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第百十五話 お嬢様は無事……?

 読んでくださりありがとうございます。とうとうジャロたちはダリアのもとへたどり着きそうです。果たしてダリアは無事なんでしょうか。


「……あちらで倒れている2人組ですか? 傭兵と言うと洞穴に入る前に出くわしたあの男も確か傭兵だったのでしょう?」


「そうですね、マルコが味方ではなかった以上は彼らもどうかはわかりません」


「そうでしょうな、彼らは奴の部下であったと考えるのが定石でしょう。テスタ……彼らを縛ってしまいなさい」


 アリエテの指示でテスタは倒れているポールとピエールを拘束した。手練れの傭兵であったとはいえ倒れて気を失っては抵抗することも出来ず簡単にテスタによって拘束されたのであった。


「さて、お嬢様はこの先ですかな。間に合っていれば良いんですが……。急ぎましょう」


 アリエテのその言葉に従い、ジャロたちはさらに奥の空間へと急いだ。そこには広い空間の端に座っているマルコの姿とまるで意識がないかの様に横たわっているダリアの姿があった。アリエテは一瞬目を疑ったがすぐにダリアのもとへ駆け寄った。


「あぁお嬢様、何といたわしいことだ。意識はございますか。アリエテのこの声が聞こえますか。返事をなさってください」


 アリエテはダリアの意識が無いことにもはや取り乱しているのだろうか。何度もダリアに声をかけたがダリアの顔に変化は見られなかった。むしろ端に座っているマルコが少し戸惑ったような顔をして何か話そうとしていると思われることにジャロは疑問を少し感じた。


 ダリアの返事が無いことに諦めたのか、はたまたマルコへの怒りが高まったのか、アリエテの感情の矛先はマルコに向けられた。マルコは洞穴に入る前に出会った時とは打って変わってなにも言葉を発してはいなかった。むしろ言葉が発せなくなったかのように。


「貴様ダリアお嬢様に何をした。返答次第では許さぬ。何とか言ったらどうなんだ」


「アリエテさん、落ち着いてください。ちょっとおかしいですよ」


 ジャロは疑問で仕方がなかった。なぜなら以前会ったマルコは饒舌であったからである。しかし今目の前にいるこの男は一言も発さないのが不思議でしか無かった。


 そういえば馬車の中にいたマルコも言葉を発しては無かったことをジャロは思い出していた。何かがおかしいその気持ちからジャロは感情を露わにするアリエテを止めようとしたのである。


「許さぬと言ったな、ならば俺を殴ったらどうなんだ? お嬢様をあんな風にした俺が憎いのだろう?」


 その時マルコが言葉を発した。あまりに口を動かすスピードが速いのか口が動いたようには見えなかったが、そんな些細な疑問はいつも冷静なはずのアリエテの頭の中にあるはずもなかった。



 いけませんねアリエテは冷静さを欠いております。こういう時こそ冷静さを保つことが大切です。まあ私もこの場にいればとても冷静ではいられないでしょうけどね。

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