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第百二十二話 護衛クエストは失敗……?

 読んでくださりありがとうございます。一体ダリアは何を話そうとしているんでしょうか。


「謝罪なんて、むしろ謝罪せねばならないのは私の方でございます。申し訳ございません」


「いいえ、ジャロ様。少なくともあなたの謝罪の必要はございませんわ。あなたも存じてらっしゃるかと思いますが、私どもの依頼はヴァルトプトルからアムニスヴェーレまでの護衛のみです。ですから賊の討伐は含まれてはないのです。そのためこの依頼は☆4クエストの域を出ないはずでしたが、その予想は大いに外れてしまいました」


「しかし、ダリア様の護衛が務まったとは私は到底思えないのですが……」


「ええ、仰る通り務まってはいません。現に私は怪我をしていますし、帰国後速やかに治療が必要です。ですから本来であれば依頼は失敗です」


「……そうですよね」


 依頼失敗とのダリアの発言にジャロは肩を落とした。しかしそれは仕方のないことである。依頼主を護衛する以上依頼主が怪我をして護衛成功とは絶対に言えないのは当然であろう。


「……こほん、本来であればと先程申し上げました。つまり今回は例外です。そもそも私の怪我の原因はジャロ様ではございません。横に立っている執事長の責任です。アリエテの処分は帰国後じっくり考えたいと思います。つまるところ依頼失敗としてジャロ様が責任を取ることは一切必要ありません。依頼は達成されたとギルドには伝えておきますのでご安心下さい」


 どうやらダリアはジャロのために依頼は成功したとギルドに伝えてくれるようである。クエストを失敗したと思っていたジャロには相当ありがたい話であった。しかもダリアの話はまだ続いているようである。


「……そして、私はあなたのおかげで怪我はしましたがこうして無事にアムニスヴェーレへと帰国出来そうです。ジャロ様は確か☆4ランクのコマンダーでおられるとか?」


「……? ええと、ギルドランクのことでしたら☆3です」


 ジャロのその言葉にダリアはやや驚いたのか、目がやや大きく見開かれたようにジャロには思われた。


「でしたらなおさらのことですわね。クエストの内容を改めることも考えましたが、ジャロ様にはこちらの方が良いでしょう。ギルドランクを上げる際の助けになるかと思いますわ」


『ダリア(アムニスヴェーレ)から推薦を受けた』


 ジャロはこうしてダリアからの推薦を受けたのであった。アリエテが誤って殴ってしまったその痕は僅かに見て取れるほど回復してはいたが依然として痛みは残っていると思われる。


 だが、ダリアの馬車内での態度は凛としたものであり一国の王女の凄さを思い知らせる素晴らしいものであった。ジャロはダリアからの話にやや戸惑い身の置き所を探しながらそわそわしていると2階部分よりテスタの声が聞こえてきた。


「お嬢様、アムニスヴェーレの門が見えました。あと数刻で到着致します」


「わかったわ。さて、これで護衛はお終いになりますね。ジャロ様またお会い出来るのを楽しみにしております。お困りのことがありましたら是非王殿へいらして下さい。お待ちしております」




 護衛クエストはどうやら達成のようです。ダリアが怪我をしたため失敗となってもおかしくは無いです。でもそもそも怪我をさせたのはアリエテですから、味方のはずの執事長がぶん殴って依頼失敗は確かに理不尽ではあります。この辺りの裁定は難しいですね。

 ちなみにダリアの年齢は10歳という設定です。幼いと言えば幼いですが王族だけあって年齢の幼さは微塵も感じられませんね。ちなみに王族ですが自由奔放に育ったキャラクターも存在します。ストーリー次第では出てくるかもしれませんね。

 さて護衛クエストが終わりまして次回より水の国アムニスヴェーレでの物語が進み始めます。ジャロに何が待ち受けているのか楽しみにしていてください。

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