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第二百七十八話 レイテント現オーナー

 読んでくださりありがとうございます。救出作戦は一旦成功という訳でここからどうするんでしょうか。


「さて、これからどうするかって話だよな。勿論俺らを救うために来てくれたんだから目的は達成されたことだしこのままこの王殿から遁走しても良いっちゃ良いんだが……。レイテントを潰すって言うところまで行くとなるとこの状況が一番美味しい訳だ。なぜなら俺らは今敵の本丸に侵入出来ているからな。……トリバ様でしたっけ? あなたはどうしたいんですか?」


「……私が決めて良いものかは分からないが。……出来る事ならこの組織を、……父の仇討ちのためにも、そしてこの国の未来のためにも潰したいと考えている」


「その方が良いかと思いますな。この組織は闇を抱えています。その闇はこの光の国には相応しくない」


「ええと、すいません。……レイテントを潰すと言いますと一体どう言う方法でやるんですか?」


「おいおい、肝心の要がそんなんでどうするよ。今からレイテントのオーナーでありムーロサッケル国王のハレーに突撃をかけるんだよ。確かハレーって奴はコマンダーだったはずだからお前が戦闘するんだぜ?」


 ……マジ? つまり今から僕はレイテントのオーナーに勝負を仕掛けに行くって事か。……勝てるかなぁ。


「ジャロ、私からも頼みます。この国のために戦ってください!」


 そう言われると断れないよな。……勝てる自信はあんまり無いんだけどね。


「頑張りますけど、期待しないでくださいね」


「さっきの戦闘を見る限り大丈夫そうではあるけどな。それじゃあ王座を目指すとしようか。トリバ様、案内していただけますか?」


 一行はトリバを先頭にし国王がいる場所へ向かうようであった。地下牢から出てきた事が報告により伝わっていたのだろうか。王様の部屋への道にレイテントらしきものの人影は一切見当たらなかった。そのため一行は誰にも邪魔される事なく王様の部屋へと辿り着いたのである。


 重厚感と威圧感を感じる扉を開けたその中にはあらゆる宝石や装飾品があしらわれた玉座に若き男性が座っていた。恐らくこの人物がハレーなのだろう。


「……ようこそで良いのかな。はじめまして私の名はハレーと言う。亡きビリジオ妃に代わってこの国の王となっている。部下からは君たちの報告を聞いているよ。孤児を連れたコマンダーが地下牢へ乗り込んで来たとね。だからファトーレを送り込んだんだが……どうも失敗したようだね」


 ペラペラとよく喋る男だな。国王になったって言うからもっと威厳とかあるのかと思ったけどそうでもないね。


「貴様の言うファトーレはジャロが打ちのめしたさ」


 マバロのその言葉にハレーは驚くだろうと思っていたが、その意に反して全くハレーはリアクションを見せなかった。まるでそれを既に知っていたかのように。


「ふぅん、……まあそれは事実だろうね。何しろ部下からファトーレの生体反応が消えたとも報告を受けたからね。……アイツを倒してここまで来るとは中々厄介なようだ。ところで地下牢にいたオリヴィア、ウィーノ、マバロそして地下牢へ乗り込んで来たコマンダーのジャロまでは知っているんだけど……。そこの少年は誰かな?」


「この方はこの国の正当な後継者だ。陰謀で王となった貴様とは違う。」


 このウィーノの言葉にようやくハレーは感情の変化をわずかに見せた。しかしそれは一瞬の出来事ですぐにもとの表情へ戻った。少し考えて結論に達したようだ。


「正当な後継者ねぇ。……見たところ年は10かそこら、……! なるほど取り逃したトリバとか言う子どもか。そしてそこの2人は我々がどのような事をして王へと上り詰めたのかを知っていて、そこの男は我々が既存の組織を乗っ取り作った事実を知るものだ。そして我々を事あるごとに苦しめたコマンダーも揃っていると。……ふふなるほどこれは私にとっては万事休すと言う訳か」


 ハレーは自ら万事休すと言ったがその表情に悲観も諦観も微塵も感じられなかった。むしろその表情は自らに降りかかった危機を楽しんでいるかのようにさえ思われた。


 さてついにレイテントのオーナーであるハレーとの邂逅です。陰謀にまみれた組織のトップにしては良く喋る男のようですね。それはジャロも感じているようです。しかしやはりという訳か頭はまわるようですね。

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