第三百二十三話 幹部はまだ残っている
読んでくださりありがとうございます。いよいよ地下へ行くようですがその前にまた足止めを食らってしまうようですね。
「……あの男の話が正しければ、この先の地下にアトリエがいるはずだよ。注意して進もうか」
2人が階段を降りて、その先を注意深く進んで行くと電子ロックがかかった扉が目に入って来た。城の景色からはやや似合わないその光景に少し驚いたが、どうやらこの扉をカードキーで開けるらしい。ビエラが渡して来たカードキーを使うとすぐに扉は開いた。
「……それじゃあこの先に進みま」
「待ちなさい!」
突然の声にジャロが驚いて振り返った。振り返った先に立っていた人物はゲッコウ団の面々と同じく全身黒い服装をしており、漆黒のブーツは一際目立っていた。
「あなた方がこの扉を見てどう反応するのか楽しみでしたが、どうやらカードキーを持っておいでのようで。……恐らくビエラから奪ったのでしょう、同じ幹部としてはやや情けないですねぇ」
……同じ幹部? 僕の記憶が正しければこいつは……、レイテントの幹部でゲッコウ団とは関係無いはずだよ?
「レイテント幹部のエンケさん……でしたっけ。……どうしてここに?」
「……おや?どうやらお気づきでないようですね。……レイテントは表向きは傭兵訓練所ですが、その実態は我らゲッコウ団の実働組織ですよ。つまり分かりやすく言えば……、レイテントもまたゲッコウ団だと言う事です。ご理解いただけましたか? ……まあ理解していただく必要は無いんですがね。……さてお喋りもここまでにしておきましょうか」
『ゲッコウ団幹部のエンケが勝負を仕掛けてきた。仲間モンスターは3体いるようだ』
『バーン・イーグル lv.30が現れた』
相手の仲間モンスターは3体か……。前回の時より増えているな。何が増えているかは分からないけどひとまず1体1体倒していきますか。
『バーン・イーグルの爆炎弾 アトラスに51のダメージ』
『アトラスの居合一閃 クリティカルヒット バーン・イーグルに合計75のダメージ』
……ちょっとダメージが不安だな。はやさで負けている分ダメージがやや心許ない。……ここは一つバットに入れ替えますか。
『アトラスとバットを入れ替えた』
『バーン・イーグルの爆炎弾 バットに37のダメージ』
相手の体力がどれだけあるか分からないし、竜の炎で確実に倒しに行こう。
『バットの竜の炎 バーン・イーグルに63のダメージ』
『バーン・イーグルを倒した 経験値をそれぞれ381手に入れた』
お、倒せたな。それじゃあ次だ。
『CM・野獣型 lv.30が現れた』
……これはまた厄介そうなモンスターがきたな。ビエラの時もそうだけど幹部はクレイマリオネットを1体は持っているものなのか? 野獣型ってのがどういうモンスターかは分からないけど、……戦うのしかないよね。
『CM・野獣型の狼牙【疾風】 バットに48のダメージ』
『バットの竜の炎 CM・野獣型に71のダメージ CM・野獣型は竜の炎にとらわれた』
『竜の炎が燃えさかっている CM・野獣型に18のダメージ』
おっと、狼牙【疾風】を使って来るのか。それなら上は取れないと考えた方が良いな。となると……、倒し切れないや。素直に回復しておこう。
『ジャロは上級ポーションを使った バットの体力が100回復した』
『CM・野獣型の狼牙【疾風】 バットに49のダメージ』
『竜の炎が燃えさかっている CM・野獣型に18のダメージ』
レイテントで幹部だったエンケはゲッコウ団でも幹部のようです。つまりゲッコウ団でオーナーだったハレーもまたゲッコウ団で幹部クラスの人であるということです。恐らく地下にて戦うことになりそうですね。アトリエの所に辿り着くのも一苦労です。