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第二百十六話 女王が誕生するまで

 読んでくださりありがとうございます。アグエラは結構物知りのようでなんでも教えてくれるようですね。


 なるほど、迂闊に魔導士絡みの話は出来ないって事だな。しかしレイテントのトップがコマンダーを嫌っているとは知らなかったな。それなのにどうしてレイテントにはコマンダーが居るんだろう? それにその考えがムーロサッケルの国王と同じ考えだとは……道理でレイテントが躍進した訳だ。


「アグエラさんよ、ついでにで悪いがこの国でレイテントに属して居ない傭兵っているのかい?」


「属していない……と言いますと野良の傭兵と言う事になりますな。探すにしてもこの国で酒場を探すよりも難しいでしょうね。なにしろ数が少ないですから。私のように引退した者ならそれなりに居ますがね」


 レイテントに属していない傭兵を探すのは難しいって訳だな。……待てよ引退してても傭兵は傭兵なんじゃないか?


「グリオさん、アグエラさんも野良の傭兵と同じようなものでは? そもそも傭兵を見つけたとして何か依頼をする訳でもないですし」


「オレもそれを考えていた。……バレなきゃ良いか。なぁ、アグエラさん。さっきの話みたいにちょいとオレたちにこの国の実情を聞かせてくれないかい?」


「おや、私で良いならお話しますが。……そうですね、レイテントの発足当時の話をしましょうか。レイテントが出来る数日前に国王様が亡くなられたのです。国王様は腎臓を悪くされていましてね。それはそれは皆が悲しみました。しかも国王様には世継ぎこそおられましたがまだ乳飲み子でしたから国王とする訳にはいきませんでした。王子様はトリバ様というお名前でして、そのトリバ様が立派に成長なさるまでの間という話で国王様の王妃が女王として君臨なさったのです。そしてレイテントが発足しました」


「へぇ、そんなタイミングだったのか。それなら最初の動きさえ間違えなければレイテントが覇権を握るのも訳ないことだな」


「ええ、レイテントは亡き国王様の遺志を継がれる女王陛下をお守りするため立ち上がった。そう声高に叫び国民の支持を得ました。しかしレイテントにも誤算だったのでしょう、トリバ様が流行病で亡くなられたのです。これもまたそれはそれは皆が悲しみました。しかしいつまでも悲しんでいる訳にもございませんから女王はレイテントのトップを重臣に据え今におきましてもこの国を引っ張っているのでございます」


 ……なんだか壮絶な話だな。しかし今アグエラさんはレイテントのトップを重臣に据えって言ったよね? ますますレイテントが躍進することが明白だな。しかしそんな事出来るのか? この話が本当ならレイテントはかなり運が良かったってことか?


「うーん、オレはちょっと分かんねぇな。いや流れは分かったんだがよ。レイテントのトップが重臣になるくだりが急すぎて理解出来ん。そもそもその段階だとレイテントはただの新興の傭兵訓練所のはずだろう?」


 中々すごい話ですね。レイテントのトップが重臣に据えられているというのは結構異常な事態です。その辺りをグリオも理解できないようですね。

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