。



そしてコウモリ、ヒョウ、熊、と次から次へと出てきては少女に触れて消えていった。


そして少女は最初に感じた儚さなど微塵も無い存在となっていた。


少女は美しく可憐ではあるけれど強い殺気と禍々しい雰囲気を湛えていて気をしっかり持たないと足に震えが来そうだった。


「びっくりした?するよねえ。アハハハ。」


と少女は声をたてて笑った。



だがコウモリと熊には覚えがある。


コウモリは左翼隊を全滅させたし、熊はボスを俺の眼の前で殺した。


ひょっとすると隊員全員この動物達に・・いやこの女に殺られたのか?


「まさかとは思うが、仲間をやったのはお前か?。」


「お前?さっきより悪くなってるじゃない。」


少女はそれでも笑みを絶やさない。


「どうなんだ?」


少女は一息つくと


「あなた以外の9人の素性を知ってる?」


「いいや。知りたいとも思わなかった。」


「それが正解かもね。みんな名だたる犯罪者ばかりよ。」


「犯罪者?元傭兵かと思ってた。」


「確かに傭兵の経歴がある者もいるから間違いじゃないけどね。

どいつもこいつも重犯罪者ばかりよ。

中には酷過ぎて報道されなかった事件だってあるわ。

当然終身刑や死刑の判決を受けた者ばかり。」


「俺は違うぞ。」


「知ってるわ。妹さんのために健気に頑張ってるんでしょう?

そんな人を一人入れるように言っておいたから。」


「そんな事まで・・

じゃあ最初に聞かされた話は嘘なのか?

お前の血が今日に限って不老不死の妙薬になるから身柄を確保しろって命令だったんだ。」


「クククク・・・。」


椅子に座ったまま顔を伏せた少女の肩が小刻みに震えている。


そして我慢できなくなったのか大笑いを始めた。


「アハハハハハハハ。不老不死?不老不死の妙薬ですって?

ああ、おかしい。

誰?それ考えたの。

ネタに困ったにしても面白すぎるわ。

ご褒美をあげたいくらい。」


疑わしいとは思っていたが作戦の理由は大ウソだったと言う事だ。



「だったら俺は何のために・・。」


「ここに来たのかって言いたいんでしょ?」


「ああ。」


「簡単よ。私の年一回のお楽しみ。」


「お楽しみ?」


「ええ。そうよ。」


俺の背筋にゾーッと寒気が走った。


年に一度の楽しみが殺人ゲームだと言うのだ。


9人はとんでもない犯罪者。


ボスはどうなんだ?


それに一階のゾンビみたいなやつらは?


第一何で俺は選ばれた?健気?本当に?


そんな理由なのか?


「色々聞きたい事がありそうね。

いいわよ。答えてあげる。」



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