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第二百十九話 アムニスヴェーレへ帰還す

 読んでくださりありがとうございます。さてあとは報告するだけですね。


――

アムニスヴェーレ

――


 ふぅ、アムニスヴェーレに帰って来たぞ。なんだろうな結構色んな事がムーロサッケルであったからかアムニスヴェーレが不思議と懐かしい気がするな。


「さあ、疲れているだろうが、もうひと踏ん張りだ。オレらが手に入れた情報を報告するまでがオーナーの指令だからな」


 そう言うとグリオはカードの扉を大きく開けた。あまりこう言う風に入り口を開ける人が少ないのだろうか。先にアムニスヴェーレへ到着していたらしいマルコがやや大きめのリアクションを取っていた。


「なんだ、グリオか。びっくりさせるんじゃないよ。その扉の開け方やめろっていつも言っているだろうが。そんな開け方をする奴はお前か取り締まりの役人くらいだ」


「別に扉くらい好きに開けたって良いだろうよ。マルコ、オーナーはどこだ?」


「良くないから言ってんだがな……。オーナーなら奥の部屋だ。ジャロも一緒のところを見ると今帰って来たのか? お前ら以外全員帰って来てるぞ」


「っかぁ、なんだよ最後尾だったのか。結構急いだのによぉ」


 グリオが自分が最後尾である事を知り悔しがっていると奥の部屋の扉が開きスートが姿を見せた。スートはジャロとグリオの顔を見ると少し驚いた顔をした。


「何をびっくりしてんですかオーナー。今更のこのこ帰って来た事でも驚いたんですかい? オレらは手際良く帰って来たと思っていたけど最後尾だとは思っちゃ無かったですよ」


「いや、逆だ。君らには少し時間がかかる指令だったから最後尾になる事は想定内の事だし別にそれを悔やむ必要は微塵も無い。むしろ君らの帰還は早い方だ。あと2日くらいはかかるだろうと思っていた。まさかもう帰って来るとはな。よし、報告はゆっくり聞くとしよう。部屋に入って待っていてくれ」


「なんだ早い方か。それを早く言っておいて下さいよオーナー。オレはてっきり大遅刻かと思ってちょっと焦っていましたよ。これから外へ出るんですか?」


「あぁ、ちょっと確認する事があってな。ふふ、焦った顔をしてない癖によく言うぜ。それじゃあ部屋で待っていてくれ。すぐに戻る」


 スートはやや駆け足でカードを飛び出して行った。その様子を見て何かあったのではとジャロは心配になったがグリオは特に気にせず奥の部屋に入ると戸棚を開けて何やら物色し始めたのである。


「ちょっと、グリオさん。何してるんです? そんなの勝手にして良いんですか?」


「うん? 良いに決まってるだろう。少しの間とは言え待つのに何の飲み物も無いのはオレには無理だ。なにこの部屋は何度か来てるから物のありかぐらいは把握してるさ。紅茶は飲めるか?」


「はぁ、紅茶は好きですが……」


「茶菓子は無い。そんな洒落たもんこんなところには無い。紅茶があるだけマシだと思ってくれ」


 そう言うとグリオは色んな場所の戸棚を開けていそいそと準備を始めた。カップにポットのお湯を注いでいる途中で扉がノックされ開いた。グリオがスートに怒られるのでは内心穏やかではなく思っていると入って来たのはスートでは無くマルコであった。


 どうやらジャロたちは割と時間がかかることをやっていたようですね。想定より早い帰還にスートは少し驚いているようです。部屋で待つよう言われましたがどうにもグリオは何かしらを飲みたいようですね。まあ怒られないなら何でも良いんですが。

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