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第二百五十六話 伝えられた現状

 読んでくださりありがとうございます。ジャロはアムニスヴェーレに足早に戻るようです。早く手紙をスートに届けねばなりませんね。


――

アムニスヴェーレ

――


 アムニスヴェーレへと帰還したジャロはその足で足早に傭兵訓練所カードへと向かった。勿論アグエラからの手紙をなるべく早く届けるためである。勝手口の扉を勢いよく開けるとそのまま奥の部屋へ直行しようとした。そんなジャロを呼び止める声が後ろからしていた。


「……い。おい! 待てって。……やっと追いついた。オーナーに用があるんだろ? オーナーなら今居ないんだ。だから奥の部屋へそんなに急いで行く必要はねぇよ」


「ならスートさんは今どこに? まさか行き先が分からないなんて事はないでしょう?」


「オーナーは今王殿だ。そこでされている話に俺らが首を突っ込む事は出来ない」


 なるほど、王殿にスートさんはいるんだな。……王殿か。だとしたらその中でしている話はムーロサッケルとの戦争の話じゃないか? なら急がなきゃ。


 グリオが止めるのも聞かずにジャロは踵を返すと王殿へと急いだのであった。


――

王殿アムニスヴェーレ

――


「……では、国王様はやはり戦争は避けられないとのお考えで?」


「そうだ。あの野蛮な集団がこれ以上勢力を伸ばすのは危険であると判断している。つまり……、外が騒がしいな。おい、アリエテよ。少し外を見てきなさい。何やら騒がしい」


「かしこまりました」


 アリエテがウェザリア四世に命じられ外の様子を見て来ようとしたのと、息を切らしながらジャロが部屋へ突入するのはほぼ同時の事であった。


「ジャロ⁈ そんなに急いでどうしたんだ。出来るだけ早くとは言ったがそこまで急ぐことはないだろう!」


「おや君は、確か……ジャロと言ったか? 以前ダリアが世話になったな」


「国王様、その節は大変お世話になりました。スートさんアグエラさんより急ぎの手紙です。出来るだけ早くとの事でここまで押しかけました」


「しかし僕は今国王様と機密事項の話をしているところで……」


「別に私は構わない。それに彼は戦争をするかもしれない事は知っている。……だからスート、君がそれを気にする事はない」


「……それでしたら良いのですが」


 やや納得がいかなそうな顔をしながらもスートはジャロから紙の束を受け取り一瞥するとすぐに顔の色を変えた。


「……これは……。国王様、やはり戦争を始めるのはしばし待たれた方がよろしいかと思います」


「ふむ? その紙の束に何が書いてあるんだ? ……失礼。……なんと!」


 スートから紙の束を受け取るとそこに書いてある文字にさっと目を通した。そこにはムーロサッケルで国王であったビリジオ妃が暗殺され次の王にはある人物がつくであろう事が記されていた。


「やはりここまで奴らの勢力は広がっていたのか……。ならばレイテントの壊滅はムーロサッケルの壊滅と同義となったと言う訳だな」


「国王様、恐れながら申し上げます。その紙の束をさらに読み進めてもらえませんか?」


「さらに先に読み進めよ……だと? ……これは! つまり奴らは既に竜すら手中に収めていると言うかもしれないのか!」


 竜……? 竜を手中に収めるってどう言うことだ?



 さて、竜を手中に収めるとはどう言う意味でしょうか?

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