妬み、羨み、愛したり
私には、双子の妹がいる。名前は飛花という。
彼女は、決して明るいわけでもなければ、特別、運動や勉強ができるわけではない。
だけど私は、そんな彼女が羨ましい。
彼女は、友人関係が広いわけではない、しかし、その関係の深さでいえば
誰にも負けないほどだ。
私は時折、彼女に酷いほど歪んだ何かを抱く。
『誰かの一番になれるなんて、ずるい。』
と、頭の中で繰り返す。
自分にはないものを持っている彼女が妬ましくてたまらない。
私には、双子の姉がいる。名前は遙花という。
彼女は、明るく、容姿端麗で、運動も勉強もできる、いわゆる「完璧」だ。
だから私は、そんな彼女が羨ましい。
彼女は、いつでも人に慕われ、周りには色んな人が集まり、その人望は
誰にも負けないだろう。
私は時折、彼女に苦しいほど歪んだ何かを抱く。
『あんなに愛されるなんて、ずるい。』
と、心の中で呟く。
自分にはないものを持っている彼女が妬ましくてたまらない。
私たちは、同じ屋根の下暮らしているのに、全く言葉を交わさない。
無意識下で起こる、嫉妬からだろうか。
そんな私たちに、ある時、母が言った。
「あなた達は、別々の素晴らしい取り柄を持っている。
遙花は愛嬌、飛花は優しさ。」
と。
こんな私たちに、ある時、父が言った。
「お前達は1人でも十分強いが、
2人になればもっと最強だ。」
と。
そして両親は2人で口を揃え、こう言った。
『妬み、羨みは、愛の裏返しだ。遙花の良いところも、飛花の良いところも、
互いが愛し合っているから、嫉妬が生まれる。』
と。
言っている意味がわからなかった。その時私たち姉妹は、久しぶりに顔を見合わせた。
6年前、飛花は何を考え過ごし、何を思って私に妬みを抱いていたのだろうか。
あの時、遙花は何を考え暮らし、何を思って私を羨んでいたのだろうか。
今ならわかる気がする。
遙花には、たった1人の大親友ができた。
私は、会社で慕われ、囲まれるようになった。
まだあの頃、彼女が考えていた、
「誰かの一番になりたい」
「みんなに囲まれて愛されたい」
と言う気持ちは自分にとって当たり前すぎてわからなかったが、
ようやく理解できた。
あの時の彼女がいなかったら、今の私はいなかっただろう。
妬んでた分、人一倍彼女見てきた。
これを愛情というのか、私達にはまだ理解できないが、
もう何も考える必要はないだろう、なぜなら、
『ひさびさ、最近どう?』
過去の妬みや羨みなんて今はもうどうでもいい、今はただ、彼女への
愛情と幸せが溢れているから。




