3 第四皇女の家族のこと。
今回は、私の家族を紹介するわね。
私が第四皇女ってことは、他にも少なくとも三人の皇女が居るってことは分かると思うけど、私のお父様が現在このグルノー皇国の皇王陛下。
私たち家族は、グルノー皇国の皇都レンファスにあるお城と、聖教会本部とに別れて暮らしています。(聖教会本部は、お城からは馬車で30分程の場所)
ヴィクトール・ドゥ・グルノー。40歳。属性は雷。
私のお父様。現グルノー皇国の皇王。
三年前に前皇王(私のお祖父様)からその地位を受け継いで、グルノー皇国の皇王になったばかり。
怒らせるとかなり怖いけれど、普段は家族に極甘のとっても優しい人。
背が高くて、銀髪翠眼の美丈夫と言われていて、お母様との結婚前はかなりモテモテだったそう。(←でもこれ本人談)
ジャンヌ・ドゥ・グルノー。38歳。属性は光。
私のお母様。レーヌ公爵家の三女。
上の二人のお姉様は属性が光では無かったため、三女のお母様が当時皇太子だったお父様の婚約者に選ばれたそう。
聖女候補ではあったけど、聖女にはなれなかったんですって。でも、お父様のことだから、もしお母様が聖女様になっていたとしても強引に結婚されたでしょうね。
おっとり美人。少しクセのある金髪。碧眼。
クロエ・ドゥ・グルノー。19歳。属性は光。
上のお姉様。グルノー皇国の第一皇女。
聖女でもある上のお姉様は、もうずっと聖教会本部で暮らしているので、たまにしかお会いすることは叶いません。
真っ直ぐな長くて美しい金髪で、線の細い儚げな美女。碧眼。
アデル・ドゥ・グルノー。15歳。属性は風。
中のお姉様。グルノー皇国の第二皇女。
光属性では無かったため、ずっと私と一緒にお城で暮らしているとても優しいお姉様。
お母様似のおっとり美人。少しクセのある銀髪。碧眼。
ラファエル・ドゥ・グルノー。12歳。属性は雷。
お兄様。グルノー皇国の第一皇子。
お父様にとても良く似た雰囲気だけど、怒った顔は見たことない。将来モテモテ間違い無し!(←ルイーズ談)
銀髪翠眼。優しくて、強くて、賢くて、カッコイイ、私の大好きなお兄様。
ヘンリエッタ・ドゥ・グルノー。10歳。属性は光。
下のお姉様。グルノー皇国の第三皇女。
6歳時の属性検査で光属性と判明し、現在は聖教会本部で暮らしている。この時お父様が娘を二人も取られることに反発して聖教会とかなり揉めたそうなのだけれど……。
結局は下のお姉様も聖教会へ。以来、お父様と聖教会は、あまり仲が宜しくないみたい。
上のお姉様と同じ真っ直ぐな長くて美しい金髪。でも健康的な美少女。翠眼。
順番的にはここに私が入ります!
