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第百二十五話 カードから派遣された傭兵は……誰?

 読んでくださりありがとうございます。傭兵って言うとちょっと構えてしまいますよね。直前に傭兵で痛い目に遭ってますから。


「へぇ……。傭兵ですか」


 改めて自己紹介されたジャロは意外そうな顔をしてしまった。なぜなら傭兵ならば覚えがあったからである。その顔を見てかスートはさらにこう続けた。


「そう、傭兵だよ。恐らくクエストでここアムニスヴェーレに来たんなら護衛クエストの類いじゃないかい? それならうちの傭兵と一緒に行動した可能性が高いはずなんだけど、どうかな?」


「……確かに傭兵の方と一緒に護衛クエストでアムニスヴェーレを訪れました」


 ジャロは言葉に少し困った。スートの訓練場から来た傭兵が誰かが掴めなかったからである。もしポールやピエールであればジャロには警戒が必要であった。


「やっぱりね。となると最近のクエストで考えると……、ダリア王女様の護衛があったかな。うちからは誰を派遣したんだっけ?」


 スートは最近のクエストからジャロの護衛クエストを推察すると横にいた部下にそう問いかけた。その返答をジャロも待っていたため2人の視線が問われた部下に集中した。突然スートに聞かれた上になぜかジャロにも見られていることにその部下はやや疑問符を浮かべていた。


「……そのクエストならばマルコが行っているかと。まだ帰ってきてはいませんが」


 マルコと聞こえたためジャロは安堵したが、まだ帰ってきていないことに少し戸惑った。それはスートも同じであった。なにしろクエストを終えたジャロが目の前にいるからである。


「あれ? でもジャロはクエストを終えてアムニスヴェーレにたどり着いたんだから、マルコも帰って来てるはずでしょう? 何か事件でもあったの?」


 スートの視線はジャロの顔にまっすぐに向けられた。その顔は怒っているものではなかったがかと言って笑っているわけでもないただの無表情であった。スートから感情が読み取れずジャロは背筋に冷たいものを感じた。


「……あの、」

「……ギィ」


 ジャロが事情を話そうと口を開けたタイミングと訓練場に誰かが入ってくるタイミングはほぼ同時であった。扉の軋む音に少し驚いたジャロが訓練場の入り口に顔を向けるとそこには大剣を担いだ男が立っていた。


「おや? オーナー直々にお出迎えとは光栄ですね。只今帰還しましたことを報告いたします。治療をしてまして少々遅くなりました」


「マルコ、無事に帰還したんだね。丁度いいや、ジャロって言うんだけど覚えてる?」


 スートにそう聞かれたマルコはまじまじとジャロを見つめると思い出したかのような顔をした。


「……あぁ、この人なら知ってますよ。クエストで同行しましたからね」


「それはもう知っている。……ジャロから聞いたからね。同じクエストだったはずなんだけどどうして帰還のタイミングが違うんだい?」



 タイミングよくマルコが帰ってきましたね。マルコとポールたちはどうも勝手が違いそうだったのでスートは悪い人では無さそうですね。良かった良かった。

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