表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/339

第百二十九話 早速なんですが

 読んでくださりありがとうございます。前回はシロガネが話を忘れたところで終わりました。シロガネは果たして思い出せるんでしょうか。

 

 ……大丈夫か? この爺さん。話があるって言って自分でその話を忘れてるっぽいんだが。


 そうジャロが心の中で心配しているとバタンと勢いよく扉が開いたかと思うと端正な佇まいをした女性がシロガネのもとへ駆け寄ってきた。


「遅くなりました、ギルドマスター。お呼びでしょうか」


 高めの張りのある声が響いたかと思うとシロガネがゆっくり女性の方を向いた……かと思うといきなり思い出したかのような顔を見せた。


「おう、そうじゃったそうじゃった。最近物覚えが悪くなってかなわんのぉ、まったく。さてジャロ様、ちと紹介するべき人物がいましてな。この方ですな、名をキャロットと言うんてすがギルド受付兼私の第二秘書になります。よほどの機密事項でなければキャロットに聞けば教えてくれるので今後は私ではなくキャロットに聞いてくだされ」


 紹介されたキャロットはジャロの方へ向くと軽い会釈をした。


「ご紹介にあずかりました私キャロットと申します、今後ともよろしくお願いします。早速ですが、ジャロ様に伝達事項がございます」


 何が何やら話についていけていないジャロはただ頷くことしか出来なかったがそれをキャロットは気にも留めていないようだ。


「ギルドに到着次第アムニスヴェーレの王殿へ来るよう国王より仰せつかっております。急ではありますがギルドより案内役を手配しますのでよろしくお願いします」


「……はぁ、そうですか」


 いきなり王殿へ来いと言われる謂れがあまりないが恐らくは護衛クエストの件で呼ばれたという予想がジャロにはついた。国王と言うことはダリアの父親でありダリアが怪我をしたことを怒っているかもしれないと思うと正直行く気は微塵も起きなかった。しかし逃げ出す訳にもいかなかった。


「ギルドを出たすぐの所にいるよう手配しておりますのでジャロ様は王殿へお向かいくださいませ」


 ……って言われたからギルドから出たけど、案内役ってのは誰だろうか?手配してることは確かなんだろうけど、誰かがわからないから結局いないのと変わらない気がするんだけどね。ええと……。


「ジャロって言うのは君かな? コマンダーの若きホープって聞いてるんだけど本当に若いんだね」


 ジャロがどうしたらとまごついているとそう話しかけてきた人物がいた。恐らくこの人物がギルドの案内役なのだろう。言動はかなり俗っぽいがスラっとした出立ちで立居振る舞いには教養が感じられるがこの人物はギルドの職員だろうか、それともコマンダーなのだろうか。


「若きホープかはちょっと知りませんが、確かに僕がジャロです。ギルドから案内役が来ると聞いているんですが、あなたで合ってますか?」



 ということでシロガネの第二秘書キャロットが登場しました。ギルマス案件は基本的にこの人が出てくると思っておいて大丈夫です。ギルドマスターになるには条件が結構ありましてシロガネに後任がいないことがアムニスヴェーレの目下の課題のようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