第百五十五話 宝箱の正体
読んでくださりありがとうございます。宝箱が動いたということは、つまりはそういうことです。
ジャロはふと宝箱の近くまで行って疑問に思った。最初に見た時は確か右側に宝箱があった記憶があったのだが次に来た時には左側に宝箱が置いてあったのである。
ジャロは気のせいかと思ったがそんな訳はない。なぜなら宝箱は動く事はないのだから。しかしこの宝箱は動いたのである。……すなわちこれが指す意味はこの宝箱は宝箱ではないという意味である。
『カース・ボックス lv.20が現れた』
……あれ? 宝箱が手に入るんじゃないの? モンスターだったのか……。しかもlv.20とはね。大体この手のモンスターは強敵が多いんだけど、その辺りはどうなんだろうな。幸い先頭はバットにしてるしなんとかなるでしょう。
『カース・ボックスの捕食 バットに32のダメージ』
『バットの竜の炎 カース・ボックスに42のダメージ カース・ボックスは竜の炎にとらわれた』
『竜の炎が燃えさかっている カース・ボックスに10のダメージ』
おっと、このモンスターバットより早いのか。しかもダメージも中々痛いな。まあでも次で倒し切れるとは思うけど……、いいやSPを節約して倒されてもダメだよね。竜の炎を連続で撃とうか。
『カース・ボックスの悪喰 バットに28のダメージ バットのまりょくが少し下がった カース・ボックスのまりょくが少し上がった』
『バットの竜の炎 カース・ボックスに35のダメージ』
『カース・ボックスを倒した 経験値を381手に入れた』
『バットのレベルが1上がった』
……ふぅ、危なかったな。なんだこの悪喰っていうスキルは。攻撃しながらこっちのまりょくを下げつつ、向こうのまりょくが上がるなんて許されるのか? さすがにその効果は確率であってほしいな。まあとにかく倒せたからよかったわ。
……しかしこんなモンスターもいるのか。取得経験値からして強敵だったのは間違いないんだけど、やっぱりレベリングって大事なんだな。アトラスが進化してなければバットが倒された場合確実に全滅してたよ。こうなってくるとファングのレベリングも頑張る甲斐がありそうでなによりだ。
ところで宝箱と思ったらモンスターだった訳だけど、もうこのハトルの洞穴には宝箱が無い感じなのかな? 一応奥まで行ってみるか。……お、宝箱があるな。……、動いて……ないよね? 大丈夫だよな? さっきヤバイのと戦ったからかなり警戒はしてるんだけど……、まあ大丈夫かな?
『銀の宝箱を手に入れた』
よし、ちゃんと宝箱だったな。これでこの宝箱もカース・ボックスとかだったらさすがに怒ってたわ。まあちゃんと宝箱だったしよかったよかっ……
『ナイトメア・ブラッド lv.20が現れた』
宝箱の近くには時折宝箱に擬態するモンスターがいます。不用意に近づく者を襲い所持品を漁るためです。ちなみにカース・ボックスはトラップ・ボックスの進化先でありこの辺りでは一割ほどの確率で出現するレアモンスターです。またスキルの悪喰(あくばみと読みます)の追加効果ですが、発動確率は一割です。いやあジャロは運がいいなあ。