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第二百六十八話 秘密の抜け道

 読んでくださりありがとうございます。王殿へウィーノを救出しに行くようです。まずはばれないように潜入ですね。


 おぉ、……怒っているトリバを初めて見た気がするな。トリバも一緒に行くってのは止めた方が良いんだろうけどキーパーソンのような気もするから迷うんだよね。


「……これが役に立つ日が来るとは思わなかったな」


 そう言うとトリバはやや大きめのネックレスと小さく折り畳まれた機械を取り出した。子どものアクセサリーにしては大きな物だなとジャロが見ているとトリバはそのネックレスの下半分を取り外した。


「ジャロが見ても分かるかな。このネックレスは上半分と下半分とに取り外しが出来るんだ。似たようなものを王族は全員持たされるんだ。そして取り外しが出来る事は王族しか知らない秘密だよ。王族以外だと今ならジャロしか知らないはずだよ。そして王殿にある扉の内、鍵がかかっている所はこれで全部開ける事が出来る」


 ジャロはトリバの持つネックレスをまじまじと見た。確かに取り外された上半分には精巧に出来た鍵のようなものがついていた。


「へぇ、マスターキーみたいなものなんですね」


「そう言う事だよ。それじゃあすぐに王殿へ向かいますか。……と言っても王殿の裏口から入るのも危険だろう、多分門番もいるだろうし。だから秘密の抜け道から王殿へ入るとしましょう、ついて来てください」


 そう言うとトリバは王殿へ向かって歩き始めた。しばらく歩いて王殿近くの空き家に差し掛かるとトリバはその空き家に入っていった。


「……あのートリバ、この道で合ってるの?」


「はは、合ってるよ。言ったじゃないか秘密の抜け道に行くって。ほら、そこに掛け軸が掛けてあるでしょう? そこから王殿へ入るんだ」


 そう言うとトリバは空き家に掛けてある掛け軸を取り外し始めた。不思議そうにジャロがその様子を見ているとどうやら掛け軸の裏に仕掛けがあるようである。木でできた板の右部分に引っ掛けるフックのような物がついており、トリバはそのフックを使ってドアを開けるように掛け軸の裏の秘密の扉を開けた。その扉の先には下へ降りる階段が続いて行った。


「こ、これが秘密の抜け道ですか!」


「そう、これがそうさ。私がここを通るのは2度目になるな。ジャロ危ないからこれを持っていてよ、それがあると下がよく見えるんだ」


 トリバは機械を手際良く組み立てるとそこへ灯りを灯した。どうやら簡易的に組み立てられるランタンのようである。ジャロはそれをトリバから受け取るとトリバに尋ねた。


「2度目と言うと……、王族を飛び出した時で?」


「そうさ、まっすぐ飛び出せば門番に止められるからね。それじゃあついてきてよ」


 トリバが以前王殿を飛び出した時の道で今度は潜入するようです。しかし簡易的に組み立てられるランタンを持っているなんて中々にトリバは準備が良いですね。

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