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第二百六十九話 潜入大作戦決行⁉︎

 読んでくださりありがとうございます。ついにムーロサッケルの王殿へ潜入するようです。


「私だけ入るならそこらの隙間から入り込むんだけどね。まあジャロもいる事だし鍵を開けますかね」


「……え? 隙間から入り込もうとしていたのか?」


「この扉は結構重いから何かしら大きな音が出そうだからね。まあ慎重に閉めれば大丈夫、きっとバレやしないさ」


 そう言うとトリバは扉の鍵を慎重に開けた。2人とも中へ入るとトリバはまた慎重に扉を閉めて内鍵をかけた。どうやらこの扉は内鍵を使うと簡単に開けられそうである。しかも扉は大きめの網目のようになっておりそれこそトリバくらいの大きさの人ならば通り抜けられそうであるため、外から内鍵を開ける事も可能なように思われた。


「……これ内鍵を外から開けられそうだけど、……セキュリティ的に大丈夫なの?」


「その点は大丈夫だよ。まあ……この扉にセキュリティの必要性はあまりないんだけど、基本的に鍵がかかる扉の内鍵近くの隙間には所狭しと電流が流れるように罠が仕掛けてあるんだ。……お兄さん、試しに触ってみますか?」


「……いや、電流は食らいたくない」


 ジャロがそう即答するとトリバは微笑みながら王殿へと進んで行った。



 その頃王殿警護管理室では……。


 ここ王殿警護管理室では王殿で活動している人間を簡易的に点で示す事によりどう言う行動をしているか分析していた。元々は侵入者のために作られたプログラムをレイテントが改良しレイテント所属の人とそれ以外を判別する代物なのである。


 しかし現在はほとんどレイテント所属の人しか王殿に居ないので現在は専らサボっている人を調べるためにしか使われる事が無かった。しかも取り立ててサボってしまうような人は少ないためそれすら必要性を失いつつあった。


 暇そうに映し出された画面を眺めている男がある事に気づき上官を呼んだ。


「……あれ? 上官! ここ見てください。レイテントと関係ない人が王殿を歩いてますよ? 客でも来たんです?」


「……客? さあな、客が来るとは聞いてねぇが……。お前が言っているのはその2人組か? そいつらならどうせすぐ進めなくなるだろうよ。あの辺りは鍵付きの扉が何個か点在しているからハレー様くらいしか自由に行き来出来ねぇよ」


「うーん、でもこの2人組さっきから一定の速度で動いてますよ? 扉を開けながら進んでいるんじゃないですか?」


「ほう……? それじゃあ招いていないお客さんかもしれねぇな。引き続き見張っておけ、多分そいつらは地下牢へ向かうはずだ。俺はハレー様に報告しに行く」


「了解しました!」


 思ったより速攻で潜入がバレてますね。これなら正面から入ってもさほど差がなさそうですがそんな状況をジャロたちは知りません。さてどうなることやら。

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