第二百四十八話 宵闇の解剖刀
読んでくださりありがとうございます。ガウロ霊園……。一体どんな場所でしょうか。
……ガウロ霊園? どこだそれ。
「ガウロ霊園はムーロサッケルの北西部にある。分からなけりゃ人に聞いて行くんだな。そこにアガサ・トーレスという男の墓がある。3mはある立派な墓だ、すぐに見つけられるはずだ。そこに俺が以前供えた“宵闇の解剖刀“があるはずだ。無ければ手ぶらで戻って来い」
「はぁ、とりあえずそのアガサ・トーレスさんの墓に行ってきたら良いんですね」
「そうだ。あまり目立つなよ? そしてすぐに帰って来い。分かったら行け」
何の事だかさっぱりわからないけど後で説明してくれるのかな? まあとりあえず頼まれた事はやろうか。……しかしこれいつになったらアグエラさんの返事をスートさんへ持って帰れるんだろう?
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ガウロ霊園
――
……ここかな? 今が明るい時間帯で良かったよ。もし暗かったらこんな場所絶対行きたくないや。
『ガイスト lv.19が現れた』
……おっと? ここってモンスターにエンカウントするんだ? ……墓参りに来る人は大変だろうな。
『ユカリの毒匕首 ガイストに21のダメージ ガイストは毒になった』
『ガイストの念動 ユカリに18のダメージ』
『ガイストは毒におかされている ガイストに6のダメージ』
うん、結構ダメージは通るな。それじゃあもう一回撃ちますか。
『ユカリの毒匕首 ガイストに20のダメージ』
『ガイストの念動 ユカリに19のダメージ』
『ガイストは毒におかされている ガイストに6のダメージ』
次で終わりかな。毒牙で倒しましょうか。
『ユカリの毒牙 ガイストに17のダメージ』
『ガイストは倒れた 経験値を354手に入れた』
良し、倒したな。しかしモンスターが出てくるとは予想外だったわ。今ユカリのSPは心許ないからアトラスに入れ替えておこうか。……マバロさんが言っていたお墓はここかな? 似たような墓が隣にもあるけど隣の方が立派だな。……ええと、……アルファ・トーレスさんがここに眠っているのか。それじゃあ違う人だな。家名は同じみたいだから隣のお墓がマバロさんが言っていた人のお墓だな。
……しかしあれだな、墓石は古そうではあるんだがお墓自体は新しい方なのかな? 最近作ったみたいな土をしているな。……気のせいかな。
さて、……ええと、……アガサ・トーレスと。うん、ここだ。……でも言っていた解剖刀は供えられては無さそうだな。解剖刀っていうか何も供えられていないな。
……こんなことをしていたら何だか墓荒らしに来たみたいで嫌だな。まあ無ければそれで良いみたいだしギルドへ戻りますか。お騒がせしました。
それじゃあすぐにギルドへ戻りますか。……イベント戦? こんな場所で? ……まあ良いか。
『宵闇の解剖刀を手に入れた』
……あ、イベント戦じゃなかったか。これマバロさんが言っていた物だよね。お墓に供えてあるって言っていたけどそれが何でこんなお墓から離れた場所で見つかるんだろうな? まあ見つかったんだし良しとしますか。
――
ギルド ムーロサッケル支部
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ジャロがギルドの扉を開けると話し込んでいたらしいマバロとウィーノがこちらへ振り返った。どうやら思っていたより早く帰ってきたようで少し2人は驚いた顔をしていた。
「貴殿がもう戻って来られるとは思いませんでしたな。して首尾はいかほどで?」
「ええと、お墓には供えられてなかったんですが、帰り道で言われた物は見つけました。……これですよね?」
意外とあっさり見つけましたね。しかしアガサ・トーレスの墓には供えられてはいませんでした。まあ見つかったんだし良しとしますか。