第二話 俺の異世界転生初日は絶対変わっている2
主人公のチートさが露呈。
「二頭身だとおおおおおおおおおぉぉ!!!!」
思わず俺は目の前に浮かぶ小さいソレに対して叫んでしまった。
仕方ないそれが世の摂理なのだから、と第一の俺が励ます。
マジ可愛いし、と第二の俺が賛同する。
二頭身神降臨キターm(;∇;)m、と第三の俺が泣きながら歓喜する。
ぐはっ、なんという破壊力・・・、と第四の俺が吐血する。
手のひらサイズの赤やら青やら緑やら黄色やら白色やら紫色やら黒色の地球のフィギアでは到底表現できない可愛さ、愛くるしさ、美しさが俺の心を魅了するっ!!!
(だいじょーぶー?)
(どしたのー?)
(んー?)
(ひぃはぁー)
(わーい)
(やっほー)
「もしかして、お前らが声の正体か?」
おそらく(だいじょーぶー?)の声の主である比較的他より大きい二頭身の薄い羽のような物がはえた緑色の子(以下みどりと呼称する)に指を指して確認する。
(そーなの)
するとみどりは俺の指にちょこんと座った。
なにこの娘、超可愛い!!!
っていうか、声だんだん増えてないか?最初四つだった気がするけれど、今は何十の声も聞こえている気がする。
(私たちはー)
(れいじゅのー)
(せいれいなのー)
(まりょくがー)
(おーいから)
(うまれー)
(たのだー)
どうやらきちんと喋れているのはこの七人(?)だけのようだ。上から順にみどり、あお、くろ、あか、きいろ、しろ、むらさきの順番だ。無論髪の色と目の色で区別している。ほかの二頭身っ子は「あー」とか「うー」みたいな赤ちゃんのようにしか声を出せていない。
それにしても、魔力が多いから生まれた?精霊?しかも「れいじゅ」に至っては漢字にするとどのような物になるか分からない。
神々どもに一通り説明させておけば良かった。だが、いまさら後悔しても仕方ないし何回も後悔しても意味がない。とりあえず精霊達に話を聞くとするか。
「れいじゅってのは何を意味しているんだ?」
(これなの)
今度はくろが答えてくれた。くろが触れているのはあの木っぽいもの。幹の色が地球では到底ありえなさそうな色をしているあの木だ。
そういえばあの木(?)、俺が此処に降り立ってすぐの時にはどこにも見当たらなかったものだ。俺が五分位してから急に視界に現れるようになったんだよなぁ。
しばらく「れいじゅ」をじっと見ていると発光していたのは光の粒子が集まっていたからで、光の粒子が弾けると同時に二頭身っ子が生まれて(?)来ている。しかも幹が赤色の木からは赤い髪、赤い目の子。青い木からは青い髪、青い目の子、と幹の色と生まれてくる精霊の色が全て一致していた。
おそらく精『霊』を生み出す『樹』だから『霊樹』なんだろう。教えてくれたお礼と興味につられてくろの頭を指先でなでる。うれしそうな顔をされて、思わず抱き締めたくなってしまった。ただ苦しいと思うかもしれないので止めておいた。
次は魔力について聞くとするか。
「魔力が多いから生まれた、というのはどういう事なんだ?」
(あのね主様の魔力が多すぎて主様という魔力の貯蔵庫から魔力が溢れてるの)
(霊樹は空気中の魔力を吸って成長するんです)
(魔力が多ければ多いほど霊樹は早く成長するなの)
(霊樹は精霊を産み落とします)
(普通霊樹が一体の精霊を生み出すのには十年かかるのー)
(でも兄様の魔力が物凄く強いおかげでこんなにたくさんの仲間が出来たんだ!)
(つまるところ主が居たからこそ我々は生まれてくる事が出来たのだ)
つまり魔力制御が出来ていない為溢れ出した魔力が霊樹の糧となり霊樹の成長が止まらず十年に一度産み落とされるべき精霊がこんなにも過剰に誕生してしまっている、という訳か。なら、この七人も俺の魔力を過剰摂取したから喋れる様になったのか?口調もはっきりし始めてるし。
「ちなみに俺ってどのくらい魔力あるか分かるか?」
(んとね、普通の人の・・・)
(八十兆倍?)
(百兆倍くらいはあるなの)
(勇者の平均から言うと千億倍ですね)
(千億倍なのー)
(兄様つよっ)
(一番魔力量が多い勇者から見ても一千万倍なのだ)
ん?百兆倍?千億倍?一千万倍?なにソレおいしいのって位魔力あるのな、俺。
でもそれって・・・
「このまま制御できないままだと・・・霊樹増えすぎない?」
(増えますね)
(増え続けます)
(絶対に増えるなの)
(間違いなく増えます)
(増えるのー)
(世界覆い尽くしちゃう?)
(凄いことになるのだ)
「魔力制御教えてください」
世界が俺の所為で樹に埋め尽くされる危機って・・・・・・ナニソレコワイ。
こんなん文章でいいのか悩むとある野兎A。・・・間違いとか無い・・・よね?