第三話 初めての戦闘
読んでくださりありがとうございます。
「お願いします。どうすればいいんですか?」
「モンスターがいなければ戦闘もできないしね。まずは僕のモンスターを貸してあげよう」
なんと、じゃあその鳥を貸してくれるのか? 手に入るわけではないからアレだけど結構興味があるぞ?
「はい、どうぞ。じゃとりあえず僕についてきてね」
『ルドルフから“歩兵ゴブリン“を受け取った』
デスヨネー。まあ、そんな気もしてたわ。ステータスはどうだろう。
――
歩兵ゴブリン lv.5
名前:りんりん 経験値:0/54
ランク:1
ステータス:体力15/15、SP5/5
ちから10、まりょく2、まもり4、はやさ4、うん1
アビリティ:鼓舞、威嚇、先制
装備:折れたナイフ
――
なるほど、近接タイプのアタッカーってとこかな? まあこの数値が高いのかは比較出来ないんだけどね。というか名前ついてるけど安直な名付けだな。てか名前つけなきゃいけないっぽいな。えぇ、俺名付けセンスないんよなぁ。悩むだろうなぁ。
「ここにかなりの数のモンスターが出るからね。ここなら仲間にしやすいんじゃないかな。それじゃ頑張ってね」
「ありがとうございます」
戦闘を手伝ってくれるわけじゃないんだね。まあなんとかなるか。これはどこかの洞窟なのかな?
そうジャロは思いながら目の前の洞窟へと歩みを進めた。
――
クルールの横穴
――
モンスターが居そうな気配がかなり漂っている気がする。このゲームはモンスターとランダムにエンカウントして戦闘が始まる。つまりエンカウントするまで何が出てくるかわからないのだが、さてどんな感じなのかな?
視界が急にブラックアウトするとモンスターが目の前に現れていた。
“ハイイロコウモリ lv.2“と左上の方に表示されたコウモリ型のモンスターが目の前に現れた。たいしてこちらはlv.5の歩兵ゴブリンだがレベル勝ちしている以上は恐らく勝てる戦いに違いない。さて戦闘はどんな感じなのかな?
この“モンスターコマンダー〜星降る夜と五つの国〜“ではターン制バトルが採用されている。そしてモンスターに指示を出すことで戦闘を行う。さあ歩兵ゴブリンにはどんな指示が出せるのだろうか。コマンドの選択肢は……と。
コマンド
通常攻撃◀︎
スキル
まもる
アイテム
いれかえ
おまかせ
にげる
なるほどこんなコマンドになっているんだな。じゃ、とりあえず通常攻撃でも打ちますか。
『ハイイロコウモリの粘液 りんりんのちからが少し下がった』
『りんりんの通常攻撃 ハイイロコウモリに5のダメージ』
ん? 今の粘液ってのは何だ? ちからが下がったとは一体? 通常攻撃を続けてみるか。
『ハイイロコウモリの粘液 りんりんのちからが少し下がった』
『りんりんの通常攻撃 ハイイロコウモリに3のダメージ』
しまった。恐らくこの粘液とかいう攻撃はデバフのスキルの類だな。体力は減ってはいないが、ちょっと戦闘がしんどいかもしれないぞ。それじゃあこっちもスキルを使ってみるか、こっちのスキルには何があるんたっけか。ええと……
この辺ちょっとややこしいのですが補足しておきますと、この世界においてスキルは戦闘などに使用可能な様々な効果を発揮する攻撃を含んだ特殊行動のことを指します。
対してアビリティはそのスキルを発動させるための能力のことを指します。またプレイヤーのスキルは基本的に常時発動しています。なのでプレイヤーに基本的にアビリティはつきません。