第二十話 激闘ウプウアウト
読んでくださりありがとうございます。冥狼ウプウアウト戦開始です。名前がもう強そうですね。果たして勝てるのでしょうか。
『冥狼 ウプウアウト lv.??が現れた』
『ウプウアウトの咆哮 ウプウアウトのちからが少し上がった バットのまもりが少し下がった』
『バットの魔弾【闇】 ウプウアウトに10のダメージ』
いやレベル表記バグってません? 出てないじゃないの。しかも魔弾でこのダメージってことは勝てるっていう見込みは確実に無い訳だ。恐らく次の攻撃でこっちはやられるんじゃないか?
『グラッドが参戦した』
「やっぱり戦闘してるじゃないか。さっき報告があったからお前が巻き込まれてると思って飛んで来たのに間に合わなかったか」
「グラッドさん。来てくれたのは嬉しいんですけど詰み状態ですよ? どうすればいいんです?」
「こんな相手勝てる訳がない。全力で逃げるぞ。俺らは命あっての物種だ」
[こんな相手とは随分な物言いだな。逃がしはしないぞ? 人間が一人増えたところで然程変わることもあるまいに]
「あ? こっちの言葉が通じてるのかよ。ってことは☆6オーバー確定じゃねーか。しかし、悪いが逃げさせてもらう。一応ギルドの代表背負ってるもんでね、ギルドの一員一人守れないんじゃ格好がつかんってもんよ。ケルベロス‼︎ 頼むぞ」
『ウプウアウトの遠吠 ウプウアウトのちから、はやさが少し上がった』
『ケルベロスの暗躍 味方全体に暗闇が立ち込めた』
『バットは逃げる準備をしている』
『ウプウアウトの通常攻撃 ケルベロスに175のダメージ』
『ケルベロスは倒れた』
『バットの逃げる しかし敵に回り込まれた』
[言っただろう? 逃しはしない。我が縄張りを荒らした罪を悔やむがよい]
『ウプウアウトの魔爪【闇】 バットに245のダメージ』
『バットは倒れた』
『――、味方が全滅した ジャロたちは気を失った』
[……、なるほどこの程度か。ならば縄張りを荒らしたのはこやつではないな。逃がした奴も恐らくは違う。もっと別の存在がいるな? ……ふふ、とすればこやつは疑われながら堂々と振る舞っていたようだ。詫びてやる他あるまい……]
そうウプウアウトは結論づけ気を失った二人を背に乗せ森の入り口近くに置き、立ち去った。ジャロの手には小さな紫色の宝石が握られていた。
『冥狼の証を手に入れた』
「……大丈夫ですか? あぁよかった、気がついた。大丈夫ですか?」
「なんとか大丈夫です。グラッドさんは?」
「先程復活されました。そいつをよろしくと、とりあえずギルドに行きましょうか?」
――
ギルド ディアノルト支部
――
ギルドへ着くと手前のテーブルに何やら書類を見ながら難しい顔をしているグラッドの姿があった。
あ、あっさりと負けましたね。お察しの通りこれは負けイベントです。なのでペナルティはありません。ちなみに戦闘で敗北した場合最近立ち寄ったギルドまで連れていかれる仕組みになっています。
グラッドさん颯爽と助けに来て負けましたね。損な立ち回りにはなりましたが彼はちゃんと強いです。安心してください。