第十八話 軍曹ゴブリンを探して
読んでくださりありがとうございます。この話でヴァンパイア・リトルのことを詳しく説明しようかと思いましたが、流れ的に違和感があったのでやめておきます。次の更新のタイミングでライブラリ回にでも書きますね。
「そうだね、☆2のモンスター自体は珍しくない。むしろありふれてると言っていい。ただこのヴァンパイア・リトルはヴァンパイア系列になるんだが、ヴァンパイア系列を仲間に出来た記録がなく未知の領域なんだよ。ところでもしかしてまだ他のモンスターを仲間にしてないのかい?」
「そうですね、仲間にならなかったんで仕方ないです。」
「ヴァンパイア系列は特定の種族を眷属にしてることが多いからね。もしかすると仲間モンスターが進化に関わっているのかもしれない。うーむ仲間がいない方がいいのか……? それとも特定の種族で固める必要があるのか……?」
ロンドールは呟きながら考えをまとめているようだ。研究者の性なのだろうか? かなり集中しているようである。
「えっと……、どうすれば?」
「こうなったらあんまりコイツに喋りかけても反応しないぜ? 没頭しちまうからこそこんな研究所で研究してるんだからな」
「ギルドマスター、休憩時間長いんですね」
「帰ってもそんなに仕事ないからなぁ。そういやお前今どのクエスト受けてるんだ? 見せてみろ」
「今はこんな感じですね」
「ほう、軍曹ゴブリン……ってことはゴブリンの森か。コイツのことは放っておいていいからそのクエスト行ってこいよ。それクリアしてギルド寄る頃にはクエスト達成出来てるようにしとくからよ」
「わかりました。じゃ行きますね。ゴブリンの森というのはどこなんです? 聞いたことないんですけど。」
「この国の北東にある門から出た先の森だよ。ウージリの森って言うんだけど、ゴブリン系統ばっかり出るからゴブリンの森って呼ばれてるんだよ。じゃ行ってこい」
――
ディアノルト国 北東関所
――
「こちら北東関所になります。狩りにでも行かれるので?」
「あ、そうです。ちょっと森まで」
「そうですか、それではお気をつけて」
「ありがとうございます」
関所も結構しっかりしているんだな。ええとこの先の森って言ってたけど今回はあんまり深追いせずにいきますかね。軍曹ゴブリンをさっさと倒しにいくとしますか。
――
5分後
――
「こちら北東関所に……どうしたんですか? かなり消耗していらっしゃいますね」
「ゴブリンの森にあんな奴がいるとは……。俺も結構腕を上げたつもりだったんだかな」
「あんな奴……? 一体どんな奴なんです?」
「バカでけぇ狼だよ。手も足も出ずになんとか逃げ帰れて助かったよ。早くこのことをギルドに報告してくれ。今森に行くのは危険だ」
「わかりました、至急ギルドに伝達します」
――
ウージリの森
――
ここがゴブリンの森か、洞窟とはまた変わってちょっと不気味なんだよなぁ。ゴブリンしか出ないって言ってもバット以外こっちもいないからバットがやられると一巻の終わりなんだよな。そう思ったジャロの視界はブラックアウトした。
『ゴブリンlv.8が現れた』
『バットの通常攻撃 ゴブリンに12のダメージ』
『ゴブリンの通常攻撃 バットに4のダメージ』
『バットの吸血 ゴブリンに11のダメージ バットの体力は5回復した』
『ゴブリンの通常攻撃 バットに4のダメージ』
『バットの吸血 ゴブリンに11のダメージ バットの体力は5回復した』
『ゴブリンを倒した 古びた棍棒を手に入れた 経験値を85手に入れた』
いやあ戦闘がかなり楽だね。進化して能力が上がった分ダメージが増えてるし、大体のダメージ分は吸血で回復できるから実質負け無い説まであるな。それじゃあ次は進化の時に覚えた魔弾【闇】を試してみよう。
何やら不穏な空気です。ゴブリン系列しか出ないはずの森に大きな狼ですって。何かあったんでしょうかね。