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厳冬籠もり春を待つ  作者: 猫面人
21/22

番外 スイ

 また、長い眠りから目を覚ました。身体を起こすが誰も居ない。一瞬、見捨てられたのかと不安に思う。だが

「あ、起きた?」

そう言って笑ってくれる者がいる。眠っている間に、村の者を失った。何もかも失った。しかし、ハルは言った。

「なに言ってるんです、私がまだ居るじゃないですか。」

ただ眠っているだけで、神と崇められた。ただ眠っているだけで、神と崇められているだけで、私は何もできなかった。それなのに、ハルは全てを許してくれたのだ。これ以上の喜びは無いように思えた。相変わらず、私が起きている間はペンダントを外しているようだが、それでも良いのだ。

 子どもが生まれた。名前はアキにした。女の子だった。いずれ、私が厳冬に籠もり、深い眠りについたとて、ハルと共に待っていてくれるだろう。

 いつかまた、この村を再建しよう。それまでに土地を作っておかなくては。今度は誰も悲しまぬように。今度は誰も苦しまぬように。また、皆が笑ってくれるように。それまでハルは待っていてくれるだろうか?

「もちろん、死ぬまでお付き合いしますよ。」

その言葉は、いつまでもいつまでも、私の救いとなった。私の慰みとなった。

 今年もまた、厳冬に籠もり、今度は私がハルを待とう。

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