表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第一章 色々あるけど、なにはともあれ、魔王パリピーニャの美貌がエグすぎて理性が持たない。こんな美女がボクの命令に絶対服従とか、ボクはもうダメだ。おしまいだ。
5/307

5話 あまりにもエロすぎた。だから仕方なかった。反省はしている。


 5話 あまりにもエロすぎた。だから仕方なかった。反省はしている。


 《雅暦がれき1001年7月7日》


 オッサンが死んだ。

 正確に言うと、自殺をした。


 もがれたチ〇コを治してもらおうと神殿にいって、

 『これは治らない』と言われて、絶望して、首をくくった。


 ……気持ちは分からないでもない。

 ボクも、去勢きょせいされたら……自殺を考えるかもしれない。


 『ボクが殺したようなもんかなぁ』……とか、考えてみたりもしたけど、


「流石にこれは、ボクが殺したってことにはならないよね? 勝手に自殺しただけだもんね? ねぇ、ボク、悪い? ボクは関係ないよね?」


(俺に聞いてる?)


 などと、トンチンカンなことをいう『モンジン』に、

 ボクは、


「当たり前だろ。ボクは、『無』に尋問をするほどイカれちゃいないよ」


 と、力強く首をタテにふる。


(ここまで見た感じ、お前は、だいぶ『イカれている寄り』だとは思うが、まあ、それはさておき……あのオッサンの自業自得なのは間違いないが、自殺の原因はお前だろ)


「うぐぅ……」


 と、『ぐうの音』しか出なくなっていると、

 そこで、9番がかえってきて、


「先輩、ポル様、死んでませんでした」


「え……マジで? あんな、ガッツリと、首をっていたのに? 脈なかったし、息もしてなかったけど?」


「ギリギリのところで、息を吹き返したみたいです。どうします?」


「いや、どうしますって言われてもなぁ……ちなみに、あのオッサン、今、どこにいるの?」


「神殿で息を吹き返したあとは、『礼拝堂』にいって、女神様にお祈りしていました。『どうか性器を治してください』って、必死に。たぶん、今もずっと」


「……まあ、ボクも、同じ状況になったら、同じことをするかもしれないなぁ……」


 その後、しばらくしてから、

 オッサンはトボトボ帰ってきた。


 去勢される前と後で別人……とまでは言わないけど、

 凶暴性みたいなものが、明確に低下しているように思えた。


 モソモソと、覇気なく食事をとり、

 はやいうちから、ベッドに入って、イソイソと眠りだした。


 そのザマを見て、多少は気の毒に思ったりもしたけど、

 でも、まあ、これまでの傍若無人ぼうじゃくぶじんな色々とか、9番にしようとしたコトとか、

 その辺のあれこれを考えると……

 まあ、やっぱり、普通に自業自得だよね。

 あんたが悪い。

 よって、元には戻さない。

 将来的には……まあ、考えなくもないけどね。



 ★



 ボクと9番は、サラっと家事を終わらせて、

 馬小屋の寝床ねどこに向かう。


 2人並んで、ワラの上で寝ころんで、空を眺める。

 暗くなり始めた空。

 うっすらと見えだす無数の星。


 仄暗ほのぐらく淡い赤が、柔らかい青に溶けて、哀しいぐらい幻想的に世界をひたす。

 なんだか、産まれて初めて自由に生きている気がした。


「すぅ……すぅ……」


 ボクにしがみついてゴロゴロしていた9番が、

 気付いた時には、ぐっすりと深い眠りについていた。

 死んだ(と思った)オッサンの処理で、

 今日一日、奔走ほんそうしていたから、疲れたのだろう。


 ……相変わらず、過剰に整った顔をしている。

 髪はサラサラで、まつげが妙に長い。


(変な気分になってくる……勘弁してほしいな……)


 ボクは、しがみついている9番をひっぺがして、立ち上がる。


「……さて……それじゃあ、始めるか」


 小さな声で、ボソっとそう言うと、

 ボクの中にいるモンジンが、


(なにを?)


