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少女の殺意

人助けが出来るの?それとも世界を変えられるの?

もし、私が世界を変えられる力を持っていたら、この先に起こる出来事なんてものを引きずらなくてもいいようになれる。


少女は思った。小さな胸に手を当て、時をゆっくりと感じながら、思う。

今更ながらの願いごとは一生、叶わぬものとなった。


「...血生臭いな...」

彼女は着用している部屋着の裾の匂いを嗅ぎながら、小さい声で言葉を発した。

部屋は鉄が満ちたように異様な匂いを充満している。

部屋の中心には横たわっている女性に、鉄パイプを持っている少女。


女性の顔は見にくく、ぐしゃぐしゃにつぶれてしまっている。手は変な風に骨折し、爪が剥がれ落ちている。

また大量に出ている血液にはいかにも少女が何をしてしまったかを語っている。


そう、彼女は部屋の中心に横たわっている女性を殺害したのだ。

しかも、父親と再婚の相手を―――――――。


「許せなかった」と少女の脳にはこの言葉しか思いつかない。

彼女が弟に振るう暴力に。


「死体は…地下室に隠しておこう…。」

彼女は廃墟の部屋を見渡す。


この部屋は少女「真島らのか」、真島家の廃墟倉庫。

この倉庫は彼女しか入れない為、隠し場所には丁度良い場所だった。


この女は私の家族を引き裂こうとしていた。

父からは財産を奪おうとし、弟に暴力を振るい、そして私には脅迫した。


「私の正体、知ってるんでしよ? 結婚詐欺師だってこと…?

うふふ、らのかちゃんは顔に出やすいものネ?お父さんに言おうとするでしょうけど…

貴方の言うことなんか信じて貰えないわヨ?祐介さんは私のこと、本気だもの。」


詐欺師の女、「小林祐華」はらのかに殺す直前に自分の正体を告げる。

そして、祐華はお腹をさする。

「私のお腹の中、祐介さんの子供がいるわ。でも…」

祐華はその先の言葉を言おうとはしない。

「でも…?……何よ、父に言うのが怖くなったのかしら?」

らのかは誇らし気に、言葉を発する。


「死産、と言ってお金を騙しとるわ…!」

祐華がニイッ、と笑った瞬間、らのかの髪をガッと掴む。

「痛ッ…!!」

らのかは叫ぶ。髪の毛が沢山一気に抜けそうな力だから。

「あんたと屑な弟と何にも分かってない父親さえいなければねぇ!この家の財産は私の物なのよぉ!

なのにお前の大切な可愛い弟は虐めても死なねぇし、お前は私のことなんて

怖がらねぇからよぉ、正直言って目障りなんだよなぁ?

それにイイ子ちゃんぶる顔芸にも疲れんだよっ!!!」


祐華は文句を散々言った後、らのかの髪を離し、床に投げ倒す。

その時、らのかの心に何かが芽生えた。


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