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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無事に五月病を乗り越えた君へ

作者: お前らみんな最低

 …苦しくても我慢して頑張ってきた哀れな君へ。

 おめでとう。君にはもう、君らしい幸せなんてないんだ。


 本当だよ。君は新しい環境に馴染もうと、自分を変えようと頑張ったのだから。

 『周囲の環境』という名の法律に従うことを決めたのだから。


 だから、君はもう、君なりに幸せを定義することは出来ないんだ。

 君の未来も、幸せも、君という存在の意義すらも、これからは全部周りが決めていくんだ。


 本当におめでとう。君は沢山の人に囲まれて、望んでもいない幸せの形を押し付けられて、豊かな生活を送ることが出来る。

 ただし、自分の心は寂しいまま。ぽっかり穴が空いたまま。

 それが、君が歯を食いしばって頑張った結果さ。



 逆に、ストレスに耐え切れなくなって、もう何もかもを投げ出してしまおうと決めちゃった君へ。

 もしくは、投げ出そうかと考えている君、既に投げ出しちゃった君へ。

 おめでとう。君は君を守ることが出来た。


 君は変化に耐え切れなかった。苦しみの伴う成長痛から逃げた。そして、君は幼いままでいることを決めた。

 君は、みんなが出来ることが出来なかった。みんなが通る道を歩めなかった。

 だから、君はこの先周囲から後ろ指を差される。

 ダメな奴だと。


 でも、君には周囲から冷ややかに見られようとも守りたいものがあったんだよね。


 分かるよ。

 君は、『君』を守りたかったんだよね。

 傷つきやすくて、頑張らなきゃダメなことを頑張れなくて、体力なんて微塵もない、

 そんな悲惨な体質の自分を大事にしたかったんだよね。


 でも、仕方ないよね。

 周囲は君のことを「楽ばかりして」と言うかもしれないけど、君は楽しか出来ない体質なんだもんね。


 もしかして、誰かに「みんな辛いのに耐えて頑張ってるんだよ?」って言われたりしたかな?

 でも、違うよね。そんな言葉が同情になるわけないよね。だって、辛いのに耐えられてる時点で、みんなと君は違う生き物だもんね。


 君は負けちゃった人間なんだもんね。

 もしかして、誰かに「根性ないね」って言われた?

 でも、落ち込まないでね。

 根性の有無で、人の優劣は決まらないよ。

 たとえ優劣が決まったとしても、君には君の幸せがある。


 君の手には、君が『周囲の環境』から必死に守り抜いた『君』があるんだ。君の心があるんだ。

 それは、何よりも尊いものなんだ。



 …けど、君にはもはやそれしかないんだ。


 だってそうでしょ?

 君は、自分勝手に周囲を裏切って、『君』だけを守る決断をしたのだから。

 情けなくて、根性ナシで、周囲に合わせようとしなかったクズの君にはもう、『君』以外の誰かを求める権利はない。


 だから、君はこの先ずっと独りで、最期は寂しく死ぬんだ。

 本当におめでとう、社会のゴミ。


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