「実験だよ。魔王召喚に関して、ボクは何も知らないからね。どこまで出来るのか、詳細を確かめておきたい。そうじゃないと、今後の計画が立てられない」


 ボクは、この魔王召喚の力を使って成り上がるつもりでいる。

 これだけの凄い力があるのに、いつまでも奴隷のままでいるなんてありえない。


 この世界では、力や金があれば、身分をあげることは可能。

 『奴隷として生まれたら、何があっても死ぬまで奴隷』……なんてことはない。

 まずは平民を目指し……ゆくゆくは貴族を目指す。

 魔王召喚の力があれば不可能じゃない。


「まずは、モンジン。魔王召喚について、君が知っていることを全部教えてくれ」


(……いいだろう。その代わり、お前も『俺の役にたつ』と、正式かつ真剣に誓え)


「いいよ。ギブ&テイクでウィンウィンの関係になろう。ボクは君のために働き、君はボクのために働く」


(よし……で、何が知りたい?)


「とりあえず、まずは、一度に召喚できる数と種類かな。召喚できるのはゼラビロスだけ? それとも、他の魔王も召喚できる?」


(今のところ、一度に召喚できるのは一体までだな。種類でいうと、ゼラビロス以外にも、もう二体ほど……『パリピーニャ』と『マパネット』って魔王を召喚することが可能だ)


「今のところ……ってことは、この先、色々と増える可能性があるの?」


(たぶんな。知らんけど)


「知らんけど、って……ちゃんと教えてよ」


(かくしているわけじゃねぇ。その辺の詳細は、覚えてねぇんだよ。俺の記憶に関して、細かく言っておくと……『エピソード記憶はゼロで、意味記憶の方は虫食い状態』……みたいな感じだ)


「ふーん……よくわからないけど、まあいいや。じゃあ、とりあえず、その二体の魔王が、どんなやつか見ておこうかな。モンジン、どっちか召喚して」


(あいよ、じゃあ、パリピーニャから。……おいでませ、魔王召喚)


 サクっと召喚された魔王……

 それは、女性タイプの魔王だった。

 それも、とんでもなくエロい感じの、銀髪ロングの褐色肌長身爆乳お姉さんだった。


 魅力が溢れ出ている完璧なプラチナブロンドのロングヘア。

 つい崇め奉りたくなる妖艶な瞳、健康的なはずなのに頭おかしくなるほど煽情的な極上の褐色肌。

 重力に逆らい完全な半球を描く豊かなおっぱい。

 露出はそこまで多くないのに、チラチラ見えるわずかな肌が、ボクの脳をダイレクトに、激しく暴力的に、こねくり回してくる。

 身長は180センチあるかないか……股下の長さが、とんでもないことになっていて、もはや、モデル体型がどうとか、そんなチャチな次元ですらなかった。

 まさに女神。


 この都市の結界を張っている『女神ユウガ』が、どれだけの美貌の持ち主なのか知らないが、エロさと言う点においては、さすがに、この『魔王パリピーニャ』の方が勝っているだろうと断言できる。

 これ以上のエロさは、ありえない。

 そんなものが、この世にあってはいけない。


「うぅわ……すっご……え、マジ? ほぼ理想と言っていいスタイルしているんだけど……え、マジ? やっば、ムッホ」


 その美しさと妖艶ようえんさにどぎまぎしていると、

 パリピーニャは、しとやかに、ボクの足元にかしずいて、


「偉大なるマイマスターよ、さあ、ご命令を。どのような要求であろうと、あなた様の命であれば、喜んでしたがいましょう」


 声もしっかりエロかった。

 マジかよ。

 こんなにエロいお姉さんが……ボクの命令を、なんでも聞いてくれるって?

 マジかぁ!

 よかったぁあ!

 どんなに苦しくても、自殺とかしなくて……ほんとによかったぁああ!!


「え、え、じゃあ、あ、あの……お、おっぱいとか、触っても……いいですか?」


「どうぞ、ご随意ずいいに。私の全てが、あなた様のもの」


「うそだろ! まじか! うーわ……あ、じゃあ、あの……失礼します……」


 ドキドキしながら、ボクは、魔王パリピーニャの胸に触れようとして……


 けど、


「んー……でも……これ……いいのか?」


 さわる寸前で、持ち前のチキンが発動してしまう。


「この魔王召喚って、『強制的に言うことを聞かせている』って状態だよね? その状態で……こういうことをするのって……なんか……やってることが、『オッサンが9番にやろうとしたコト』と変わりなくない?」


(まあ、広い視点で言えば、変わりないかもな、知らんけど)


