第百二十八話 見た目の変更機能
読んでくださりありがとうございます。11月ももう終わりですね、早いもんだ。服屋の店主に呼び止められたジャロでしたが何があったんでしょうか。
呼び止められるような事をした覚えが無いジャロは訝しんだが店主の言う事を聞く事にした。
「あんたアムニスヴェーレに初めて来ただろ、ギルドでも見た覚えがないな。そんなあんたに俺らから話があるんだよ」
「……話ですか?」
「ふはは、そんな怪しむことはねぇよ。別にとっ捕まえるわけじゃねぇからよ。ちょっとギルドカードを出しな」
言われるがままジャロは店主にギルドカードを渡した。捕まえるわけじゃないと言われてもギルドカードが要る用事が浮かばないのでジャロには不安しか無かった。
「ほらよ、これであんたは服装が装備を変えずに変えられるようになったぞ」
『“見た目の変更“が解放されました』
「一度手に入れた事のあるものなら1個1000Gで作ってやるぜ。手に入れていないものは作れないから注意するんだな。それじゃ改めて、いらっしゃい。何か買うかね?」
なるほど、持っている服装なら見た目だけを変える事が出来るんだな。と言っても変えるものも無いが……。あ、そうかスタジャンがあるな。じゃあ見た目をスタジャンに変えますか。1000Gで変更可能になるのは楽で良いね。じゃあ見た目も変わった事だし改めて受付に並びますか。
「こちらギルド受付になります。何か御用ですか?」
「護衛クエストの報告に来ました」
「かしこまりました、それではギルドカードを提示してください」
「どうぞ」
「はい、ありがとうございます。確かにクエスト達成が確認出来ました、お疲れ様でした。こちらが報酬金になります、ご確認ください」
そういえばクエスト詳細を確認してないから報酬金がどれくらいか知らないんだよね。ええと、これいくらだ?今の所持金が28400Gだから……、10000G増えたのか。……おぉ、増えたなぁ。
「そしてギルドマスターがジャロ様に面会したいとのことですので、ちょっとついてきていただけますか?」
そう言うと受付によってギルドの2階の一室へ案内された。ジャロは案内されるまま通された部屋のソファに座ってギルドマスターを待っていた。別室に呼ばれたことが今までは無かったので少し居心地が悪そうである。すると程なくしてドアをノックする音が聞こえたかと思うと初老の人物が部屋へ入ってきた、どうやらこの人がギルドマスターのようである。
「さてさて、ジャロと言うのはあなたですかな。私はここアムニスヴェーレでギルドマスターをしておりますシロガネと申します。あなたのことはカナリア嬢からよく伺っておりました」
「そうです、ジャロです。よろしくお願いします。ええと話があると聞きましたが一体なんでしょうか?」
「ええと、……はて何だったかな」
ようやく念願の見た目の変更機能が実装できました。これでジャロの服装もちょっとはましに……服買わないんですね。あんまり効果はなかったのかもしれませんが、ひとまずハンチングにローブという取り合わせはこれで起きなくなりました。まあスタジャンが合っているかは疑問が残りますが。
アムニスヴェーレのギルドマスターが登場しました。シロガネという名のおじいちゃんです。……大丈夫なんですかね? 幸先が少しばかり悪そうですが。