第三十四話 ギルドマスターの無茶ぶり
読んでくださりありがとうございます。ギルドマスターから無茶ぶりされたようです。中々豪快な性格なんですかね、ヴァルトプトルのギルドマスターは。
――
ギルド ヴァルトプトル支部
――
ここのギルドはディアノルトより大きいし、活気があるな。あそこの受付は多分服屋だな。そしてあれがクエストボードで受付はあそこかな?ちょっと並んで待っていよう。
「こちらギルド受付になります。何か御用ですか?」
「ええと、ディアノルトから来たんですけど、クエスト受注をするのに何か支障ってありますかね」
「……? ギルドカードをお持ちでしたら問題はありませんが……」
「これで良いですか?」
そう言うとジャロは恐る恐る受付にギルドカードを提示した。
「……、はい大丈夫です。ギルドカードはどの国も共通ですのでクエスト受注の際にはギルドカードを提示していただければ結構です」
「なるほど、わかりました」
「それからあなたはジャロ様ですね。グラッドより話を伺っております。ギルドマスターより伝達事項があるそうですのでしばらくギルドから出ずにお待ちください」
どうやら伝達事項があるようなので、クエストボードでも見ながら待つことにしようか。確かあの辺りに……、あったあった。
――
クエスト一覧
ゴブリン清掃 ☆2
ゴブリン5体以上討伐
報酬金:2100G
抜殻の納品 ☆3
甲虫の抜殻を納品する
報酬金:3500G
ビー・アーミーの討伐 ☆3
ビー・アーミーを討伐求む
報酬金:3200G
教会の清掃 ☆2
ヴァルトプトル南西の教会地下室の清掃活動
報酬金:2000G
戻る
1/1
――
へえ、やっぱり国が違えばクエストも違うもんだな。しかしこの国でも教会の地下室の清掃活動があるのか。教会の地下室はモンスターが蔓延る巣窟なのかもしれないな。とりあえずゴブリン清掃と、抜殻の納品クエストでもやってみようかな。
「ジャロってのはあんたでいいのかい?」
その声にジャロが振り返るとそこにはやや気の強そうな女性が立っていた。
「はい、ジャロは僕です。あなたがギルドマスターですか?」
「いかにも私がギルドマスターをしているカナリアだ、よろしく頼む。お前のことはグラッドから多少聞いている。まあここでも頑張ってくれれば私は助かる」
「よろしくお願いします。あの、ギルドランクが今☆2なんですけどあとどうすれば次のランクに上がりますか?」
「ギルドランク? ちょっと待ってな。もう受付にはギルドカードを提示してあるな?」
「え? あ、ハイ。さっき提示しました」
「なら話が早い」
そう言うとカナリアは手元の端末を操作し始めた。
「ふむ、あと☆2クエストが2回と☆3クエストが2回で条件は満たしているな。丁度いいじゃん。ここにあるクエストみんな受注してしまいな」
「え? 全部ですか?」
ちなみにギルドからクエストが無くなることはありません。別に誰がやっても問題ないですし何度も受注出来るクエストもあるのでシステム的には問題ありません。しかし特注クエストなるものが存在しており、その人しか受注出来ないパターンもあります。
ちなみにカナリアの年齢は不明です。レディーに年齢を聞いてはいけません。想像にお任せします。