「じゃあ、ダメじゃない?」


(俺に聞かれてもな。……別に、お前の好きにすればいいだろうが。触りたきゃ触ればいいし、やりたくなきゃ、やめればいい。てめぇの欲望を人にたずねるな)


「うぅ……」


 そこでボクは考えた。

 人生で一番考えた。

 17年+11年という、そこまで長くもないけど、短くもない人生の中で、

 間違いなく一番、頭を使った。

 そして、導きだした結論は、


「……腕なら……いいかな?」


(だから、俺に聞くなって。恥ずかしいバカだな)


「腕なら……いいはずだ……だって、腕だし。上腕二頭筋なんて、ただの水とたんぱく質だし。サラダチキンとかと大差ないし……」


(……まあ、お前がそう思うんなら、そうなんだろう。お前の中ではな)


「大丈夫だ……そうだよ……腕にタッチするなんて、ただのコミュニケーションだよ。欧米挨拶のハグとかと比べたら、腕に触れるなんて、もはや、触ってないのと一緒だよ」


 ボクは自分に言い聞かせながら、

 パリピーニャの右の上腕に、ソっと触れてみた。

 ふにゃりと、トロけるように柔らかかった。

 頭がおかしくなりそうだった。


「……ん」


 と、パリピーニャが艶のある小さな嬌声きょうせいを出したのに驚いて、


「うおっ」


 ボクは反射的に、手を離し、

 『額に浮かぶ汗』をぬぐいながら、


「はぁ……はぁ……すごいぞぉ……信じられない柔らかさだぁ……腕でコレだと、おっぱいだと、どうなるんだ……っ! 下手に触ろうものなら、指が爆発でもするんじゃなかろうか!」


 色々と暴走しているボクに対して、

 モンジンが、だいぶ冷めた視線を送っているのが分かった。


 見るな。

 今のボクを見るんじゃない。

 今のボクはボクであってボクじゃないんだ!

 だからボクは何も悪くないんだ!


「くっそぉ! さわりたい! おっぱいをさわりたい! けど、ダメだ! ここで触ったら、やっぱ、ダメだよぉ。催眠系のエロ同人みたいになっちゃうもん、これ! 胸糞になっちゃうよ、だめだよ! だめだめ……でも……くそぉおお! ダメだ……頭ではわかっているのに、体が抗えない……ボクは……ボクはなんて弱いんだ……くそ……ごめん……ボクは……ボクは……弱い!」


 ボクの手が、パリピーニャのおっぱいに触れそうになった……

 その直前で、

 スゥっとパリピーニャが消えてしまった。


 ……どうやら、ボクが『自分の弱さ』と葛藤している間に5分が経過してしまったらしい。

 なんてあっという間なんだ……

 5秒より短い5分だった……


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 ボクは、四つん這いになり、軽度の過呼吸になりながら、


「あ、あ、あ、ぁ、危なかった……ボクの理性が、あとちょっとだけ脆かったら……アウトだった……ギリギリだった……くそぉ、魔王め……まさか、こんな精神攻撃をしかけてくるとは……次、会った時、覚えていやがれ……次こそは……次こそはぁあっ」


(すがすがしいほど、キモいねぇ。……人間ってオモシロッ)






00000000000000000000

 名前『パリピーニャ』

 メインクラス『デストロイヤー』

       『殺龍鬼』

       『ガンスレイヤー』

 サブクラス 『チャンピオン』

       『エレメンタルマスター』

       『ナイトライダー』

 ・称号『豊麗の魔王』


 《レベル》     【380】

 [HP]      【155000】

 [MP]      【0】

 「攻撃力」     【1900】

 「魔法攻撃力」   【0】

 「防御力」     【530】

 「魔法防御力」   【320】

 「敏捷性」     【700】

 「耐性値」     【200】

 「魔力回復力」   【0】

 「反応速度」    【529】

11111111111111111111




 【第一章 完!!!】



【まず読んでいただいたことに感謝を<m(__)m>】

ちょっとでも楽しんでいただけましたでしょうか。


よろしければ、ブックマークと、↓の【☆☆☆☆☆】から、

評価を入れていただければ幸いです<m(__)m>


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
『マパネット』 あいぶるー れいぶんのしぐま ぱねっと 絶対性格悪いぞこの魔王。
面白いです! 全ての魔王が存在値500を超えているのなら、 この世界の平均存在値はかなり高そうですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