50話 こ、こんなインフレ、見たことない!
50話 こ、こんなインフレ、見たことない!
「俺も実際に、この目で、あいつのポテンシャルが爆発したところを見たわけじゃないが……しかし、感じる。あいつからは、とんでもない威圧感を。ただの『キチ〇イ』ってだけじゃねぇ。あいつには、マジの芯がある。全力で殺さないと……世界が終わる」
そう言って、センは、心の中で、
(……5分で殺すには、圧倒的な力で圧殺するしかない。……開幕一撃で仕留める……か、もしくは、魔法かアイテムでゼンドートの行動を拘束し、5分間、ずっと、全力で殴り続ける……どれが最適だ? ゼンドートを殺すための最善手は……)
短い時間の中で、色々と悩んだ結果、
(考えるだけ無駄だな……決戦の日までに、できるだけ、神器を回収し、出力を底上げする……結局、それが最善。つーか、これが限界)
最善と向き合うや否や、
センは、
「さあ、帰るぞ。次は、お前らの専用装備品を回収しにいく」
★
2時間ほどかけて、
・『エグゾギア【魔王】』
・『エキドナの拷問剣』
・『死と隣り合わせのレミング』
の三つのアイテムを回収したセン。
1000年以上、ずっと誰もクリアできなかった難攻不落の超絶難易度ダンジョン『巨大都市ユウガの地下迷宮』を、たった2時間で3つもクリアしてしまった超人。
超人というか、もはや変態。
それがセンエース。
「……魔王特効シリーズのアイテム、思った以上にスペックが高いな」
魔王特効シリーズである『エキドナの拷問剣』も『死と隣り合わせのレミング』も、
【最魔王化(魔王と同等の肉体スペックを得る)】の魔法が使えるようになる、
というのが、最大の利点なわけだが、
その『最魔王化』の効果が、センの想像以上にハンパなかった。
「本来の魔王の強さである存在値500相当のスペックになるのかと思ったが……まさか、強化されたダンジョン魔王と同等のスペックになるとは……」
この巨大都市ユウガには、全部で100以上の地下迷宮が存在する。
その地下迷宮をクリアした数に応じて、ダンジョン魔王はどんどん強化されていく。
10個以上のダンジョンをクリアしている現時点で、ダンジョン魔王の強さは『900』にまで上昇している。
つまり、現状、『エキドナの拷問剣』や『死と隣り合わせのレミング』を装備した状態で、『最魔王化』を使った場合、3番と99番の存在値は900になるということ。
ちなみに、ここまでの道中で得た全ての経験値を『エグゾギア【魔王】』に全てぶちこみ、ゴリゴリに強化した結果、
現在、エグゾギア使用中のセンの存在値は、
――『6800万』になっている。