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第百九話 傭兵たちのボス

 読んでくださりありがとうございます。前半に主人公はいませんが後半には出てきます。

 

 ……同じ頃ダマッカの洞穴では


「……っく。お前強えな。俺らとは関係ない傭兵も混ぜて紛れる計画だったんだが、こんなに強え奴が混ざっちまったとはな。ボスも不運なものだぜ」


 ポールはマルコにつらつらと喋り始めた。その内容はマルコが聞きたがった目的とは異なる内容であったが、聞き逃すわけにはいかないものが含まれていた。


「……ボスだと? お前ら以外に誰かいるのか?」


「……けっ。当たり前だろうがよ。俺ら2人でどうやって実行するんだ? 足がつかないように俺らもわざわざ馬車で衝撃を受けたってのによ」


 その時ダマッカの洞穴に入ってくる人影があった。その人影はマルコに倒され辺りを転がっているピエール、そして今にも倒されそうであるポールを見て僅かに驚いた様子であったがすぐにマルコに顔を向けるとなにやら喋り始めた。


「ピエール、そしてポールをぶっ倒したのはてめぇか? この分だと取引は失敗してそうだな。仕方ない、悪いが俺の能力の餌食になってもらうぜ」


「……お前がこいつらのボスか? 一体どこのだ……」


 マルコは言い終わる前に意識を手放してしまった。理由は突然強烈な眠気に襲われたからである。それはすなわち催眠が発動したというわけである。


――


 ダマッカの洞穴へと急ぐ馬車の中でジャロは不安であった。理由は明白である。相手の目的やどういう人たちなのかの前情報が一切わからない状態で今敵陣に乗り込む格好になってしまっているからである。


「アリエテさん、作戦とか考えなくて大丈夫なんですか? ダリア様がその洞穴にいたとして助けられるかどうか不安なんですけども……」


「ふむ、一理ありますが情報が揃うまで待っていて手遅れになる場合も多々あるのですよ。それにダマッカの洞穴に確実にお嬢様がいらっしゃるとは限りません。あくまで推測の域を出ませんからね」


 そうアリエテが言い終わったタイミングで馬車の窓を鳴らす音がした。


「……鳥?」


 ジャロが突然の鳥モンスターにやや驚いているのを尻目にアリエテは慣れた手つきでその鳥を馬車の中に入れた。その鳥の脚には何やら手紙の様なものが装着されていた。


「ええ、王殿が所有しているモンスターになります」


 そう言うとアリエテはジャロに左手を見せた。その中指、薬指には指輪がはめられていた。


「その指輪……。友情のリングですか?」


「ええ、王殿に伝わる特別なものになります。さて、中身を確認しますかね」


 アリエテはモンスターの脚に装着された手紙を取り広げて中を確認した。中身を確認するアリエテの顔はあまり良いものでは無さそうであった。


 ポールとピエールの言うボスとは一体何者なんでしょうか。催眠が発動したということはジャロが遭遇した催眠使いなんでしょうか。そういえば彼もマルコと名乗ってましたね。

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