第三百九話 いざヴォルカパルスへ
読んでくださりありがとうございます。とうとうヴォルカパルスに入国です。ヴォルカパルスでは何が待ち受けているんでしょうか。
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ヴォルカパルス
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関所を抜けたジャロは思わぬ光景に目を見開いた。ヴォルカパルスはかつての活火山だった場所を切り開いてつくられた国である。開発の成果なのだろうか北側一帯は森林が広がっているようである。山肌もところどころに見られるためかその森林はやや異彩を放っていた。
……ここがヴォルカパルスか。ここに来るまでの道も中々険しいものがあったけどところどころ山肌のようなものも見えるし、実質山みたいなものなんだろうな。それじゃあまずはダイガさんを探しに行こうか。
……その前に自警団とか言う人たちのところに行った方が良いのかな。関所で拒まれたように多分ここの人たちはコマンダー自体にそれほど良い印象は持ってないんだろうな。
自警団のところに自ら行くのは危険行為のように思うけど、行かずに行動するのも危険のような気がするんだよね。……そうだな、行くか。多分他の国で言うギルドに似たような建物なんだよね。……これかな? ええと、……“依頼はここ自警団まで“、合ってそうだな。
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自警団相談所
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……中はギルドと似た感じだな。見た感じコマンダーっぽい人は居なさそうだけど、……合っているのかな? とりあえず受付に並べばわかるか。
「こちら、自警団相談所だ。……見ない顔、それにコマンダーか。何か用か?」
受付の職員らしき人はジャロを一目見るとぶっきらぼうに答えた。コマンダーと気づく前からこの受け答えだったことを考えるにここではこれが通常なのだろう。何か用かと聞かれるとやや困ったジャロであったが素直に答える事にした。
「ええと、他の国から来たんですけど。他の国で言うところのギルドがここだと聞きまして」
「あぁ、ここに来るのが初めてなのか。道理で見ない顔だと思った。……コマンダーなのに良くここに来れたな。関所から何か言われなかったのか?」
「ええと、パイプを咥えた低い声の人に入れてもらいました。……やはりコマンダーではこの国には入れないんですか?」
男はやや考える顔をした後ジャロの方を向いて口を開いた。
「……君の話が本当ならあの人だな。なるほどそれなら合点がいった。歓迎しよう若きコマンダーよ。私はこの自警団の副団長であるソウガだ。よろしく頼むよ」
お、良かった。どうやら歓迎されたみたいだ。……うん? 副団長?
「ええと、……副団長なんですか?」
ジャロがそう尋ねるとソウガはにこりと笑った。
「あぁ、そうだ。ギルドと違って職員も少ないからな。……さてここに来るコマンダーと言う事で実力はまあ充分だとは思うが一応テストさせてくれ。なぁに簡単な事だ。ここにある依頼を一つこなしてきて貰いたい。健闘を祈っている」
依頼かぁ……、まあ達成出来たら晴れてここでも活動出来るみたいな感じかな。依頼内容を見てみようか。
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受注クエスト一覧
動く宝箱の調査 ☆6
場所:スレド砂漠(アムニスヴェーレ西部)、シャダル砂漠(アムニスヴェーレ東部)
目標:カース・ボックスの討伐(済)、金の宝箱の回収
報酬金:19000G
報酬あり
アリの女王現る ☆6
場所:スレド砂漠(アムニスヴェーレ西部)、シャダル砂漠(アムニスヴェーレ東部)
目標:クイーン・アントの討伐、キラー・アントの複数討伐(2/2済)、ロック・アントの複数討伐(4/5)
報酬金:27500G
報酬あり
自警団のすすめ ☆4
場所:ヴォルカパルス南東の教会
目標:ヴォルカパルス南東の教会の古井戸でのモンスター討伐
報酬金:8900G
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この自警団のすすめって言うのが達成するべき依頼ってことだね。古井戸でのモンスター討伐か……。モンスターの種類が分からないのがちょっと不気味ではあるけど、☆4クエストなら別に問題無く達成出来るんじゃないかな。それじゃあ行ってみよう。
どうやらヴォルカパルスでのコマンダーの扱いは良くないみたいですね。とはいえ☆6クエストをクリアしろと言っている訳ではなく、☆4クエストのようなので楽に達成できるかと思います。