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第三百十二話 ここは牢獄。リダルフ牢獄

 読んでくださりありがとうございます。ジャロが捕まってしまいました。どうにかして牢獄から出ないといけません。


――

リダルフ牢獄

――


「おらぁ! ここに大人しく入っておけ!」


 荒々しくジャロは牢獄へ投げ入れられた。どうやらジャロに釈明の権利は無いようであった。ジャロは周囲を見渡した。およそ10メートル四方のコンクリートと檻で囲われて出来た空間に数人が鎖に繋がれながら座っていた。その人たちは顔こそ見れなかったがその手足は細く痩せ細っていた。人がいる場所とは到底思えないほどの環境であり牢獄である事実を否応なくジャロに突きつけた。


「……新入りだな。なぁにじきにここでの生活にも慣れるさ」


 1番近くにいた男が顔を上げジャロに向かって微笑んだ。しかしその笑みはそのやつれきった頬からの恐怖心を奪う程では無かった。


 ……やばいなこれは。進行不可能になっている訳じゃ無さそうだし、ここの人たちもちゃんと作られているところからシナリオ通りなんだろう。ただこの状況を打破するビジョンが微塵も湧かないや。とりあえず状況を整理するか。


「……すみません、ここはどこなんです?」


 ジャロのその問いはおかしなものだったのだろう。聞かれた男はジャロの顔をまじまじと見た後に大いに笑い出した。


「ここがどこかって? ここはリダルフ牢獄。ヴォルカパルスの自警団が管理する牢獄だよ。ここに入るってことは訳ありな奴が多い。真面目そうなあんたも何かしらやらかしたんだろうよ」


「何もしてませんよ。クエストの礼だとか言って受け取った物を渡した人が奪われたって言い出したんです。そしてよく分からないうちにこんなところまで連れて来られたんです」


「ほら、やっぱり訳ありだ。それはあんたが誰かしらに恨まれていたって事さ。つまり罠に嵌められたんだよ。ここはそんな奴ばっかり集められる。……あそこにいる男もそうだな。あいつは特別恨みを買ったらしい」


 そう言うと男は顎である男を示した。その男は檻の外にこそいれど両手を鎖で繋がれ大層殴られたのか血が流れていた。


「時々来る奴らに何度も殴られているのさ。そこまでする必要のある悪党にゃ見えないがね。お、誰か来たみてぇだ。大人しくしようぜ、お互いにな」


 誰か来たのか……。別に誰だって構わないけどね。……しかし何とかしてここから出られないかな。


「よう、そこのコマンダー。わざわざここへ来た甲斐があったか?」


 ジャロが見上げるとそこにはパイプを咥えた年老いた男が立っていたのである。彼の問いに答えることがジャロには出来なかった。何故ならヴォルカパルスに来た甲斐は何も無かったからである。


「だから行く必要なんてねぇって言ったんだよ。こんな牢獄に入っちまってどうすんだお前はよ」


「……どうする事も出来ないです」


「だろうな、まったくこんな所に何しに来たんだ。誰も聞いちゃいねえから俺に言ってみな」


「……ある人物を救出するために来ました。その為にまずは協力してくれる人を探すつもりでした」


「そうかい、人を救う為に来た人が捕まっちゃあ世話ないわな。協力してくれる人ってのはお前の知り合いか?」


 牢獄にいるジャロのもとに謎の男が現れました。まだ存在が謎の男ですが果たして彼はジャロの味方なんでしょうか。

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