第三百三十話 ラストバトル
読んでくださりありがとうございます。このゲームにおけるラストバトルの幕開けです。
土埃が晴れ現れたアトリエの姿は変わり果てていた。彼の胸から背中にかけて持っていた魔核の色をした杭のようなものが飛び出していた。どうやら先程注入された魔力により魔核とアトリエが同化したようである。
「……やはり人造モンスターの研究をしている時から薄々はお前の目的はこうなることなのではないか、とは思っていた……」
「ええ、最初からこうなることが目的でしたからね。良い気分ですよ、晴れてモンスターになった気分は」
そこまで言うとアトリエ、いやアトリエだったものはジャロの方に向き直った。
「……先程あなたに倒された二号機は、私が2番目に改造しその身に魔力を宿らせたものです。ですから二号機なのですよ。そして私が1番目に改造したのは、……私のこの肉体そのものです。言うなれば今の私はクレイマリオネットの原点にして起源! ……私をこれほどまでに追い詰めたコマンダージャロよ、あなたのその力に敬意を表しましょう。CM・起源型の力とくと見るが良い‼︎」
『CM・起源型 lv.40が現れた』
……まさか目の前でアトリエがモンスターになるとは思わなかったよ。しかもlv.40って今までのモンスターと格が違うな。……とはいえ相手は1体だけ、確実に削っていければなんとかなるはずだよ。
『CM・起源型の急所狙い CM・起源型は相手に照準を合わせた』
『アトラスの居合一閃 クリティカルヒット CM・起源型に合計55のダメージ』
……固いな。アトラスが一番ちからのステータスが高いんだけどね。……そして相手は急所狙いか。確かCM・偵察型がこのスキルを撃って来たんだっけ? 同じように先制乱射とかを撃って来られるとちょっと面倒だな。次の攻撃次第ではアトラスが倒されてしまうかもしれない。
『CM・起源型の砲撃【絶】 クリティカルヒット アトラスに148のダメージ』
『アトラスは倒れた』
……耐えきれなかったか。これは凄まじい火力だな。偵察型の急所狙いに加えて重砲型の砲撃【絶】も使ってきたってことは恐らく他のクレイマリオネットのスキルも撃って来るんだろうな。……まったく厄介がすぎる。……なるべく倒されないでダメージが稼げるのは……バットだな。上を取れていたら良いんだけど……。
『CM・起源型の狼牙【疾風】 バットに58のダメージ』
『バットの竜の炎 CM・起源型に56のダメージ CM・起源型は竜の炎にとらわれた』
『竜の炎が燃えさかっている CM・起源型に14のダメージ』
ここで先制攻撃か。……相手のはやさがまだ分からないのが辛いところだな。でもここは突っ張らせてもらおう。
『バットの竜の炎 CM・起源型に55のダメージ』
『CM・起源型の急所狙い CM・起源型は相手に照準を合わせた』
『竜の炎が燃えさかっている CM・起源型に14のダメージ』
もう一度急所狙いで来たか。……次砲撃【絶】が来たら確実にバットは倒されてしまうな。だけどかなりのダメージを負わせているはずだ。バットなら出来る! 竜の炎で決めろ‼︎
CM・起源型はこのゲームにおけるラスボスになります。ラスボスにふさわしく豊富なスキルと恵まれたステータスでジャロに襲い掛かってきます。一体ジャロはこの戦いで勝つことが出来るんでしょうか。