第百八十二話 詐欺師再び
読んでくださりありがとうございます。アムニスヴェーレギルド前にてイベント戦です。
「あぁ? 何だよてめぇはよ。……あ、知らない知らない。お前なんて俺は知らない。邪魔だ邪魔だ。それともオアシスをお前のせいで汚したいのか? さっさと俺の見えない所へ行け」
……あれ? スートが僕を知らないって言う訳は無いし、それに反応が僕を知っている人の反応だな。コイツ本当にスートか? なんか違う気がして来たな。それに割とこの汚めの口調どこかで聞いた覚えが……
「……お前もしかして、……ファトーレか?」
ジャロがスートと名乗った男にそう問いかけるとたちまちその姿はかつて砂漠で出会った催眠使いの姿そのものへと変わって行ったのであった。
「せっかくオアシスを汚すのをスートとかいう奴に押し付ける計画だったのによ。お前が居るとは計算外だ、催眠が解けちまった。まあ良い、お前をぶちのめしたらもう一度催眠をかけ直せば良いんだからな」
『レイテントのファトーレが勝負を仕掛けてきた。仲間モンスターは3体いるようだ』
『サボテン・ニードル lv.19が現れた』
アムニスヴェーレの中でイベント戦とは予想して無かったな。まあ幸いアトラスはレベルアップしたてだから全快なんだよな。サボテン・ニードルなら敵じゃ無いね。問題は3体目のアイツだな。
『アトラスの居合一閃 クリティカルヒット サボテン・ニードルに56のダメージ』
『サボテン・ニードルの棘拳 アトラスに10のダメージ』
『アトラスの三叉槍 サボテン・ニードルに34のダメージ』
『サボテン・ニードルを倒した 経験値を258手に入れた』
よし、順調だな。次は確かブラック・ナイトメアだったか?
『ナイトメア・ブラッド lv.20が現れた』
……なるほど、進化しているのか。まあlv.20に到達しているなら当然か。弱ったなその次が不安しか無い。
『ナイトメア・ブラッドの毒牙 アトラスに20のダメージ』
『アトラスの三叉槍 ナイトメア・ブラッドに22のダメージ』
いやぁ、厳しいね。とりあえず次のターンはそのまま行くとして、次辺りで誰かしらに入れ替えた方が良いな。
『ナイトメア・ブラッドの潜行 ナイトメア・ブラッドは地中に潜った』
『アトラスの三叉槍 回避された』
おっと、潜行か。でも相手の方が早いからとりあえず三叉槍を続けますか。
『ナイトメア・ブラッドの潜行 アトラスに24のダメージ』
『アトラスの三叉槍 ナイトメア・ブラッドに22のダメージ』
よし、半分程度は削れたかな。それじゃあ……、バットに入れ替えよう。
『アトラスとバットを入れ替えた』
『ナイトメア・ブラッドの毒牙 バットに27のダメージ』
よし、それじゃあ反撃だな。竜の炎をお見舞いしてやるぜ。
割とあっさりジャロはファトーレだと見抜きましたね。まあこんなことが出来るのはアイツしかいないのですぐに結びつくのは分からないでも無いですが。さてファトーレはジャロの言う通り捕らえられていたはずです。それもアムニスヴェーレ王国にです。それなのにどうして彼が白昼堂々悪事が働けるんでしょうか。