ルイーズ・ドゥ・グルノー。8歳。属性は地(と思われる)
下のお姉様の件で聖教会に不信感を抱いているお父様は、私が検査前から既に “緑の手” の持ち主だと判明していたこともあって、私に聖教会での属性検査を受けさせなかったの。
この時もかなり聖教会と揉めたみたいだけど、教会も私の “緑の手” のことは認めているから、無理に検査を受けろとは言わなかったらしいわ。
お陰で私はこうしてお城で呑気に暮らせています。
ちなみに私の髪は、くるっくるふわっふわのくせっ毛。金髪碧眼。
ジョルジュ・ドゥ・グルノー。5歳。属性はまだ不明。
私より唯一年下の弟。グルノー皇国の第二皇子。
お母様に溺愛されているため、ちょっとばかり我儘な皇子様。
でも、そんなところもまあまあ可愛い。少しクセのある銀髪。碧眼。
アルフォンス・ドゥ・グルノー。65歳。属性は雷。
私のお祖父様。前の皇王陛下。
身体も声も大きい熊のようなお祖父様。でも、その見た目に反して、実はとても優しい人柄なんです。
三年前に突然「皇王位を息子に譲って今後は悠々自適な毎日を過ごす!」と宣言されて、今は各地をお祖母様と一緒に旅しています。
セシリア・ドゥ・グルノー。64歳。属性は光。
私のお祖母様。元ヴィンガル公爵家の長女。元聖女様。
お祖父様の幼馴染。当時は聖女様の人数が非常に多かったため、聖女の職を辞して、ずっと想い合っていたお祖父様と結婚。
ずっと仲良しの二人は、絵本のモデルにもなっています。
マリアンヌ・ドゥ・グルノー。43歳。属性は光。
私の伯母上様(お父様の姉、お祖父様の次女)
唯一の “白の手” の持ち主で、全聖教会に数いる聖女様の中の筆頭大聖女様。
魔力量も膨大で、一度に大勢への癒しも、広範囲へ結界を張ることも可能。
未婚。聖女様だからと言って結婚を禁じられてはいないらしいけれど、大聖女様ともなると忙しすぎて……。結果、婚期を逃す方も多いとか。
真っ直ぐな長くて美しい金髪で翠眼。年齢を重ねた今でも、その美しさは衰えることが無い! と言われている美女。
グレーテ・ドゥ・グルノー。36歳。属性は光。
私の叔母上様(お父様の妹、お祖父様の四女)
大聖女ではないものの、聖女のランクとしてはかなり上らしい。
こちらも大聖女様同様、未婚。
ある程度ランクの高い聖女様は、休暇が貰えるらしく、グレーテ様は休暇の度に王城にお帰りになられる。甘い物に目がない人懐っこい美人。銀髪碧眼。
お父様には、他にもお姉様がお二人いらっしゃるのだけれど、お二人は光属性では無かったので、既に結婚されて家庭に入られてます。
だから、私には3人の従兄弟と、8人の従姉妹が居ます。
もう気付いた方も居るかもしれないけれど、家族や親戚に女性が多いのは、何も皇家に限った話では無いのです。
この国は、どうしてだかはっきりとは分かっていないみたいだけれど、人口の75%近くが女性なの。
お父様の場合は、女子が4人で男子はお父様だけ。
私の場合は、女子が4人で、ジョルジュが生まれたから男子が一人増えて2人。
庶民のお宅も大体そんな感じみたい。
だからこの国には、メラニーのようにバリバリ働く女性は沢山居るわ。実際皇宮の調理場で働く殆どの料理人たちは女性だもの。
グルノー皇国は平和な国だし、魔獣被害も全く無いから、強くて戦える男性じゃ無いと駄目な職場は少ないのかも。
だから、国民の大多数が女性で、男性が少なくとも、然程皆は困っていないのかもしれないわね。
結婚をせずに人生を謳歌している人も多いらしいし、結婚に関して詳しいことは私にはまだよく分からないけど「幸せの形って人それぞれです」って私の音楽の先生も仰っていたわ。
ちなみにその先生もまだご結婚はされていません。
聞いた話では、この国とは反対に、男性の人数の方が圧倒的に多い国もあるらしいわ。
想像するに、きっと魔獣が沢山いたりして危険の多い国かも。絵本でも、そういう危険がいっぱいな国って出て来るし。
この国とは違って、きっとそういう国では、ハラハラドキドキの冒険が待っているのよ。
ちょっと憧れる、かも。
でもこんなことを考えていることは、お父様にもお兄様にも絶対に秘密よ!
「ルイーズ様。そろそろマナーの先生がお見えになるお時間ですわ」
「えっ、もうそんな時間?」
「はい。お召し替えをされませんと……」
「またお小言を頂いてしまうわね」
ジネットに手伝って貰って、楽な部屋着からドレスに着替える。
はあぁ。折角今から大好きな本でも読もうと思っていたのに……。
「そんなに嫌そうな顔をされたまま、あの先生の前に立たれては絶対に駄目ですよ!」
「……分かってます」
「先生が帰られたら、オヤツの時間ですからね。ルイーズ様、頑張って下さい!」
「今日のオヤツは何かしら? ジネットは何か聞いている?」
「いいえ。ですが、絶対に美味しい物で間違いありませんわ!」
ジネットも、すっかりメラニーの “赤の手” の虜のようです。
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