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厳冬籠もり春を待つ  作者: 猫面人
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九話 事象

 スイは眠っていた。体温は22℃まで下がり、呼吸数は通常の60%程しか無い。心拍数も、測定器は持ってきていなかったが、異様に少ないことは確認できた。驚いた。素直にそう思う。まさに心臓の止まる一歩手前。およそ人間には生きていられない状態にある。だがそこにあるのは紛れもない生。いくつも見てきた冬眠と同じだった。

「ハルさん。御主人は冬の間中ずっと眠ったままなんですか?」

「はい。途中で起きてくることはありません。」

どうやら、熊の冬眠に近いようだ。

「では、刺激を与えると起きてしまう、なんて事はありますか?」

「いいえ。以前、夜に様子を見に来たとき誤って踏んでしまったことがあるのですが、起きてくる気配はありませんでした。」

なるほど、そこは熊とは違うようだ。体温や他の降下度も熊よりは大きい。だが小動物と比べてかなり小さい。そこは体の大きさが関わってくるようだ。しかし、中途覚醒しないとなると

「それでは、秋になると食欲が増したりしますか?」

「はい。冬になる一月程前から、いつもの倍くらい食べるようになります。」

やはりか。それでこの間食糧が無いと言っていたのか?まあいい。私が深く関わるところでは無いのだ。目の前で起きている事象は、冬眠に間違いないのだから。素晴らしいと歓喜していれば良いのだ。楽しい冬になりそうだった。

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