第6話 因縁の相手
「じゃあパーティを組もう!ちょうど良いと思ってたんだ」
「え?」俺とミーナが口を揃えて言う。
「どのみち僕たちもずっとこのままでは先には進めないし、人数はいた方が良いよ!」
「確かにな」
「で、でも私弱いですよ」
「そんなことは気にしなくていい。一緒に強くなれば良いんだ。」
そんなこんなでパーティを俺たちは組むことになった。
「じゃー僕はパーティ登録をしてくるから、パーティの事についてはミーナちゃんに聞いといて」と言いラルスは受付へと向かう。
「早速で悪いんだが、パーティ登録すると何か変わるのか?」
俺はミーナに尋ねる。
「はい。パーティを組むといくつか変わる事があります。まず、経験値の共有です。これは、パーティメンバーの誰かがモンスターを倒すなどにより経験値を得た時、同じ量の経験値が残りのパーティメンバーにも与えられるという事です。」
「なるほどな。」
つまり、俺が直接戦わなくてもラルスやミーナが倒したモンスターの経験値が俺にも入るってことか。しかも2倍。
ま、まぁ俺も戦うけど。
「次に、バフ効果の共有です。身体強化などのスキルはパーティメンバーであればそれを共有する事が出来ます。もう1つはパーティでしか受注できないクエストもあるのでそのためにパーティ組む人もいます。基本的なことはこの辺です。」
「色々あるんだな。ありがとうミーナ。」
「はい。」
「お待たせ!どう?大体パーティについては分かった?」
「あぁ。」
「よし!じゃあ今日はひとまず宿をとって休むとするか。と言っても僕は宿あるからケイン達の宿をとるって感じだね。」
「じゃ行くか。」
「ちょっと待てよ!」
俺たちが食堂を後にしようとした時突然後ろから声がした。
「ん?ラルスなんか言ったか?」
「いや、僕ではないね。あそこに物言いたげな子達が居るから。」とラルスの指を指す方向に4人の冒険者達がいた。
「俺たちに何か用か?」と尋ねる
「いや、お前らじゃない。そこの女に用がある。」とリーダーらしき男はミーナを指さす。
「知り合いかい?ミーナちゃん」
「は、はい。前のパーティメンバーです。」
「なるほどな。パーティを追放したのに生きていたから不思議に思って追ってきたのだろうな。」
ん?突然ウィンドウが開きメッセージが書かれていた。なんだこれ。新しいスキルを獲得したって俺はスキル石飲んでないぞ?そこには〘 新しいスキル:パワーハント〙の文字があった。
「とりあえず試してみるか。」
「さっさと女をこっちによこせ!」と男がミーナに斬りかかってくる。
「ラルス!一応ガードしてくれ。」
「分かった。何をする気か分からないけど」
ラルスが防御壁を張る。
「パワーハント!」
その瞬間キンッと音を立てる。
「ケイン、なんか手応えない気がするんだけど何した?」
ガードしてたラルスが尋ねてくる。
「多分そこの男がそろそろ教えてくれるよ」
「クソっ力が入らねぇ」
上手くいったみたいだ。パワーハント。対象のATKを自分に一定時間付与するというものらしい。おそらく吸収のスキルの派生か。にしてもほぼ強奪なのでは?
「そういう事か!パワーダウンさせたって事だね。」
「ちょっと違うな。こいつのパワーをそっくりそのまま俺が吸収させて頂いた。」ま、時間経てば戻るけど。
「な、なんだと?」男が声を荒らげて言う。
「だからもうやめろ。それにミーナは俺たちのパーティメンバーだ。」
「チッ。行くぞ」
男たちは不満そうにその場を去った。
「二度も助けて頂いてありがとうございます。」
「当然さ!もうキミは僕たちのパーティメンバーだからね。」
「じゃあ宿取り行くか。」
俺たちは宿屋へと向かった。途中で別の宿を取ってるというラルスとは一足先に解散した。
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